
「通勤バイク、買います」もいよいよ大詰めです。
思えば、当初目指していた目的地はここのはずでした。
スズキ・ジクサーSF150。別名「燃費お化け」です。
主要な諸元をば。スズキ公式より。ただしカウルレスのジクサー150です。
・全長 / 全幅 / 全高 2,020 mm / 800 mm / 1,035 mm
・シート高 795mm
・装備重量 139 kg
・WMTCモード値 50.0 km/L
・空冷・4サイクル・単気筒 / SOHC・2バルブ
・総排気量 154 cm3
・最高出力 59.6 kW〈13 PS〉 / 8,000 rpm
・最大トルク 513 N・m〈1.3 kgf・m〉 / 5,750 rpm
・フューエルインジェクションシステム
WMTCモード値 50.0 km/Lという驚異の低燃費。
他に特筆すべきはありませんが、質実剛健。
理想の通勤車、ここに極まれり。
空冷単気筒はメンテナンスが楽な上に軽量化に繋がるから個人的に◎。
中古で保証付きで20万前半から狙えるからお財布にも優しいです。
みん友だって50人は固いぜ!ヒャッハー!
うたた寝している間に、どうやらタイに不時着したようです。
本能は「キャブ車かつタイこそ最適」と判断。どうしてこうなった。
〜〜〜GPXとは?〜〜〜
ナウでクールでファンタスティックなバイクを量産しちゃう男前さと、お財布への慈愛に満ち溢れる母性を併せ持つ、タイの新興バイクメーカーです。
タイはわかりました(無理矢理)。しかし何故FI車でなくキャブ車なのか?
実は、GPXのFI車には「エンスト病」と呼ばれる悪名高い流行り病があるからです。
しかし、新車のキャブ車は販売終了。中古車から選ぶことになります。
シンプル・イズ・ベストを地で行くトラッカースタイルのレジェンド150S
往年のカフェレーサースタイルに倒立フォーク、フロントダブルディスクブレーキを兼ね揃えたジェントルマンレーサー200
からの、フェアリングとセパハンを引き算したヤマハ・ルネッ…ではなく、ジェントルマン200。
GPXですが、国内でもレビュー動画や記事は散見されるのですが、大半はFI車のレジェンド150FIとレジェンド250Twinのことばかり。
おまけに、肝心のメンテナンスに必要な情報が殆ど得られません。俺が欲しい情報はこっちなんだけどなぁ…
いつも通り前置きが長くなりましたが、やっと本題。
今回はジェントルマン200のエンジンについて考察したいと思います。
すべてカンです。保証なし。
まず、諸元です。タイ本社より入手したスペックシートより抜粋。
恐らくTK MVR28はTeiKei MVR28キャブレターのことを指しているのでしょう。TW125(200も?)で使用しているCVキャブの28mmと推測します。
https://www.amazon.com/JDMSPEED-Carburetor-5RS-14301-00-00-Yamaha-TEIKEI/dp/B0823P989B
エンジンは何処にも情報が無いけれど、LoncinのRE200エンジンがベースだと思う。
https://ja.aliexpress.com/item/1005005816709023.html?src=google&aff_fcid=1aa672c43d714f61a970ee5c468d5813-1695145869621-07788-UneMJZVf&aff_fsk=UneMJZVf&aff_platform=aaf&sk=UneMJZVf&aff_trace_key=1aa672c43d714f61a970ee5c468d5813-1695145869621-07788-UneMJZVf&terminal_id=41c8ac324d6644c0a0d961932f0a45ac&afSmartRedirect=y
形状もウリ二つ。
最高出力を比較すると、ジェントルマンは11.5KW/8000rpmに対し、ロンシンRE200は12kw/8000rpmとほぼ同一。ミッションも6速。0.5kwの差は中国人がハッピー思考ということで(笑)
そうすると、次の疑問が湧きます。このRE200エンジン、国産のエンジンをベースに開発していると思うのですが、果たして何をパク…否、何を参考にしたのだろうと。
キャブから想像するに、まんまTW200なんじゃないかなと。
なので、TW200の取説より諸元をば。
12kwは約16psとほぼ同じ、回転数は8000rpmに対して7500rpm、排気量の差は1cc、限りなく近いと言えるのではないでしょうか。
次に、ミッションに着目すると、TW200は5速に対し、RE200は6速。
しかし、TW200のルーツはXT200。これはセローのルーツでもあります。
更にセロー225は6速です。
というわけで、セロー225の取説より諸元をば。
で、こっちがジェントルマンのスペックシート。
細かな違いはあれど、特性を含めてほぼ同じと言えるのではないでしょうか。
実はこのロンシンエンジン、RE250をラインナップしています。
お、まさかセロー250のエンジンに、セロー250が成し得なかった6速ミッション搭載??
こりゃムキムキジェントルマン250(ボアアップ)いけんじゃね?
https://gzbawo.en.made-in-china.com/product/QJopibsxHXke/China-Loncin-250cc-Engine-4-Stroke-Air-Cooling-Motorcycle-Engine-Re250-for-off-Road-Motorcycle.html
223ml=セロー225でしたとさ。得意のハッタリ。
でも待てよ?12Kw/8000rpmって、さっき見たRE200と同じ出力じゃね?
ヤマハさーん、セロー225のデータ教えて〜
15Kw/8000rpm(セロー) > 12Kw/8000rpm(ロンシン)
ってあれ、劣化版セロー!?
お母さん、何が正しいのか、もう僕にはわからないよ……
なんとも後味の悪い結果になりましたが、この仮説が正しい場合、TWやセローの部品流用やあらゆるチューニング技が使えるのではないでしょうか。
というわけで(誰得の)ジェントルマンの考察を終わりたいと思います。
■あとがき
ヤマハさんって古いカタログやパーツリストをユーザーに無料で公開しています。古い車両の部品も長く生産してくれるし、素晴らしい企業姿勢だと思います。
かつ、タイ本国のGPXさんも、私の変な問い合わせに対しても速やかに、かつ非常に快く教えていただきました。かつ、テクニカルな資料まで丁寧にお送り頂きました。
この場を借りて感謝を申し上げます。ありがとうございました。
誰も見ていないだろうけど(笑)