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2009年08月14日 イイね!

カタログスペックと実走の違いを予想(MiEV)

 EVとして大きな話題の一つであるMiEV。航続距離は160Kmと公表されています。つまり、カタログスペックで160Km走るという事です。

 
 一般のガソリン車のカタログにも必ず燃費が載っており、モード燃費で14.8Km/L等の記載があります。これもカタログスペックです。しかし、このカタログスペックが常に達成出来ると考えるお目出度い人は、ほとんどいないはずです。

 そう、カタログスペックというのは定められた条件で、最高の状態に整備された車両を最高の条件で動かした時にのみ達成出来る数値なのです。ですから普通の人が、同じ条件で走ったとしても、モード燃費を超える事はまずありません。もし超える事があるとしたら、モード燃費計測条件より、相当良い条件の場合のみです。

 さてここでEV(MiEV)。カタログスペック(モード燃費計測条)ならば、160Km走るとされています。これはほぼ間違いないでしょう。問題は、一般の人がどこまで、実走行での燃費悪化を意識しているかです。

 以前MiEVのネタを書いた時にも、実用航続距離は100Km程度と書きました。EVの実用燃費はカタログ値より結構落ちるという事を、今の時点でどれだけの人が理解しているのか、最近少々心配になってきました。MiEVが身近になるにつれ、何故か色々聞かれる事が増えてます。ダントツで多いのが、お値段と燃費(電費?)だったのですが、値段が明確になった今聞かれるのは、燃費の事が多くなりました。

 EVは非常に大きな可能性を持った素晴らしい車ですが、まだまだ黎明期であり弱点もあり、技術的に未成熟な部分もあります。しかし話題ばかりが先行して、物理的なモータと内燃機関の特性の違いや、EVならではの弱点等もあまり知られていない気がします。

 そこで、一般に関心が高いと思われるMiEVの電費について、個人的な見解を質疑応答形式で書きたいと思います。繰り返しますが、これはあくまでも個人的な見解ですので、内容の正確性を保証するものではありません。間違ってたらごめんなさいです。(笑) あと、ちょっとした条件や運転者の技術でも大きく変わります。この辺も、今のEVの技術的課題かも知れません。


・MiEVってきっちり160Km走れるの?
 ⇒運転条件にもよりますが、多分走れません。(笑)

・なんで160Km走れないの?
 ⇒160Kmというのはあくまでカタログ値です。ガソリン車でも、モード燃費達成出来する事が少ないのと同じです。 

・実際にどの位走れるの?
 ⇒走行条件によって、ガソリン車と比較にならない程変化しますが、概ね100Kmを目安にすれば、ヤバイ事には多分ならないでしょう。(^_^.)
 
・何でガソリン車以上に燃費変化が激しいの?
 ⇒空調(エアコン)を使うか使わないかで、劇的に変わります。特にヒータは、とんでも無く電費が落ちます。下手すると半分以下に。(^_^.)  急加速も、著しく電気を食います。一般道を制限速度以下で、滑らかにスムーズに走り、可能な限り回生を効かせるのが、電費向上の1手段でしょう。出足自体は良いので、あまりアクセル踏まなくても加速力は十分あります。

・高速では電費伸びるの?
 ⇒モータの特性とMiEVの構造上の問題(変速機構無し)から、高速走行も電費は悪化します。低速走行だと、電費は伸びます。従ってガソリン車と違い、 高速道路使用は燃費悪化要因です。悪条件(ヒータ+夜+雨+満員+急加速+速度超過)だと、SA間の移動すら出来ない可能性もあります。マヂで。

・ライト点けると燃費激減?
 ⇒実はそれ程でもありません。理論上若干は落ちますが、まぁ誤差の範囲です。それより、冷房や暖房、アクセルの踏み方の方が影響大です。

・山河路では電費激減?
 ⇒ある程度悪化しますが、下りは回生を存分に使える可能性もあるので、悪化度合いはウデが相当影響すると思われます。上手い人なら、それ程悪化しないと考えられますが、下手だとはメッチャ悪くなりそうです。

・携帯みたいに電池寿命は短くなるの?
 ⇒バッチリ短くなります。伝え聞くところ、メーカでは容量の80%になった時点をバッテリ寿命としている様です。つまり、100Km走れていたのが80Km程度になったら、電池寿命という事です。

・電池寿命はどの位?
 ⇒これも伝え聞くところ、10年(5年という話もあり)を一つの目処にしているようです。つまり想定では10年(5年)で電池容量は、80%まで減るという事です。しかし電池は生き物ですから、使い方によって大きく寿命が変わる事もあります。リチウムイオンの特性として、満充電や放電終了状態での長期放置は、望ましくありません。

  基本的にメモリ効果は無いはずですが、それでもバッテリ容量が沢山残っている状態でちょこちょこ満充電にするのも、寿命には悪影響を及ぼしそうです。  真夏の走行直後の急速充電等も、電池にとってはかなり辛いかも知れません。それで直ぐ死ぬ訳では無いですが...。
 

・で、結局どうなの?
 
 誤解を恐れず、色々伝え聞く風の噂を総合して書いちゃうと、

 ⇒街乗り+空調使用:100Km~120Km
 ⇒高速+空調使用 :50Km ~ 80Km
 ⇒街乗り+空調無し:120Km以上
 ⇒高速+空調無し :100Km以上

 ってな感じでしょうか。あ、もちろん何の保証もしませんよ。あくまで、風の噂のレベルです。乗り方が上手で色々細かく気付く方は、良い方にブレるでしょうし、何も考えずただ適当に運転する大多数の人は、悪い方にブレるでしょう。


 
 EVのブレークスルーは、全てバッテリに掛かっています。バッテリの容量とコスト以外に、車としてガソリン車に劣る部分は、一切ありません。環境負荷や性能のみならず、快適性やコスト、設計の自由度、製造の容易さ等々、全てEVの方が優れているのです。

 今、様々な企業が全力でリチウムイオンバッテリの性能向上に取り組んでいます。いや、次世代バッテリの研究も進んでいるはずです。バッテリに大きなブレークスルーが訪れた時、実用機械として異常とも思える低効率(25%前後)な内燃機関の車は淘汰され、EVの時代が来る事でしょう。
 技術屋としてあの低効率で公害と騒音と熱を撒き散らし、あまつさえ貴重な石油資源を無駄食い潰していく(75%を捨てている)機械が世界中を覆っている現状は、昨今の環境状況から許せるものではありません。

 個人的に内燃機関は大好きですが...。(笑)


Posted at 2009/08/14 14:31:11 | コメント(0) | トラックバック(0) | 電気自動車(EV) | クルマ

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 昭和50年代の車を、長年に渡り大切に乗り続けて来ましたが、諸般の事情で車検継続を一時中断し、08年10月から冬眠中させてます。  一時期車検1年半付きコ...
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