2009年09月24日
今、軽の中で最も個性的かつ異彩を放つのが、三菱のアイでしょう。まず、特徴的なのがそのデザイン。もう絶妙としか言えません。アイに乗る女性までもが、3割増でがおしゃれに見えます。(笑) 20年後に見ても、古さを感じないかも知れません。
しかしこの車の価値は、デザインだけではありません。車体そのものがプレミアムです。まずミッドシップレイアウトでリア駆動♪ 軽のみならず、コンパクトカー、いや、2000cc未満で新車で買えるミッドシップは、多分アイだけなのでは?(他にあったらごめんなさい)
そして極めつけは、根本的な車体の造りが非常に丁寧である事。実は私、アイをチョップドルーフにしたアイデビル(屋根を200mm落としたワンオフスペシャルマシン)に少しだけ関わらせてもらった事があるのですが、最初に車をばらしてぶった切った時に(笑)、端々の造りの丁寧さに驚きました。例えばブレーキペダル。世の中の99%以上の車は、マスターシリンダ(マスターバッグ)と直結状態です。しかしアイは、わざわざコストを掛けてオフセットさせてました。これはダッシュパネル外さないと分かりません。確かカタログにも書かれていなかったと思います。おそらく、衝突安全性向上のためでしょう。コスト要求が厳しい軽で、こんな手間掛けてる車は初めてです。いや、世界中探しても、そう無いでしょう。他にも細かい事を挙げればキリがありませんが、とにかく全てが丁寧です。
、そして、ボディの頑丈さに驚きました。フロアにはラダーフレームと言って良い程のサイドメンバがあり、ルーフ無くてもそのまま走れそうな気がするほどです。Bピラーも、切断するのに泣けて来る程リンホースが充実してました。(笑) 材質も良さそうな感じ。
アイは価格が高いと言われますが、それは誤解です。他社の同クラス(ターボ車)と比較しても、それ程大差ありません。むしろ内容考えたら、激安大バーゲン価格と言っても良いでしょう。他社は使い回しのプラットフォームですが、アイは専用プラットフォームであり、しかもミッドシップ♪ 量産型FFとスペシャルなMRを比較するのは、ギャンとザクを比較する様なものです。(笑)
発売当初は全グレードがターボであり、ノンターボの安い設定が無かったため、高いというイメージが出来てしまった気がします。三菱としては、軽だけど特別なスペシャリティカーというイメージで売りたかったのでしょうが、それが失敗だったのかも知れません?
結果的に後から、ターボや装備を省いた廉価版を次々と出す始末...。だったら最初から出せよって感じです。この辺りは、マーケティングの拙さでしょう。どんなに技術屋が頑張っても、ここがタコだとどうにもなりません。切腹物です。
デザインは、素晴らしいの一言です。アイは、アイ以外に比較対象がありません。アイの前にアイ無し、アイの後にアイ無しです。(悲しいけど)(^_^.)
内装に関しても、まったく不満はありません。車内の広さも、ワゴンRやムーヴには負けますが、普通に使うなら十分以上です。ただし、荷室は底が浅いため、多少容量少ないかも。装備は、上級のGグレードなら相当贅沢仕様で、2000ccクラス以上に匹敵するでしょう
なお、エンジンがNAだと走りは少々苦しいものがあり、普通の街乗りでさえ、明らかにストレス(重さ)を感じます。やはり車重の重さは、隠せません...。(^_^.) アイに快適に乗るなら、ターボがお勧めです。なお走り味そのものは、普通に走る分には普通です。ミッドシップとかロングホイルベースとか、特別な何かは感じません。
ただしっ! マヂでいじると話は別です。あまり知られてませんが、初期のエボ級のコーナリング性能を発揮するそうです。おそらく軽では最強最速でしょう。しかしその超コーナリング性能故、軽規格故のナロートレッド&生来の高重心が災いとなります。残念ながら、持って生まれたディメンジョンのためにシャシ性能を活かし切れません。もしこのプラットフォームでスポーティカー作ったら、トンでも無く速いマシンが出来る可能性があります。
とかくアイという車、実用性は十分なのに、デザインもシャシ構成も全てが非日常的と言えます。こんな軽は、もう二度と世に出ないでしょう。人気はともかく、間違いなく歴史に名を残す名車(珍車?)です。
さて、延々と前フリが長くなりましたが、この軽最強スペシャルティカーのアイが、何と3年落ちで乗り出し80万円で売っています。しかもターボッ! いつ売れるかなと、半年近く前から気にしていたのですが、まだ残ってました。(笑) もうバリバリの不良在庫。(^_^.) つまり、買う方にとっては最高の掘り出し物です。今まで誰も買わなかったのが、実に不思議。
色々チェックしたのですが、車体状況もオイル管理も良く、無論補修無し。色が黄緑色(笑)という事をのぞけば、文句無しです。が...、良く見たらミッションをバラした形跡がありました。H18年式で走行3万Km以下で、何故こんなとこバラす必要があったのか少々気になります...。
でもまぁ、新車の特別保証があと2年残ってますから、多分ノープロブレムと前向きに考えます。(笑) 新車価格を考えると3年落ちで乗り出し800Kならば、十分納得出来る価格です。っていうか、私の感覚では激安♪
聞くところ、今はハイトワゴン全盛で、こういった車は全然売れないそうです。まぁ軽は実用車として使う事が多いですから、日常の使い勝手だけを厳密に比較すればワゴンRやムーヴが上でしょう。アイとは方向性が違いますが、これらの車もお互いが切磋琢磨し、考え抜かれて作られた素晴らしいものです。でも、そういう車しか売れない日本ってのは、何だか寂しいですね。アイは悲運の車と言えるかも知れません。
もっとも、そのお陰で残っていたのです。きっと私が買うために、今まで待っていたに違いない。(笑)
この時点で、心はほぼアイに傾きました。が、一応営業担当の方に、乗り出し800K前後で他にお勧めの車が無いか聞いてみると、いままで車名すら浮かばなかったに意外な伏兵が...。
(続く)
Posted at 2009/09/24 00:26:56 | |
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