
アメリカからの並行輸入のアンプとか、昔のヴィンテージアンプとか、戦前のアメリカのラジオとか、軍用の払い下げ品とか、そういった115V機器が普通に家にある人は少ないとは思うのですが、
そういうのを115V(または117V,120V)で稼働させたいと思うと、そういう電気を作らなければいけないわけです。
今ある115V。
フェンダーのアンプ(古いヤツ) ケンドリックもそうだ・・・
THDのもそう・・・
神田が輸入したメサとオカダが輸入したShurは100V
それと真空管試験機TV-7D/Uと今度来る戦前のラジオは115V
一般的にはアップトランス(昇圧トランス)を使う方法でこれは一つ持ってます。
(後ろは木っ端がいっぱい入った段ボール箱)

あと、ダウントランス(降圧トランス)を使う方法があって、これは動力の200Vなんかから電圧降下させるもの。
うちはオール電化マンションなんでエアコンと温水器用で200V来てます。
(動力じゃない家庭用の単相200Vなので、これを115V、100V運用しても契約違反にはなりませんので念のため)
エアコン用はちゃんと部屋内に200Vコンセント来てます。
温水器は夜中2時ごろに1時間ほど稼働するだけで、エアコンのON時以外は200Vは完全に遊んでるんでエアコンのコンセントから200V引いて115Vを作りましょう、という件です。
昔はギターアンプなんかにはスライダック(可変式の巻式トランス)使って電圧をメーターとかで見て管理しながら使ったりする現場もありました。
元電源が不安定だと、出力側の電圧降下やフラツキがあって、機器側の動作不安定や最悪電源が落ちるなんてこともあったようです。
70年代のアナログシンセのアメリカものなんかはもう大変だったという話・・・・
オーディオマニアの方などは、この電源や電源線に(非常に)拘る傾向があり、
家庭用の100Vを(凝る人は別途引き込む)さらにトランスを通して清浄化して、
また再び100Vで取り出して、その線材やコネクターやタップといったものも、医療用をはじめとして
超高級超高額なものをふんだんに使いまくる、という物量作戦に出る場合があるようです。
これ、計算してみなくてもわかりますが、すごい費用が掛かります。
僕の場合、目的はシンプルですので・・・・・そんな事しません。
ありモノを使いながら、ちゃっちゃと作ります。
<ここで基本的な事を>
電気工事士の2種とか1種とかの資格があります。
これは法律で厳密に決められてて、あるラインから先はこの資格のある人しか
「やってはいけない」となっています。
素人仕事には火災、感電事故といったリスクが付きまとうからです。
かつては電気火災と寝たばこが火災のトップランクでしたが、近年はどちらも減ってます。
これは上記の事が厳密に運用されているおかげだと僕は思っています。
では、そのラインはどこにあるのか。
壁の中、天井裏、配電盤、分電盤、コンセントの中、壁付けスイッチの中、
建物や柱、造作に固定されている配線すべて触ったらダメ。勝手に固定してもダメ。
昭和の昔は木造の柱にステップルでVVF電線をトンカチでコンコンと固定したりしてました。(うちの親父もやってた)今はそういうのオールアウトです。
ではシロウトが出来ることは?
コンセントから外の固定してない仮設的な延長コードや電源タップの引き回し、
電気器具をそこへ繋ぎ込む。 これくらいです。
とにかく固定してたらダメです。
これは例えば地震の時に固定した配線はいとも簡単に引きちぎれます。
そこから露出した配線がショートしたり、一旦停電して、次に通電した時に火災になります。
固定してない電源タップは動いたらコンセントから抜けておしまい。
もちろんコンセント外のモノの自作というのも、何を作っても良い、というものではなく基本的な事をクリアできている事。安全対策必須。
自分以外の第三者が万が一触っても感電などしない事。
通電部の露出は絶対しない。不用意に触ることが無いよう、ガードを付ける。
線材、部材、部品関係の容量には余裕を持ったものを必ず選定すること。
そういう当たり前のことをクリアできてないとダメです。
という事で、準備をはじめます。
ポイントは
〇よく現場でトラックに積んであるポータブルトランスはやだ。
〇家庭内200V(オール電化なので部屋の中にある)→115Vへのステップダウン
〇ついでに100Vも取りたい
〇ついでにUSBの5Vも取りたい
〇安くあげる
〇でも、グレードの低い安モンは使わない
〇ブレーカー設置は必須
〇ノスタルジックな大型針式電圧計欲しい
〇トランスは単相複巻の絶縁トランス(できればノイズカット)
〇容量は300VA~500VAくらいのもの。
〇ウッドな感じ(笑)これは趣味の世界
用意したもの
木っ端デランバーミルで貰った杉板

桜の木っ端小片
ウォルナット材のインシュレーター(これは趣味)
トランス TOYOZUMI SD21シリーズ 300VA (1次電圧200/220/240 2次電圧100/110/115)

ブレーカー パナBS2022 20A
線材 キャブタイヤ2スケ(冨士電線)や単芯1.6mm(昭和電線)など
交流電圧計 内田 TR-15 ヤフオク1000円
耐熱タイラップ
115V用タップ3P
100V用 100V×2(スイッチ付き)USB×2 電源タップをカットして使用
200V用コネクター各種

100均のかご(これ、結構探した・・・・)
この一番右のメサ、ローンスターの上にセットしましょう。
巨大電源タップ、できました。

WOODY(笑)
テスター使ってメーターの表示をきちんと合わせます。
うちの家の200Vは実際計ってみると210Vほど出てて、
1次200Vへ入れると、2次115Vは125V、100Vは105Vほどで出力される。
そこで1次220Vに入れてみたら2次115Vは114V、100Vは99Vで安定したので、とりあえずこれで。

機器をいろいろ繋いでもう一度計ってみる。
ドロップするようなら1次200Vに戻します。