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2023年10月01日

揚陸準備(第140号輸送艦)

揚陸準備(第140号輸送艦) 2月中旬から製作を開始した2隻の二等輸送艦。
1隻は159号として少し前にジオラマ化しましたが、残る1隻は140号としてジオラマ化するため作業を続けていました。そしてようやく完成。
作品をご覧頂く前に少々うんちく。

場所はフィリピン・オルモック湾。
レイテ島へ上陸したアメリカ軍を迎撃するため、同地の陸軍への海上輸送を行うことになった。これが多号作戦である。
時は昭和19年12月2日から3日にかけての深夜。第7次輸送に参加したのは一等輸送艦・第9号、二等輸送艦・第140号と第159号である。第7次ではそれまでの重火器等の輸送から弾薬や糧食等の物資輸送に切り替えられた。


といった状況の中、第140号輸送艦による物資揚陸場面をジオラマ化しました。
では作品を御覧ください。




二等輸送艦のジオラマはその多くが揚陸場面です。私の知る限りその全てが戦車を揚陸しています。
しかし今回のジオラマに戦車は出てきません。
代わりに輸送艦から降りてきた海軍士官と、物資を受け取るため建物から出てきた陸軍士官が出会う場面を再現しました。



太平洋戦争の日本軍はどこでも物資不足で泣いているので、輸送を受けるのは陸軍の兵たちには非常に喜ばしい瞬間だったはず。
このジオラマで少しでもそうした雰囲気が伝わればと思いますし、これこそがこの作品のメインテーマでもあります。

こうした状況表現を補強するため、艦首付近では水兵たちが慌ただしく動いている様子を再現しました。

艦首扉はアンカー後方にあるウインチで上下させますが、その間のワイヤーを引き回してその周囲に水兵を立ててあります。
また上甲板から艦首扉へ向かうための通路を塞いでいる木製蓋を取り外している様子も再現しています。
これらの様子はうまく表現できたと自己満足しています。

艦本体は残された実艦写真や同人誌などを参考に徹底的な考証を行いました。あくまでも自己評価ですが、二等輸送艦にかかる過去最高の考証が出来たのではないかと思っています。
特に、未解明な部分の多かった戦車庫内部の構造の正確な再現(車路両側が3階建てになっていて1階が倉庫、その上が兵員室であること、1室だけ士官室のため畳が敷かれていたことなど)が出来たこと、実現はしなかったものの艦橋前の艙口とデリックを確認し模型化使用としたことは、恐らく過去に例がないのではないでしょうか。

前述のように戦車は登場させない方針でしたが、せっかくなので上甲板を取り外し可能とし、95式軽戦車1両と97式中戦車2両を載せておきました。

この他にも、煙突前後の通風筒について深めたり、防空指揮所ブルワークの作りや後マストの立て方などにバリエーションがあることを分析出来たのは考証の成果だと思います。
また中発に消音器を設置するなどの作り込みも行ったり、8cm高角砲をスクラッチしたのも楽しかったです。
ウォーターラインモデルでありながら艦首下部のゲタを作った事例も多くはないと思いますが、Twitterフォロワーさんから正面線図の情報を得て自分なりの形にできたのも良かったです。

キットの箱絵(TAMIYA・ピットロード)で二等輸送艦の揚陸場面が描かれていますが、ゲタが描かれていません。つまりゲタは浜に埋もれています。



しかしこの状態だとゲタが浜に深く埋まっているので、二度と海に戻ることは出来ません。実際は↓のようにゲタが見える状態となります。

ジオラマでこのように表現できたのも満足度が高いです。

脇役として大発2隻も登場させました。

小さな船が大波に揺られている様子が伝わるでしょうか。

また地上の建物なども作りました。

大きな建物は南方の基地にありそうなものをイメージしながら作りました。
またヤシの木は南方感を演出する格好のアイテムなので、頑張って2本作りました。

製作は7ヶ月半というかなりの長期間に渡ってしまいましたが、資料の乏しい輸送艦の考証はなかなか大変だったことに加え、以前に比べて気力が続かなくなってきたため、作業がなかなか進みませんでした。
やり残しが無いわけではありませんが、自分なりのテーマで自分なりの精一杯の表現が出来たのではないかと感じており、お気に入りの作品の一つに数えても良いだろうと思っています。

それにしても長かったー(笑)


↑に掲げた以外の完成写真は以下のフォトギャラに収めました。
第140号輸送艦揚陸場面ジオラマ・その1
第140号輸送艦揚陸場面ジオラマ・その2

備忘録を兼ねて、これまで綴ってきた製作記を以下に掲げておきます。
二等輸送艦製作記(資料の確認・キットのチェック)
二等輸送艦製作記(船体の工作続き)
二等輸送艦製作記(船体の工作さらに続き)
二等輸送艦製作記(船体の工作まだまだ続き)
二等輸送艦製作記(船体の工作・最終回)
二等輸送艦製作記(煙突周辺の工作)
二等輸送艦製作記(滑り止め甲板と艦橋の工作)
二等輸送艦製作記(各部艤装・ジオラマベースの制作その1)
二等輸送艦製作記(各部艤装・ジオラマベースの制作その2)
二等輸送艦製作記(各部艤装・ジオラマベースの制作その3)
二等輸送艦製作記(各部艤装・ジオラマベースの製作その4)
ジオラマ「今、助けてやるぞ!」
二等輸送艦製作記(ジオラマベースの製作その5)
二等輸送艦製作記(艦首付近のディテールアップなど)
二等輸送艦製作記(ジオラマ小物類製作など)
ブログ一覧 | 艦船模型 | 趣味
Posted at 2023/10/01 20:07:25

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この記事へのコメント

2023年10月2日 7:27
完成おめでとうございます😊

建物・ヤシでアジアン感でますね!

本当にギュッと濃縮された
製作に情熱を感じます😁

コメントへの返答
2023年10月2日 18:40
ありがとうございます!

やはり南と言えばヤシの木ですよね~。
根性があればヤシの木林を作るのですが、なにせヘタレモデラーなので…(笑)

これからも気力の続く限り頑張って製作したいと思います(^ ^)
2023年10月4日 16:28
完成、おめでとうございます♪( ´ ▽ ` )ノ
艦船と小さな船のコラボだけでも
臨場感があるのに、乗組員がいると、
なお雰囲気が増しますね♪
砂浜を作ったときはトーンが暗めに
感じましたが、陸に上がった人々が入った
影響なのか、イッキにトーンが明るく
なって、なんだかほっこりする情景に
なりましたね。

ザク違さん、作るたびに最高傑作が
更新されてますね。すごいです!
コメントへの返答
2023年10月5日 7:00
ありがとうございます!

ジオラマ製作初期の頃はガンダム対ザクのような無機質な世界を作っていましたが、ある時フィギュアを置いてみて、雰囲気が大きく変わることに衝撃を受けました。
樹木なども含めて有機物が登場すると場面が生き生きとしてくるんですよね。

>ほっこりする情景

最高の褒め言葉を頂きました!
そのように感じてもらえる人が少しでもいたならば、この作品は大成功です。

Xではあまり多くの人に見てもらえなかったので世間全体の評価は高くないと思いますが、自分の中では傑作のひとつに数えていいと思っています。
これからも自分なりの製作に励んでいきます( •̀ᴗ•́ ) ̖́-
2023年10月15日 16:24
7ヶ月におよぶ製作お疲れ様でした。
とても1/700スケールとは思えないほど輸送艦、車両、補給物資に至るまで、作り込まれていてすごいです!!
実艦の調査もさぞ苦労され、悩まれて製作したと思います。
輸送を題材にたジオラマも少ないので新鮮でした。
私もついつい大型戦闘艦を中心に製作してしまうのですが、船の大小問わずに1隻1隻に搭乗員一人一人にドラマがあることを改めて痛感しました。
コメントへの返答
2023年10月17日 18:03
ありがとうございます。
長かったです(汗)

近年のWL作品は精密度のリミッターが無くなったかのような超絶作品がゴロゴロしている中では、私の作品は児戯のようなものです。
ただ艦の考証もジオラマの場面設定も自分なりに楽しんで出来たのは良かったと感じています。

大型艦はやはり迫力が違いますね。
私は戦艦や空母を最後まで完成させられる自信がないですが、チュンチュンまるさんは次々と素晴らしい作品を生み出すので尊敬しています。
来年の展示会でお互いの作品を見せあえるといいですね。

プロフィール

「第19号輸送艦(捕鯨母船)の製作(煙突などの製作) http://cvw.jp/b/488285/47730188/
何シテル?   05/19 16:08
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