私は長い間ABS無し車に乗っていたので、ABS装着車でサーキット走るのはアオテッツァ君が初めてです。(笑) つまりABS歴は2年半の初心者...。(^_^;)
※以前足代わりに乗ってたルキノもABS付いてましたが、サーキットも峠も走っておらず、ABSは動作テスト以外で作動した事ありません。
ABS装着車でサーキット走って感動したのは、その絶大な安心感♪ 何があってもブレーキがロックしないというのは、実に素晴らしい事です。
がしかし、そのABSが最近信用出来なくなってきました。過去に何度か、ブレーキペダルが異常に固くなり、踏めなくなった事があるのです...。
しかし、ABSは安全に直結する装備ですから、メーカが巨額の開発費と時間を掛け、考え得る限り完璧な動作が保障されているはず。ど素人の私如きが感じる様な不具合など、あるはずがありません。
ですから、何かの偶然か気のせいと思う様にしてました。それが
、あるブログを見て以来、どうも疑心暗鬼に駆られています。どうやら私が経験した事は、巷で
「鉄板ブレーキ」と言われる症状と酷似している事に気付いてしまったのです...。
私が経験した鉄板ブレーキは、スピンした際にちょくちょく発生しました。あと、少しペダルに抵抗を感じたり、効きが悪い(踏み込めない)という事は、美浜のバックストレートエンドや、モータランド三河の1コーナ手前、YZの最終等でも発生した事があります。
思い当たる共通項は、ギャップ?や路面つなぎ目等でブレーキング中に若干姿勢が乱れた(暴れた)際に比較的発生し易い事。
実際、美浜バックストレートエンドはコースレイアウトや路面うねりのせいか、比較的リアが動いて車体姿勢が不安定になり易いですし、YZ最終もギャップ(路面繋ぎ目)があって、ラインによってはわずかに跳ね気味になります。
そんな事もあって、ABSを少し調べてみると、私の持っていた幻想は見事に打ち砕かれました。そうか、これがイマジンブレーカか。(笑) ABSとは無縁な車に長年乗り続けていたので、ABSに対して如何に不勉強だったのかを痛感します。
もちろん、ABSの設計された年代やメーカによって性能は違うでしょうし、アルテッツァは前期が普通のABS、後期はスポーツABSとなっており、それだけでも大きな違いです。という事で私の誤解を大雑把にまとめてみると。
●誤解その1
ABSは制動距離短縮では無く、制動中のステアリング操作確保が主目的。
実は私、ABSは舗装路ならば最短距離制動&ステアリング操作確保の両方が同時に達成されているものだとばかり思ってました。(^_^;) どうやらABS作動中は、制動距離が若干伸びる傾向にある様です。考えてみれば、当たり前なんですが...。
●誤解その2
ABSはタイヤロック前から介入しているらしい。
今までABSは、タイヤロック(車輪速ゼロ)を検知して油圧リリースしていると思ったのですが、実際には四輪の車輪速差を色々演算して、ロック前から作動させている様です。制御ソフトの作りでも変わってくるのでしょうが、メーカはタイム削るより安全性を100%優先させるはずなので、早めにABSを作動させても不思議ではありません。
スポーツABSとか言われるものは、その介入をより遅らせるタイプの様です。嗚呼、後期型が羨ましすぎる!
●誤解その3
ABSの誤作動は起こり得る。というか起きている。(過信禁物!)
ネットを少し検索しただけでも、いくつも鉄板ブレーキの事例が出て来ました。Z34はかなり有名な様ですし、私自身もYZの最終コーナでABSが作動せず、つい先日人生初のコースアウトを経験しました。ログ見ると、ブレーキ踏んだ瞬間の減速Gが通常の場合とは全然違っており、減速Gも半分程です。車両の動きも、ブレーキロックそのものでした。(長年ABS無しでサーキット走ってるので、その動きはさすがに分かります(笑))。
そう、
ABS装着車でもサーキットではロックする事があるのです。
ぢゃ、何故ロックした時にブレーキリリースしなかったか?
いや、色々考えたんですよ。まず、ブレーキがロックしたのはすぐ分かりました。あの、背中がぞわっとする感覚です。とっさに思ったのは、ブレーキ離すかどうか。比較的コース幅があるので、つる~と滑りつつも少しずつ車速落ちてます。何とかコース端でぎりぎり止まりそうな感じでした。
あとABS装着車両は、緊急時はブレーキ踏みっぱなしにするのが原則のはず。何故かブレーキッロックしてる感触だけど、ABS付いてるはずだし、でも方向変わらんし、でもABS付いてるはずだし、でもロックしてるとしか思えないし、まぁ何とか止まれそうだし...。
なんて思っていたら、コース端で突然車が加速しました。いや、この状態で加速するはずは無いんですが、体感的には加速したのです。
お陰で、やっとYZのベストを更新して41秒台に入ったと思ったら、人生初のコースアウトを喫しました。orz
後で現場検証(笑)して、加速した原因も判明。
コース端にある砂やゴミに乗って滑ってしまい、減速Gが一気に下がったため、加速した様に錯覚したみたいです。これさえ無ければ止まれたのに~。(T_T)
にしても、見事なブラックマーク!
ABSがまったく仕事してませんなぁ。(^_^;) もし1kHz位でロックとリリースを繰り返す超絶高性能ABSがあれば、こんな感じになるかも知れませんが。(笑)
という事で、一応ログ解析みたいな事を...。
厳密な測定器ではないので、どこまで正確かは分かりませんが、ある程度体感に一致した結果が出ています。アオテッツァ君の減速Gは最大1G程度なので、一瞬1.4Gの減速が出ているのかは謎ですが、実はコーナだと丁度その程度の横Gが出ます。
という事は、やはり通常のブレーキングだとABSが早め働いて、最大減速Gを出していないのかも知れません。しかしこの時はABSが働いていないため、一瞬だけでも最大減速Gが出たと考えれば、辻褄が合います。
因みに、同じ場所での通常走行時のログはこんな感じ
にしても、鉄板ブレーキを恐れていたのに、まさかロックが発生するとは、この海のリハクの目をもってしても見抜けなんだ...。
余談ですが、グランツーリスモが凄いと思うのは、ドアンダーが起きた瞬間、実車と同じ様に背中がぞわっとする事です。それだけ、挙動がリアルなんでしょうね。
という事で、今
真剣にABSに対してどう対処しようか悩んでます...。
手段は2つ、1つはABSキャンセル。もう一つは、リスク覚悟でABSを使用する。
リスクのあるABSは使いたく無いですし、以前サーキット走ってた車にはABSなぞありませんでした。ですから、ABSが無い事自体はそれ程問題ではありません。ネット調べてみると、ABS誤作動でのクラッシュ事例が結構あります。
しかし、
ABSキャンセル時の最大の問題は、前後ブレーキバランス...。
プロポーショニングバルブが付いていれば良いのですが、アルテッツァの整備解説書見ても、それらしき記述はありません。とするとEBDか...。orz
つまり、ABSキャンセルすると前後ブレーキバランスが狂って、恐らく制動時にリア側が効き過ぎて不安定になるおそれがあります。実は昔、プロポーショニングバルブの故障した車に乗った事あるのですが、とても走れたものではありません。まぁABS装着車なので、ABS故障時でも走行可能な程度には躾けられているはずですけど、スポーツ走行となると話は変わってくるでしょう。
そこでちと調べてみたら、カップカー用にTRDからABS取り外し用のプロポーショニングバルブが出てた様です。って事は、やっぱABSはスポーツ走行に不向き(減速Gが制限されて制動距離が伸び、しかも誤動作の恐れあり)って事か。(^_^;)
しかし今となっては入手不可ですし、ファミリーカーですから一般道ではABSあった方がいいでしょう。保険料率の問題もあります。(笑)
では、ABSのリスクを抱えたままサーキット走るか?
それも、YZでの経験があるのでかなり怖いです。とりあえず一度ABSキャンセルで走ってみて感触を確認してみるか...。
嗚呼、実に悩ましい問題だ。(^_^;)
なお、コースアウトしたのは事実ですが、アオテッツァ君は無事です♪ さすがにバンパ左側は小傷だらけになりましたが、板金の必要な被害はありませんでした。ホントに運が良かったです。
土を落としてコースインしたら、自己ベストと同じタイム(41.936)が出ました。(笑)
今月下旬にはタイヤ交換予定なので、下回りを念入りにチェックしてもらう予定です。その後は念のためアライメント調整かな。