
2017年の夏休み、117クーペで帰省中に、
友人夫婦と岡山で落ち合い、美作三湯の温泉を楽しみました。
美作三湯とは湯原温泉、湯郷温泉、奥津温泉の3か所。
今回はその中の湯原温泉と奥津温泉へ行きます。
ちなみに117クーペでの最高距離ドライブでした。
湯原温泉はダムのすぐ下に湧き出ている温泉で、
昔は「西の湯原、東の草津」と言われて温泉番付の横綱でした。
(今は西の横綱は有馬温泉らしいです。東は草津のまま。)
温泉宿が乱立していますが、なかなか風情ある街です。
ここは砂湯という無料の混浴露天風呂があります。
無料にしてはかなり大きな規模。
足元から湧き出てるお湯は私好みのぬるめの湯。
真冬はこの温度ではちょっと寒いかもしれませんね。
泉質は「アルカリ性単純温泉」。
私的には無味無臭無色の単純泉は結構好ましい湯です。

昔は日本の温泉は単純泉が一番多かったのですが、温泉法が改正になって、
単純泉はかなり数が減りました。さみしい…。
ちなみに現在日本に一番多い温泉は「塩化物泉」です。
湯原を後にして奥津温泉に行きます。
奥津温泉も湯原と同じくアルカリ性単純泉。
ここは江戸時代の津山藩湯治場の雰囲気を残している町並みが素敵。
奥津温泉の写真、ウェブから画像を拝借。
奥津温泉も足元から湧き出るお湯で非常に実力ある温泉なのですが、
今回はここからさらに山奥の「般若寺温泉」へと向かいます。
般若寺温泉ははんにゃじおんせんと読み、
泉質は奥津温泉のそれと同じですが、完全予約制の温泉です。
山道の中、急に表れる看板はこれだけ。
うお、見落として通り過ぎてしまう!
適当に車を停めて奥津峡の渓谷を降りていきます。
天台宗般若寺の宿坊として明治4年から営業が始まった般若寺温泉。
しかし般若寺というお寺はすでに無く住職もいません。
お寺の境内はまだ残っているので、東京の方が買ってここに住み込み、
小さな宿と日帰り温泉を経営しています。
そのため日帰りの場合は予約をしないと入れません。(1グループ1時間1人1000円)
目の前は奥津峡の渓流、鮎返しという滝も流れています。
渓谷を通り抜けていく風がとても気もいい。
西日本に数多くいるクマゼミの声を聴きたかったけど、
ヤツらは午前中しか鳴かないので聴けませんでした。
周りの木々から聴こえるのはアブラゼミばかり。
そうそう、芭蕉の句「岩にしみいる蝉の声」はアブラゼミかニィニィゼミか、
という討論があります。(どちらの蝉も鳴き声はジーーーーですから)
どうも句を詠まれたのが5月~6月初旬なのでアブラゼミより早いニィニィゼミだ、
という説が有力らしいですね。
これが般若寺温泉の湯。
渓流沿いにこじんまり作られてる三角の岩の湯舟は絵になります。
いいねいいね。コーフンしてきた。
背後にある大きな岩の裂けめから新鮮なお湯が沸きだしているようです。
ハッこれは…!
うーむ無茶苦茶奇麗な、透き通った湯じゃないか。
おっそろしいほどの透明度。
水じゃないのか?と思うくらい。でも温かい。

渓流で透明度の高い川はよく見かけるけど、温泉である程度高温で、
湯の中にはいろいろな成分が解けてるはずなのに、
ここまで奇麗な湯はあまり見かけないな。
これは足元湧湯の法師温泉以上に澄んだ湯じゃないだろうか。
すごいな奥津温泉/般若寺温泉。
無色透明無味無臭の温泉でも泉効果は抜群で、
かなりぬるい温泉に20分くらい(しかも半身浴)浸かってただけなのに
汗がなかなか止まりません。
これだから単純泉って好き!
キンキンに冷えた十六茶を飲みながら軒下で夕涼みします。
ちなみに湯船で家内が着てたものは湯編み着で、耐水性の紙でできた服です。

その後は友人と別れ、岡山を後にしました。
素晴らしい湯だった。
これ以上南下すると瀬戸内はろくな温泉が無くなります。
117クーペ、クーラー(エアコンではない)を点けると、
ものすごいパワーを持っていかれるので、暗くなって涼しくなってから高速を走ります。
途中で仮眠をとりながら東京に向けて帰宅中。
なんと、静岡の清水あたりでトラブル発生。
117クーペ、アクセル踏んでも徐々にパワーが出なくなっていきます。
怖いので高速から降りて下道をゆっくり走っていると、信号待ちでとうとうエンスト。
ボンネットあけると、なんとバキュームホースが劣化して
大きな亀裂が入ってるじゃあーりませんか。
これが原因かっ!くわっ!
なるほど吸い込む空気が漏れ出しててパワーが出なかったのか。
というか、旧車乗り、これくらいのトラブルがないと全然物足りませんね!!
…ウソ、ごめん、内心ドキドキしてました。

右足アクセル踏みっぱなし、左足でブレーキとクラッチを操り
エンストしないようにしてガソリンスタンドに入ります。
工具を貸してもらうだけと思ってたのですが、
おっちゃん出てきてパパっと応急処置してくれました。
ビニールテープだとエンジンの熱ではがれると思うので、
布のバンテージテープで空気が漏れないようにしっかりふさいでくれます。
さすが年の功だな!!この時代の車の修理、段取りは抜群だな!!
「この車はわしの憧れの車だったんじゃ。大切にな。」
と言われましたが、ごめんおっちゃん、もう人に譲渡しちゃったんだよ!!
マジ悪い!!
かんべん。