製作記もついに年を越してしまいました。
でももう少しで完成というところまで来ています…。
2つある艙口は一つを開放状態とし、もう一つをこれから開けるという状態で再現します。艙口は通常防水シートが被されているので、それを引き剥がしている状態とします。
シートは水溶き木工ボンドを染み込ませたティッシュで再現しました。
次に搭載艇を作ります。
一等輸送艦には大発4隻と中発1隻を搭載可能なので、その定数分を作ります。
まずは大発の形状チェックをしますが、細部まで明確に分かる実船写真がなかなか見つかりません。なおもググり続けると海外に残された破損大発の写真が見つかりました。
加えてこがしゅうと氏のイラストがあったのでこれも参考にします。
キットパーツはさすがに設計が古いので、友人から貰い受けた最近のキットに入っていた大発パーツに手を加えます。
最近のものとはいえ、貨物積載スペースの壁面が内側下方に向かってすぼまっているので、これを削って底部を広くしました。
また船首の道坂をプラ板で作り直します。道板は地面に向かって二段階に倒れるように開くようになっているので、プラ板2枚重ねで作りました。
舵輪周辺はモールドを全て削り、舵輪、シールド、ハッチなどを作り直しました。
問題は中発。大発に輪をかけて細部の分かる写真がありません。唯一頼りになるのはこちら。
第5号輸送艦に搭載された状態の写真です。
デリックワイヤーに隠れて若干見づらいですが、貨物積載スペースは大発と同じに見えます。ただ舵輪前のシールドは大発が半円形であるのに対し、中発はコの字型のようです。
これらを踏まえて製作したのがこちら。
輸送艦に積載される大発等は台車に乗っています。しかしこの資料がまた見つからない…。
わずかに参考にできそうなのはこちらの写真。
具体的にどのような形状なのか、これだけでは全然わかりません。
また大発等をどのように泛水させるかの資料も見つかりませんでした。参考になるとすればこちら。
甲標的であれ大発であれ、泛水方法自体は同様と思われます。
ただ疑問が。
大発等を泛水させたあとの台車が沈んでしまうと引き上げるのが大変です。先程の写真にあるように台車にワイヤーらしきものが繋げてあるので、これを引っ張って引き上げると思われますが、鉄製の台車が沈んでしまうと引き上げるのは大変です。よって浮力を持たせる作りになっていたはず。
もう一つの疑問は、台車に繋げたワイヤーはどこへ向かっているのか。
泛水後の台車引き上げを機械でやったのか人力に頼ったのかが分かりません。重量を考えると機械に頼りたいところですが、人力重視の日本軍なので…。
悩んだ挙げ句、煙突後ろあたりのリールに繋げることにしました。
次に作ったのは機帆船です。
今回は物資揚陸の場面をジオラマ化するので、オルモック湾に係留されていた機帆船が輸送艦まで物資を取りに来ているという状況を再現します。
機帆船の資料を探しましたが、詳細の分かる資料はなかなか見つかりません。結局「船体各部名称図」とWikiの画像を参考にすることにしました。
そしてスクラッチしたのがこちら。
このあと更にディテールを追加しました。後ほど完成品をご覧いただきます。
近年の模型工作は3Dプリンターが存在感を増しつつあります。
ガンプラなどの場合は著作権問題があるのであまり迂闊にパーツを作ったり販売したりは出来ませんが、スケールモデルの場合、ある程度の自由があります。
今回は物資運搬用のトラックと物資を詰めた木箱(2種類)を購入してみました。
トラックはいすゞTX40というタイプで、戦時中に大活躍したものです。
パーツは極めて精緻に作られており、ヘッドライトまでモールドされています。
私の塗り分け能力では、これが限界です…。
この他、物資運搬用にリヤカーや大八車も作ってみました。大発などと並べてみんなで記念写真!
艦船模型では艦全体に張り巡らされた空中線を、メタルリギングを使って表現する場合が多いですが、なにせこれが高い。
メタルの性質上、直線を出すのは比較的容易ですが、巻きつけるなどの作業にはあまり適しません。
この課題をクリアするアイテムがこちら↓
100円ウィッグです(笑)
これなら安価かつ加工も容易なので、リールに巻いたワイヤーなどの表現も可能となります。
さてここまでの作業で役者は揃ったので、いよいよ海面の仕上げです。
今まではアクリル透明メディウムを表面に塗り付けていましたが、アクリルつや出し透明メディウムを使うとよりマイルドな海面が表現できるとの情報を得たので、テストしてみました。
つや出しでない方は凹凸を作るのが容易でしたが、つや出しの方は形状の維持ができないため、完全にフラットな水面となります。小さな波のある海面を作るには適しませんが、水たまりや池などを作るには便利だと思われます。
よって今回もつや出しでないメディウムを使用。
現在その乾燥待ちです。
長きに渡った製作記も今回が最後。
次回はいよいよ完成報告ができると思います。
今しばらくお待ち下さいm(_ _)m
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Posted at
2023/01/09 21:46:37