
突然ですが、目の前で人が倒れてたら、あなたはどうしますか?
皆さんも何度か経験あると思いますが、私も事故や急病で人が倒れている現場に、何度か遭遇しました。
1.R1で事故があり、人が倒れてた。
2.どっか(場所失念)で事故があり、人が倒れてた
3.某広域農道で事故(バイクvs車)があり、人が倒れてた
4.りんだらじゃん横で事故があり、運転手は車両内で意識不明の大いびき...(酔っ払い自損)
5.通勤路で同僚が倒れてた(車にはねられた)
6.スペイン村の行列でで人が倒れてた(失神して泡吹いてた)
あと何回かはあるのですが、内容思い出せません。(^^;
3と6を除いて、周囲の人はほぼ無関心でした。 1、2、4は私が救急車を直接呼んでいます。
5は、同僚の周囲に人垣があるものの、見てるだけです。真冬の寒い早朝、同僚が冷たい路面に横たわったまま放置されててびっくりっ!
6はアトラクションの行列での出来事。若い女性二人が倒れた人に声掛けたり、周囲に知り合いや医療関係者がいないか尋ねるも、無反応です。私は列の後尾にいたのですが、せっぱつまった感じの女性の声がするので、何かトラブルかと見に行ったら、人が泡吹いて倒れてました。
慌ててうろ覚えの知識で横倒しにし、口から吐瀉物掻き出し、園内なので直ぐに係員呼びに行きました。この時に、うろ覚えでなく、ちゃんとした救急救命知識を覚えておくべきだったと痛感。
実際の話、事故や急病で人が倒れてる現場に遭遇しても、自分に大した事など出来る訳がありません。せいぜい救急車呼んで、吐瀉物で呼吸塞ぎそうなら掻き出し、あとは救急車来るまで運を天に任せて、見守る程度です。
話は変わりますが、最近AEDなる機器がずいぶんと配備されており、突然発生する心室細動(凶悪な不整脈)には絶大な効果がある様です。自分も半世紀越える年齢になって、他人事では無いなと思うようになりました。(^^;
そこで社内研修の一環として救急救命講座を提案し、承認されたので希望者全7名で受講してきました。
で、やっと本題です。(笑)
結論からいうと、学校教育の一環として取り込むべきと思うほどに、大切な内容でした。
我々は半日コースを受けたのですが、主な内容は以下の通りです。
1.応急手当関連講義
応急手当の大切さや、時間経過と救命率の関係。血だまり面積による出血量の大雑把な見分け方や、簡単な止血方法等。注意点として、素性の分からない相手の血液等は、直接触れるなとの事です。が、止血となると絶対触るよなぁ。(^^;
2.心肺蘇生実習
いわゆる「心臓マッサージ」と「人工呼吸」です。上半身の人形を使い、本気でやります。マヂで疲れます。が、もし人が倒れていたら、救急隊が来るまで続けなければなりません。一人では長時間無理なので、とにかく人を集める事が大切です。
因みに自分の住んでる市の場合、救急車の出動時は消防車も1台一緒に行きます。理由は、搬送先までの心肺蘇生の人手確保のためだそうです。
それから勘違い無いように書いておくと、心臓マッサージの役割は、手で押す事で心臓を動かし、わずかでも血液を循環させる事です。血流が止まると、3分~4分に脳にダメージが発生してしまうのです。
3.AED実習
いわゆる「電気ショック」を誰でも行えるようにした機器の使い方講座です。箱から出してスイッチ入れれば即起動。電極を指定位置に張り付けると、勝手に患者の心拍をチェックして、電気ショックが必要かどうか判定してくれます。必要ならば、ボタンを押すだけ。
全て音声ガイダンスがあるので、落ち着いて音声指示に従えば、誰でも出来ます。本当に簡単ですので、万一の時は勇気を出して使って下さい。それで助かる命があるかも知れません。
なお、心臓が完全に停止している場合は動作しません。心臓が動いている場合も、もちろん動作しません。あくまで心室細動状態の時のみ、動作します。
心停止の場合は、とにかく救急隊が来るまで、心肺蘇生(心臓マッサージ)を続けるのみです。
4.法律問題
はい、ある意味避けては通れない部分です。もし専門家でも無い自分が中途半端な知識で手を出してしまい、望ましくない結果になってしまった場合...。
「日本では一般市民が善意で実施した応急手当については、原則として、その結果の責任を法的に問われる事は無いと考えられています。」
との事です。「原則として」とか、「考えられます」とか、霞が関文学的というか、お役所的というか、実に微妙な書き方...。(^^;
米国には、「よきサマリア人法」という法律があり、市民の善意の救命処置の結果については、一切法的責任を問わないという法律があります。が、日本に該当する法律はありません。
ですから、明確に書けないのでしょう。しかし、消防署が講習に使用する公的なテキストに書かれているので、法律で明文化されてないので断定表現こそしていないものの、事実上責任を問われる事は無いと思われます。
全体を通して、思った以上に充実した内容でした。出来れば一生役に立つ場面には遭遇したくありませんが、知っておいて損は無いと思います。個人的には、学校教育にも取り入れるべき内容だと感じました。
多くの方に受講を強く推奨したいと思います。消防署に申し込めば、無料で実施してくれます。
最後になりますが、日本人はこういう場合119番だけして、あとは遠巻きに見ているだけという事が多いそうです。
講師(救急隊OB)の方が何度も繰り返し、「もし人が倒れている現場に遭遇したら、救急隊が来るまで何でもいいから出来る事をやって欲しい。声をかけ続けるだけでもいい。」とおっしゃっていたのが印象的でした。
多くの修羅場を見て来た方の、本音の気持なのだろうと思いました。