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前ブログから続きます)
来場客(、と販社スタッフ)の一部の方々の言動に違和感を感じた輸入車フェアをあとにして、
向かったのは隣の展示棟、トヨペット系の展示商談会でした。
展示会の主役はもちろん…
「PRIUS! IMPOSSIBLE」
さすがTNGA、いや違ったw、天下のトヨタの屋台骨の発表会、
場内の装飾にはお金掛けてるし、新開発の運転支援デバイス「Safety Sense P」の実演まで。
クルマが並んだだけの輸入車フェアとは大違い(^^ゞ
…スバルに至ってはそんな場じたい ←もういいw)
展示車・試乗車とも4、5台ずつ、合わせて10台ほど揃っていました。
正面の目立つところにこれ。
いちばんアレなモデルなのか、いろいろと着飾ってありました。(Aプレミアム FF モデリスタ仕様)
むーん。
リアビュー
むーん。
インテリア
話題の洗面台は、ほんとウチにあるTOTOみたいです。
どこかの記事で見たとおり、コントラストが強く見えるので黒内装は要注意かも。
けど、インパネ全体の造形はおもしろいですね。
…と、眺めるのはそこそこに切り上げ、試乗を申込みました。
人気の国民車の実力を、もっと言えば、
これからのトヨタ車の基本プラットフォームであるTEN、いえ、TNGA がどのくらい気持ちいいのか確かめたいw、ということです。
17インチ装着で「走る」ほうの「ツーリングセレクション」を選んだのにスタッドレスは16インチ、拍子抜けしたのは否めませんが(笑)
最初に応対してくれたいい感じのおねいさんがそのまま同乗してくれたので
基本ひじょうにいい気分でドライブしました(^_^)
で、いきなり結論にまいりますが(笑)、4代目プリウス、
たいへん良く出来ています。
良く出来たふつうのクルマです。
どうぞ安心して買ってください。
どこが良く出来てて普通かと言うと、例えば…
着座姿勢 乗用車として自然なポジションに自然に座れます。 着座位置はたしかに低い。
ドラポジ (チルトステアリングの調整幅がもう少しあったらなお良いかな)
他社のクルマからしたらごく当たり前のことではありますが。
シート しっかり座れてしっかり支えてくれます。
動力性能 NAの2.2~2.4L程度で必要十分、なのは先代とほぼ同じ
スポーツモード時のアクセルの追従性がかなりリニアになり、速くなった実感あり。
アクセル操作での速度調整が普通にできるようになりましたが
これもできて当たり前、先代が悪過ぎただけですし、
新型もECOモードでは相変わらずです(^^ゞ
ブレーキ 自然に減速して自然に止まれます。
回生を意識させることがほとんどない、これは見事な仕上がりです。
曲がり 切っただけ自然に曲がり、違和感はほとんど無し。
「素早くなった」といっても先代比で、現行のファミリーセダンとして標準的な反応です。
安定性 クルマ自身がちゃんとまっすぐ走ってくれます。これは大事なこと。
後輪の接地性の向上が著しいですね。
スカスカだったステアフィールが普通並みになったのも効いています。
乗り心地 リアのバタバタが大幅に減り、たいへんすっきりに。
脚が動かない車はスタッドレスにすると却って乗り心地悪化するものですが
そうはなってません。
17インチの夏タイヤだと結構いい感じに締まった走りをしそうな気配があります。
静かさ これはたしかに静かです。
先代では荷室の両脇から盛大に入って来たロードノイズが激減。
エンジン音自体も、大きく回した時以外は目立ちません。
短い試乗コース、
しかもいい感じのおねいさんとの楽しい会話がけっこう弾み(マテ)、
注意力と集中力の大半をそっちに振り分けた状態だったので(ヲイ)
あまり細かいチェックはできませんでしたが
おおむねこんなところです。
それらをひっくるめて、
「良く出来たふつうのクルマ」。
かつてのコロナやプレミオなど、その時そのときの代表的なファミリーカーと同じように
当たり前のきちんとした運転が自然に出来るクルマ、ということです。
そして、「たいへん良く出来た」というのは
そのコロナやプレミオから何も失うことなく「燃費を1/3にした」、というところ。
※アクセラやインプレッサを「とてもいい」と評するのとは別の視点です
(コスト増を抑えながら)燃費1/3を達成するため、これまでトレードオフせざるを得なかった
・ダイレクト感に乏しく速度コントロールのやりにくいパワートレイン
・インフォメーションが希薄で頼りなげなステアリング
・乗り心地や静粛性 etc...
そういう部分を克服し、
ガソリン車と同じように走らせることができるのに燃費は1/3、というクルマをつくる…
(
もちろん、EV走行など、ガソリン車には無い価値も加わってます)
20年以上をかけて成し遂げた偉業、それが「PRIUS! IMPOSSIBLE」 なのだな、と感じました。
というわけで、本当に良く出来てます4代目プリウス。
信頼性やランニングコスト、周りからのイメージまで総合して「お勧めの車ある?」と普通の人から訊かれたら、これの名前も挙げますね。(もちろん、Safety Sense Pは必須で)
きっと大きな不満は出てこないだろうと思います。
発表以降、受注はすでに10万台を超えたとか。
それもまったく当然だろうと思います。
ただし…(さぁ始まりましたよ(笑)
このTNGAプリウス、たいへん良く出来ていますが
プリウスとして(=当たり前のきちんとした運転が自然に出来るクルマとして)良く出来ている、であって、走りが楽しい(MAZDA、SUBARU)とか、きちんと度合が並みでない(VW)とか、何か際立った個性があるわけではないです。
もし個性を求めたいなら、外観を飾りたてるしかないでしょうね。
また、「良い車ですよ」とふつうの人には勧めますが、私自身の眼中にはまったく無いです。
やはりこの美しくない姿は到底受け容れられないし、
走ってても楽しくないですから (ふつうじゃない私には(^^ゞ
しかも、安全装備と基本性能をきちんと押さえると結局かなり高い!
ナビ無し・マットとナンバー枠だけの素(Aツーリング AWD)でも340万、上の写真の展示車(Aプレミアム FF)なんて390万…
WRX S4や
あの SporVita と同じなんてありえない(笑)
あくまで、「欲しいかたはどうぞどうぞ、失敗はしませんよ」というスタンスです。
それでも、先代までなら絶対勧めませんから、大進歩には違いないです。
そして、このTEN、いえ、TNGAを使って、「もっと気持ちいいの」をこれからつくっていくのか…
基本性能は確かなようなので、
あとはどれだけ冒険する気があるか、メーカーのやる気しだいです。
注意して横目で見守っていこうと思います。