
8/17、出張修理二日目。前夜は零時前まで外出していた私と紅い悪魔さんだが、朝6時頃にうつらうつらしていたら、何となく低音の効いたエンジン始動音が。その後快音を残し去って行ったので、1996NEOGREENさん号が帰っていったのだろうと、ベッドの中でぼーっと考えていた。12気筒に起こされるのは悪くない。マラネロの時のような爆音ではないので、他の住民は起こさなかった筈だ。朝7時半には悪魔さんから電話が。
「今から行きますが、よろしいですか?」
「宜しくお願いします!」朝早くからすみません。
今日はリアのオートスポイラーが動かないことの作業。スロープでリアを上げて早速作業開始。9時半過ぎに携帯に悪魔さんから電話が。
「どうしてもボルトが外れないので、工具等を買い出しに行けますか?」
「小さいコーナンが近くにありますが、開店してますかね?」
「九時半からですよ。調べてあります」流石だ。
買い出しのあと、「ママの休日」で友達と一日遊ぶ嫁さんを駅に、母を老健に送り、娘をピアノに連れて行く。ピアノから帰りがけに息子と娘にマクドナルドのセットを買って帰る。いつもこんなのを嫁さんはやってるのか..いつも働いてくれてありがとう(ペコ)Rover75も働き者だ、これだけ市内をうろうろすれば、燃費が4−5km/Lも仕方ない。
お昼は近くの中華料理屋で、悪魔さんと定食をつつく。できれば大阪らしく粉モンにしたかったのだが、うちの近くにはあんまり美味しい店がない。そのあとコーナンにステレオ系のパーツを買いに行く。家に帰ったら、すぐ老健に母を迎えに行く。お迎えから帰宅したら、もう四時半。あまり悪魔さんの作業を見る暇がない。嫁さんが居ない忙しいものだと、つくづく感謝する。
5時過ぎに悪魔さんから電話。「そろそろ出来ましたけど、見に来ますか?」車庫に下りると、窓の隙間に水をかけている悪魔さんが。
「かなり水を掛けてみましたけど、右リアの浸水は再現出来ませんねえ」
「娘が後席に浸水するって騒いだときは、かなり豪雨の中を30分以上高速で走りましたから。それもスピードが落ちると浸水するってパターンでしたからね。また再現するようなら、水の通り道をチェックしてみます。スポイラーはどうですか?」
「スポイラーはやっぱりモーターに付いた配電盤の問題でした。クリーニングして通電してみて動作確認はしましたけど、走ってみないと本当は判らないですよ」
「ええ、それは判ってます。また週末にでもやってみます。」
「ステレオはフロントアンプの追加で行けました。こういう小さいアンプ、外れが多くって。ヤフオクで落としても、うまく動くには1/3位なんですよ。それから、右ウインカーの付かないのはやっぱりリレーです。このリレーで、右動かない時に叩くと動くんで、これが駄目なのは間違いないです。」
「運転席側の左前奥ですね。確かにカチカチ動いてます。」
「これ汎用のリレーらしいんですけど、他にはアルファGTVしか使ってないんです。新品は六千円位らしくって、アメリカやイギリスでも同じ値段ですね。日本でアルファ用を取るのが一番安いかも」
「お願いします。明日までの予定が今日で終わりましたね。ありがとうございました。夕食はカフェ・モンツァにご案内しますね」
「じゃ、ホテルでシャワー浴びてきます。」
7時半前、456でカフェ・モンツァへ。行きの車中で。
「ベアリング二つ交換と、窓調整で、本当に静かになりました。ありがとうございます」
「こうでないとフェラーリじゃないですよ。速くでも、静かにでも、どうにでも何とでも走れる。それがFRV12気筒の良さです」
「さすがFRV12気筒教の教祖様、いや、やっぱり伝道師ですかね、伝道師だけの事はありますよ」
悪魔さんも苦笑い。
「折角良いクルマなのに、認められないのが、かわいそうって思っちゃうんですよ。」
到着すると早速マスターのForghieriさんに紹介。
「こちらが紅い悪魔さんです」
「ブログ良く見てますよ」とForghieriさん
「え、マスター、紅い悪魔さんのブログまで見てるんですか?」と私。
色々聞いていると、Forghieri さんたら、ホントにたくさんの人のブログを見ている。戦前からのレースカー等だけではなく、現代の事も情報収集にぬかりなし(笑)
早速Forghieriさん作の色んなミニカーを見せてもらうが、紅い悪魔さんは車体の裏をじっと見ている。私が
「普通、車体の上からカラーリングや形を見るのに、裏をこんなに見る人を初めて見ました」と聞くと、
「ほら、フェラーリはみんなエキゾースト系が同じでしょ?エンジン左右バンクから独立で出て、サイドシルのあたりに太鼓があって、またリアで真ん中に寄って来るけど二つのまま出てるでしょ。」
「ホントだ。」
「これもフェラーリ12気筒の文法なんですよ」
う〜ん、深い。でも、ミニカーの裏ばかり見ている紅い悪魔さんって、凄いのか変なヒトなのか(爆)
「もう少ししたら、456と一緒で、かわいそうなフェラーリのオーナーがもう一人来ますよ。」
「え?456ですか?」と私。「400iです」「う〜ん。それは、かわいそう(笑)、悪魔さん、400iってどう思われます?」
「本来キャブで5MTの365GT/4 2+2を無理矢理に対米仕様にして、ATとインジェクションにしたのは無理が有りますよね。やっぱりキャブが良いです」
「でも365GT/4 2+2って少ないし、高そうですよね」と私。
「ヨーロッパでは安いですよ」と悪魔さん。何でそういう古い方も知ってるの?!かわいそうかも知れない365GT/4 2+2、でもエンジンはデイトナと同じ。欲しい...
そこに加わったのが、
spazioさん。カフェモンツァに本やグッズを置いておられるショップさんだ。私とは昔8.32に乗っておられた頃に知り合いになっている。
Forghieriさんと紅い悪魔さん、spazioさんとで濃い会話が続く。私は紅い悪魔さんは新しいフェラーリが主で、Forghieri さんはアルファとレースの薀蓄がすごい思っていたが、さにあらず、二人とも何でも知っているのに舌を巻いた。stratos さんも書いているセルジオ・リモーネ著「
カルロ・アバルトの後のアバルト」という本で盛り上がる。アバルトはSEというナンバーでプロジェクトを区別し、SE037が有名なアバルト・ラリー037だが、その後について記している。ランチアデルタS4や155DTMは知っていたが、550マラネロがプロドライブからルマンに出てクラス優勝しているのとか、マセラティのギブリカップカーにもSEナンバーが付いているとは...それを又全部知っている紅い悪魔さんって何者?!(爆)
気が付いたら10時を回っている。娘を風呂に入れないと。後ろ髪を惹かれる気持ちで皆さんとお別れし、紅い悪魔さんをお送り(といっても家に帰るだけだが)する。がっちりと握手を交わす。
「ありがとうございました。これで調子よくなりました」
「また何かあったら、いつでも言って下さいね」
リアルの友達というのは、よいものだ。
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456 | 日記
Posted at
2011/08/18 16:23:03