
日本一人口の少ない町、
山梨早川町の奈良田温泉に行きます。
「日本秘湯を守る会」のスタンプが
溜まったので無料で宿泊するのだ。
奈良田温泉は関東首都圏の温泉の中で
私が一番気に入ってる温泉です。
奈良田はアプローチが本当に悪く、こんな感じで奈良田温泉に行くには
一度下部温泉まで行き、そこから早川町に入るルートしかない。
中央道小淵沢から下るルートも、桃の木温泉から夜叉神峠を突っ切るコースも、
赤石温泉から丸山を回るコースも、全て道路はあるのに通行不能。
天気の良いし、回り道でもいいからゆっくり向かいましょう!
でもひょっとしたら通れるんじゃない?とか思って(結局、業が深い…)
北から広河原に入るルートに行ってみたけど、やっぱり通行止めだった。
(右は東電のダムに続くトンネルなので入っても無駄)
(広河原ルートは夏の2か月間だけ、登山者用にバスのみ走ります)

しかも頑丈な通行止めですね。
仕方なく本来の正規のルートを通る。
あー遠回りで時間食っただけだった。
途中、桃の花が満開!
花桃じゃなくて実桃なので、花の数はそんなに多くないけど、
斜面の畑の桃の木が全て咲いてたのでゴージャスだった。
早川町に入り、奈良田温泉に向かう途中にある「西山温泉」に立ち寄り湯。
ここは慶雲館と言う慶雲年間(西暦705年)に開湯して1300余年の歴史と伝統が
ある旅館として、2011年にギネスワールドレコーズに乗った、
世界で最も古い歴史を持つ宿があります。
が、慶雲館は馬鹿みたいにお値段高いし馬鹿みたいに敷居が高くなってるので
全く無視して、道を挟んで反対側にある「元湯 蓬莱館」へ行きます。
こちらは入浴料500円!格安!
泉質は塩化物泉の源泉賭け流し。
ここも脱衣所は別ですが湯船は男女混浴です。
この「鄙びた」というより「哀愁」漂う、タイル張りの昭和レトロな雰囲気が
たまりませんわ。
ここは実は日本でも珍しいオレンジ色の湯の花が舞っている温泉です。
みかんみたい!
西山温泉からさらに北上して「奈良田温泉」に向かいます。
画像は早川町の郷土資料館前。
奈良田温泉の名前は孝謙天皇が湯治中に気にって「ここも真に奈良である」との
言葉から名付けられたそうです。
奈良時代以前から開湯してたんですね。
目の前にある大きな奈良田ダムは完全な失敗ダムです。
土石が溜まる一方で排出できず、ダムと同じ高さまで土が積ってしまい
今では水をためることがほとんどできていない欠陥ダムになってしまいました。

でもね、行政に文句言うのはちょっと横に置いといて。
この意味がほとんど無くなったダムを見てると、絶景とは全く言えないに
しても、なぜか、迫力ある心象風景だと思ってしまいます。
少なくてもここは私には「心に残る景色」なんですよ。
悲哀と言うか憐憫と言うか。なんだろう。
さて、奈良田温泉の「白根館」に入ります。
ここは鳳凰三山を登山してきた人たちの御用達宿です。
熊の毛皮がいっぱい飾ってて、マタギのご主人が経営しています。
泉質は、硫黄泉‐ナトリウム‐塩化物泉(低張性アルカリ高温泉)。
微妙に硫黄の香りがする、無色透明のお湯が沸き出ています。
虫の音と満月を見ながら夜に湯に入ってると、孝謙天皇もこんな気分で
湯治したのかと考えてしまいます。
食事はマタギの宿らしく、鹿と熊づくし。
鹿のソルベは美味いなぁ。何枚でも食べられる。
高麗人参と同じく、溶血作用が少なく組織細胞を若返らせる作用がある
「あまちゃづる茶」は飲み放題。
もち朝風呂も入ります。
あーあったまる良い湯だ。香りも素晴らしい。湯温もちょうどいい。
ブログじゃあんまり伝わらないけど、奈良田の湯はホントに良い。大好き。
気軽に来れる関東首都圏の温泉の中では一位だと思う。
ねっとりした湯と言うか。まとわりつく湯と言うか。
来たことない人はタイミングが合えば一回楽しんでみてくださいよ!
日本中で言ったら奈良田は自分の中では好ましい温泉5本に入るな。
むっちゃ迷うけど、法師、国見、酸ヶ湯、奈良田、木賊の5つかな。
朝ごはんはこの土地の名物の温泉粥です。
「とっちかい」と言う名前らしい。
温泉の香りがダメな人もいると思うけど、私は平気だった。
朝粥を美味しくいただきました。
良い湯だった。堪能した。
奈良田温泉を後にして「下部温泉」まで戻ってきました。
せっかくなので下部温泉にも入ってみましょう!!
下部温泉は旧源泉と新源泉があって、どちらも同じアルカリ性単純温泉ですが
湯温が30度と50度に分かれています。
温かい源泉は良いのですが、冷たい方はそのまま冷泉としての温泉です。
冷泉に浸かって体が冷えすぎたらすぐさま暖かい湯に入りましょう。
冷泉の方は冷たいけど、サウナの水風呂よりかは暖かいです。
ずっと肩まで浸かっていると15分くらいでなんとなく体がポカポカしてきます。
誰も入ってないので静かー。
足元から湧き出しているので、温泉が沸き出る音もなく、暗い洞窟風呂で、
なんか瞑想できそうな温泉でした。
帰宅するときに下部の名物「角湯葉」を買ってお土産に。
これ美味しかった!
醤油とわさびで食べた!
湯葉を使っているので豆腐より濃厚で、歯ごたえも味も数段上!
中央道を帰る途中、北杜市の増富温泉郷で火祭りがあると情報を得たので
夕方に立ち寄ってみることに。
でも火祭りは暗くなってから始まるらしく、途中のみずがき湖で時間をつぶす。
ちなみに富士吉田の火祭りも見たことありますが、火祭りってなんか良いね!
ここは温泉好きな人なら知ってる「ヨシャーの湯」という冷鉱泉があります。
湧き出す場所の存在は知ってたのですが見たことないので行ってみました。
これがヨシャーの湯。初めて見ました。
周りにアシやヨシの草がいっぱい生えてることから命名された湯です。
ヨシャーの湯は気になっていたので来れてよかった。

歴戦の温泉勇士ならここに裸で入るのでしょう。
実際ウェブにもたくさん入浴画像が上がっています。
でも私は今日は無理はしません!
さすがに朝から何度も温泉入ってるので、体が疲れ果ててます。
祭りが始まりました。
祭事さんが神様にお供え物をします。
松明を燃やす、と聞いていたけど、こりゃすごいや。
松明どころじゃない!ものすごい炎。
乾燥させた木に移った炎がかなりの高さまで燃え広がっています。
30mくらい離れてても火の粉が散ってきてすごく熱い。顔真っ赤。
でも炎もいいねえ。燃えてる間ずっと見てても炎は全然飽きない。
キャンプファイヤーと同じ理論だ。
最後は広がった炎に消防車が水をかけていました。
この祭りも小規模なくせに何気に見ごたえあったな。
祭りの閉会式を待たず、早めに帰路に着きました。

なんというか、燃え盛る炎を見てると、思わず世間の辛さを忘れてしまいます。
なんじゃそら?
最近北より南アルプスの方が自分ブーム。
南アルプスの湯3つはどれも違った特徴あって楽しい!
(4つ目のヨシャーの湯のみ南アルプスじゃなくて八ヶ岳)
その中でもやっぱり奈良田は良いね!良い良い。
行くたびに思う。私の心の温泉。