2013年 4月19日から全米公開され、オープニング3日間で3,815万ドルの興業成績を記録した 映画『オブリビオン』(原題「Oblivion」)。日本でも5月31日から公開される同映画の撮影監督であるクラウディオ・ミランダ氏とDIT(Digital Image Technician、デジタル・イメージ・テクニシャン)のアレックス・カー氏らによるセッション( "Oblivion": Shooting Oblivion with Cinematographer Claudio Miranda, ASC and DIT Alex Carr)が4月19日、NAB Show 2013で開催された。(ザッカメッカ 山下香欧)
■ソニー Cine Alta F65で撮影した初の映画作品
同映画は、ソニーCine Alta F65で撮られた初めての映画作品だ。当時(2012年)、出荷が始まったばかりのF65がスタジオ撮影に採用された。F65を採用したきっかけには、コシンスキー監督が『トロン:レガシー』の際に使用したF35の表現力が非常に気に入っていたこともあったという。クラウディオ氏は使える限りカメラをテストして、作品シーンが求める焦点とスコープを撮るのにふさわしいと感じたソニー製F65に決めたという。 スタジオ内での撮影に用いたF65は2台。それぞれ、ARRI/Zeissの Master Primeおよびフジノン製Premierズームレンズを装着した。
ミランダ氏は作品に2つの様式があるという。1つはプラットフォーム塔内のようにクリーン(清潔感)で無菌環境な部分、そしてもう1つは汚れたザラザラ感がある素朴な世界だという。スカイタワーから見る雲の陰りにある光源、そして下にはごろごろした火山岩。クラウディオ氏は「ニュアンスを観てみたかった」と、両極端な世界の表現の工夫について語った。