【くるま放談】 ＶＷの社長は 超やり手なお方

ジュネーブ・モーターショーで ＶＷの 中期戦略 を発表した，ヴィンター
コルン社長。　さて，この人は一体どんな経歴の持ち主なのだろうか。　
先日紹介 した週刊東洋経済誌にその経歴が掲載されていたので，
チョイとご紹介。 結構，ドイツ流のイケメン社長ですなぁ。

今回，スズキとの資本提携を果たしたヴィンターコルン社長ですが，
Ｍ.Ｂｅｎｚ誕生の故郷である，ドイツのシュツットガルト市郊外出身の
６２歳。地元の工科大学で金属工学の博士号を取得。 この街の人々は倹約家（言い換えればケチ）が多いそうな。 博士は大学卒業後，
地元大手のＢＯＳＣＨに就職し，その後 Ａｕｄｉ に転職。　

ここで当時社長のフェルディナンド・ピエヒ博士の下で生産品質管理を
長く仕込まれ，片腕として頭角を表す。

そしてピエヒ社長がＶＷに移籍すると，後を継いで Ａｕｄｉ の社長に就任。
更にピエヒ氏がＶＷを定年退職すると，２００７年にＶＷ社長に任命される。

社長となったヴィンターコルン氏は倹約精神を発揮して部品の共通化を大胆に推進して功績を
上げる。　しかしながらこの人，時に過激な決断をも瞬時に下せるようで，今回のスズキの件も
そうだが，就任早々にお気に召さないデザイナーをばっさり切って入替えてしまったそうな。

これで以前に触れた，この件 の真相が見えてきた。　丁度コルン氏が社長に就任した当時，
Ａｕｄｉ のデサイン指統括者だった ワルター・デ・シルバ氏 を ＶＷ に引き抜いちゃったって訳。
確かに今のＡｕｄｉ の地位が有るのも アクの強い 「あの顔」 のお陰な訳で，イタリアデザインの
大御所の血をＶＷにも注入開始，それが今回の Ｇｏｌｆ Ⅵ や Ｐｏｌｏ に反映されている事になる。

で，このコルン氏が 「打倒！ＴＯＹＯＴＡ」 に燃えている張本人で， 年内で販売契約解消 の
ＤＵＯ の件からも伺えるように，今後はトヨタの世話にはならない姿勢を見せたのも頷ける。
かなり有能なワンマン社長のようで，スズキ社長とも相通じるものがあるよう。

さて，このツワモノ，ヴィンターコルン社長を迎え撃つ，トヨタの章男社長（53）の前途や如何に。