キャリパー分解
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
初級 |
作業時間 |
3時間以内 |
1
さて分解していきましょう。
先ずはピンを抜くのでRピンをラジペンで引っこ抜きます。
Rピンは安いので4つとも新品に交換しましょう。φ6mmですね。
2
バネを下に押してテンションを抜き、Rピンが刺さっていた方からパッドピンを押し出します。
3
キャリパーブロック締結ボルトを緩めるために一度外したキャリパー左右ブロックを繋ぐパイプをもう一度取り付けます。
最初は不恰好だな〜と思ったこのパイプですが、TZRのフロント住友キャリパーの様にキャリパーの接合内部でフルードを通していると、ブロックが緩むと間からフルードが漏れてしまいます。
この機構ならキャリパーブロックを緩めてもフルードは漏れませんから、固着気味なブロック間のボルトを車体に付けている間に緩めることができます。
車体についていない時にパーツに高トルクを掛けるのはしんどいので中々の整備性と言って良いです。
APレーシング良いね!
4
キャリパー分解のクライマックスであるピストンを抜いていきましょう。
何も考えずにエアを掛けるとピストンがパッコーンと飛び出て来て非常に危険なので、真ん中に板を噛ませ、ウエスを被せてピストンがぶっ飛ばないよう、安全な状態にします。
5
あ〜固着してないピストンはこんなに楽なのか〜。いつも完全固着数十年ピストンばかりを相手にしていたので、パコっと何事もなく出てくるピストンに感動です。
ただし、両推しの場合、絶対に片方だけ先に抜けるので、抜けたピストンを綺麗にして再度軽く組み付け、残ったピストンが逃げる余地を板などを組み合わせて残し(写真)て、再度、ゆっくりとエアを掛けます。
ちなみにエア無しでキャリパープライヤーで抜いてみようとしたものの、全くの無力でした。キャリパープライヤーって何のために存在しているのでしょう…。
6
はい、抜けました〜。
今まで固着ピストンを相手にしていた私からすれば、こんなものは楽勝楽勝。
先に抜けた方を、圧がかかりかつ手で取れるくらいの絶妙な具合にして、余り奥まで差し込まないのが楽して抜くポイントですかね。
今回は必要ありませんでしたが、交互に残ってしまう場合は、ブレーキグリースなどをピストンに塗り、ヌルヌルにして、それこそキャリパープライヤーや素手でも引っこ抜けるくらいにした後、軽くエアを掛ければ成功します。
なお固着ピストンの場合は、この後、煮物、炙りなど色々な調理法がありますが、ご興味のある方は私のTZR250Rの整備手帳、ブレーキOHあたりをご覧ください。
7
ゴムパッキンは外側が溝あり細、中側が溝無し太です。ピッカーでツルッと取り出します。
8
パーツをバラした後は、バラバラのままいつものメタルクリーンαで煮込みましょう。60〜80度で3〜6時間ほど待ちます。TZRのピストンやシリンダー煮込みの経験的には2時間ほどでだいたい浮いてくるので、ブラッシングしながら様子をみつつ綺麗にしていきます。
コレで隅々まで脱脂出来てしまうので、乾けば塗装出来てしまいます。
コレで落ちなければサンドブラストやりますが、APレーシングキャリパーは表面処理がされているという事なので、コレで良しとしたいところです。
今回の配合は30g/Lなので、4Lの水に120gのメタルクリーンです。
いやーこのメタルクリーン、ちょっとお高いですが、灯油などと比べて引火性も無いですし、煮込んだ後は中性洗剤なので、その辺に捨てられますし、何より素晴らしく綺麗になるのでオススメです。
9
はい、こちらが出来上がりでございます。
美味しそうですね〜。
ボルト類は頭が錆びていたので、頭だけサンブラかましました。
キャリパーブロックは鉄ブラシでゴシゴシした後、2度煮込みしまして上がりです。
ちょっと冷えたらダスターで穴を吹いておきましょう。
10
キャリパーブロックの下とパイプに付いていたのはパッドカスではなくコーキングでした。どうやら風切り音低減のために間を埋めているものと思われます。
塗装するんで剥ぎますが、再施工するかどうか…熱的に持たない気がするんですよね、手持ちのコーキングだと。
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