2009年06月14日
数十年間MT車に乗り続けてましたが、昨年末からAT車となりました。アクセル踏むだけで走るのは便利ですが、MTとは大きく特性が違います。その感じが、レシプロ機(プロペラ式の飛行機)に似てる気がします。
実は私、飛行機のライセンスを持ってます。
初めて飛行訓練をした時、操作方法は教官が教えてくれましたが、離陸から着陸まで全ての操作は自分でやりました。というと何だか凄いですが、気象条件の良い時に単に飛ぶだけなら、それ程難しいものではありません。(笑)
教官の指示通りにやれば、余程適性が低く無い限り誰でも出来ると思います。子供でも、AT車を広場で適当に動かす事なら出来るのと同じです。着陸は多少難易度高いですけど。
では簡単かと言うと、難しいです。(笑) 車同様学科試験がありますが、その難易度は車の比ではありません。1時間以上にも及ぶ、口頭試験(試験官と一対一で質問され、回答する)もあり、米国で取得したので色々大変でした。(^_^.) もっと英語を勉強しておくべきだったと、真剣に後悔したのは言うまでもありません。若い人に一言何か言うなら、「英語だけはマヂメに勉強するべし」です。
実技も、車で言う定常円旋回の様なものから、八の字、パイロンスラロームみたいなものまで様々あります。動き自体は簡単ですが、車と違って3次元ですから、高度一定を維持するのが難しく、風の影響も計算に入れて補正しないと、対称の軌跡になりません。気を抜くと、センターがとんでも無くズレます。大回りと小回りの繰り返しになって終いには補正出来なくなったり...。
その他にも、手前に障害物のある滑走路への離着陸や、失速からのリカバリ、スピンの回復、教官が突然エンジン停止(訓練ではアイドル状態)しての緊急着陸、管制塔との交信(これが嫌&一番難しかった)、ブラインド(外を見えない様にした状態)飛行や着陸、ナビゲーションログ(航空地図に予定航路を書き、通過時間や到着時間を設定)作成や、それに基づいたクロスカントリー(長距離飛行)等々。
現代の飛行機は良く出来ていて、単に飛ばすだけならそれ程難しくは無いですが、安全に飛ぶのは車以上に様々な訓練が必要です。上空では、何かあっても止まれません。落ちるだけです...。
その他、飛行訓練中には面白い話や失敗談も沢山あるのですが(笑)、車のブログでこんな事ばかり書くのもKYですので(^_^.)、ATとの共通点に戻ります。
初フライト時、車と違って何となく違和感を覚えたのがスロットル操作(エンジン回転数)と、機速の関係でした。離陸時はフルスロットルにして最高回転数にしますが、当然機速はゼロからじょじょに加速を始めます。その間、エンジン回転数はMaxを維持し、機速だけが上がります。
MT車の場合、車速と回転数は比例しますが、ATはまさにこんな感じ。例えば発進加速時にアクセル踏み角を一定にしておくと、回転数は変わらず速度だけが上がっていきます。
飛行機で上昇する時、回転数はやや落ちる程度ですが機速はぐっと落ちます。MTの場合は回転数と車速は連動し、回転が落ちた分だけ車速も落ちますが、ATは飛行機同様、回転数がやや落ちて車速がぐっと下がります。
考えてみれば当たり前の話で、MT車はエンジン出力とタイヤが直結しており、途中にスリップロスはほとんど発生しません。しかしATはトルクコンバータという厄介なものがあり、ロックアップするまではスリップしまくりで効率激減です。
レシプロ機も、空気中でプロペラ回している以上、加減速時は空気の中である程度スリップロスが発生しますから、効率はATとほぼ同等か、やや良い程度でしょう。おそらく80%前後(想像)だと思うので、そりゃ似てきます。(笑)
MT車に乗っていた頃、速度計が壊れた事がありました。お値段も高く、タコメータ見ていれば車速は見当が付いたので、かなり長期間放置プレイでしたが、AT車の場合は回転数から車速が分からないので、少々厳しいです。飛行機も、回転数では速度が分からないので、速度計は必須です。っていうか、無いと離着陸すら困難です。
過日起きたエールフランス機墜落事故。まだ原因不明ですが、速度計故障説もある様です。さすがに巡航中なら速度計が故障しても大丈夫だとは思いますが、着陸は困難になったでしょう。多数の乗客の方の冥福を祈ると共に、早急に原因究明される事を願って止みません。
Posted at 2009/06/14 16:14:57 | |
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