10月13日
お仕事にひと段落つけたタイミングで
スバルディーラーに行ってきました
9月の感謝デーで注文していた、NA tS号の
・キーレスアクセスアップグレード
・カラードドアミラーカバー(パールホワイト)
の取り付け作業の入庫です
試乗車の展示エリアをよく見ると…
おおっ、あるある!
WRX S4 STI Sport です
しかも、ナンバー付いてる!
スバルの考える最新のスポーツ、「ぜひ確かめてみてください!」ということで
さっそく試乗させてもらいました
STI Sport モデルのお約束、ボルドーカラーの内装
シートの色遣いはレヴォーグ STI Sport よりも好みで、落ち着いたいい雰囲気を醸しています
ただ、センターコンソールまわりやステアリングベゼルの樹脂パーツの色や仕上げがチグハグで
SやtS、RA-R のような統一感まではさすがに及んでいない印象でした
とはいえ、なにより重要なのは乗り味です
エンジンが温まったのを確認して、走り出してみると…
すぐに感じたのは、非常に滑らかな乗り心地
ディーラーの敷地から車道へ出る歩道の段差を降りた感触がもうすでに上質です
国道8号線バイパスの路面は最近傷みが目立つのですが、舗装の割れ目や剥がれた部分も、
何ごとも無かったかのようにフラットに越えていきます
路面の凸凹にあわせて上下Gはあっても、「ドン!」とか「ダン!」という衝撃や振動が伝わってこないのは、むしろ不思議なくらいでした
この、じゅうたんの上を滑っていくかのような滑らかさはレヴォーグの STI Sport と同質で
理由はよく分かりませんが S4 のほうがストロークが大きいように感じられて
レヴォーグよりさらに乗り心地は良い、と感じました
D型以降の S4 は他のグレードでも快適性をup!させていますが、この STI Sport はさらに向上していて、ステアリングはすっきりと軽く、245タイヤなのにゴリゴリ感やワンダリングをまったく感じさせないまま、しっとりと滑らかに、しかしピシーッと、荒れたバイパス路面を直進していきます
これだけ当たりが柔らかいのに、ふわふわしたりバタついたりしないのは
ダンブマチックIIのおかげ、しかもきっちりと設定を詰めてきたんでしょう
また、D型以降は遮音性も非常に高められていて、レヴォーグに負けないくらい静かです
とりわけ、CVTの音がずっと小さくなっているのにはびっくり!
NA tS号(C型)ではけっこうしっかり聴こえる 「ウィーーン!」といううなり音がすっかり消え、
もっと高音の「ヒュィーン」あるいは「ピィーン」という風切りのような音がわずかに聴こえるだけになっています
(モスキート音よろしく、私たちみたいなおじさんにはこれも可聴帯域外で聴こえないかもしれないし、もしそこまで狙ってるとしたら、スバルおそるべし(笑)
この剛性感やすっきりとした操作感、快適な走行安定性は、VWやアウディのクルマに通じるものがあるように感じました
「ゴルフ7のハイラインをより重厚にした感じ」、とでも言えるでしょうか
とにかく、非常に上質で不快な刺激がなく、気持ち良く巡航していけるクルマ、と感じました
では肝心のワインディングではどうでしょう?と、秘密のテストコースにクルマを向けます
中低速のコーナーが交互に続くセクションに、NA tS号と同じ感覚で飛び込んでみると
ブレーキ(ノーマル仕様から変更なし)もしっかり効いて荷重をかけやすく
予想していたよりロール量は大きくて、傾いた姿勢を保ったままグイーンと旋回していきます
245の太いタイヤをしっかり接地できているのでグリップは強力で、高い速度でコーナリングしていけます
このあたりがレヴォーグSTIとの違いになるんでしょうかね
D型から改善された電動パワステのフィールも、C型までのような不自然なキックバックやアシスト抜けもなくて、軽いながらもくっきりした手応えで、ロールさせながら伸びやかにコーナーをクリアしていく走りはなかなか気持ちいいものでした
このあたりも、以前のスバルよりもずっと洗練されて、欧州車のような走りのイメージがあります
いっぽうで、ステア操作に対する挙動のレスポンスはそれほど速まった印象はなく
tS のようなステアリングと車体が直結したような反応は、穏やかです
むしろ、クイックな反応を狙ってグッと減速してスパッと素早く曲げようとすると
ロール量が大きく、そのスピードも大きめなので
いきなりヘコッと、あるいはガクッと傾いて、「おっとっと!」となるパターンです
このあたり、同じビルシュタインのダンプマチックⅡを採用しているといっても
tS よりはずっとマイルドな設定で、レヴォーグSTI と同様、減衰力は控え目なようです
車体の挙動も、ふつうのペースで走る限りではこのうえなくフラットで安定していますが
路面状況や速度など、もっと負荷が高まった状況では、
ダンパー(特にリア)の減衰力が不足して車体のピッチングを抑え切れない、例の「ばうんばうん」症状がやはり顔を出してくることが分かりました
ピッチングが激しくてクルマがどこにすっ飛んでいくか怖くてしょうがない、という弱点は
このモデルでもやはり解消し切れてはいないようです
まぁ、これはもう、S4&レヴォーグの宿命みたいなものかもしれませんけどね(^^ゞ
これまでのSTI モデルのように、額に汗してマージンを削りながら
「少しでも巧く、少しでも速く!」と限界に向かって攻めていくのではなく、
品よく快適に、余裕を持って流していくのが、このクルマで狙っている「スポーツ」なんだな、と思いました
法定速度をずっと超えた領域での挙動を云々するような不届き者なんて、ごく少数なことでしょうからねσ(^_^;)
このあたりについては少し辛口になりましたが、そこまで突き詰めなければ
内外装のイメージといい、快適で上質な乗り心地といい、肩の力を抜いたままで気持ち良く思いのままに抜けていける大人の走りといい、非常に高いレベルでバランスのとれた、完成度の高いクルマだなと感心しました
デビュー直後に試乗したA型といま乗り比べたら、あらゆる部分の洗練度合いにびっくりするんでしょうね
先にも書いたように、VWやアウディなどのレベルにもかなり近づいて
選ぶ時の選択肢にじゅうぶんなり得る実力を備えてきたんじゃないか、という気がします
「これ、上手にアピールしたら、そこらへん(のターゲット)にかなり売れるんじゃないですか♪」
と、担当のTさんにもお伝えして、試乗を終えました
(XV Advance の試乗レポに続きます)