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紺の豚のブログ一覧

2010年10月28日 イイね!

R380は復刻車

R380は復刻車このR380は、550マラネロや456GT、はては8.32二号がお世話になっている、神戸の「モンツァ」というショップで再度走れるようT工場長が整備したものだ。店長のNさんとこの車の来歴について色々話し合った。

結論から言うとこの車は、1997年に桜井真一郎氏が率いるS&Sエンジニアリングが製作した「復刻車」そのものだった。ご本人は「レプリカ」ではなく「復刻車」と呼んでほしいといっておられるとのことだ。初代R380-Iを作った人たちが終結し、当時の図面からすべて復刻したものというわけだ。NHK「プロジェクトX」や、Nostalgic Hero誌にも掲載されている個体だ。だから、第三回日本グランプリで最後のプリンスワークスとして優勝した砂子義一さんも「これが本物だ」と言われて、助手席スカットル部にサインを入れておられるとのこと。

では、現在トヨタ博物館にある11号車は何か。
砂子さんによれば、あれはプリンスワークスでスペアとして使っていた車体だという。当然本当の11号車ではない。プリンスのマークは消され、日産のマークになっている。色もずっと暗いが、本来はこの復刻車のように明るい色だという。
ここから推論に過ぎないが、本来の11号車はプリンスー日産の合併後にR380-IIなどに改造されたのではないか。R380-IIや-IIIは日産のものだったので優遇され今でも日産で大切に保存されているが、プリンスのマークの付いたトヨタ博物館の個体は冷遇され、トヨタに貸し出されたのではないか。ちなみに、エンジンはかからないそうだ。

その後、そのような目にあっているR380-Iを不憫に思った桜井さんら旧プリンスの技術陣が、日産退社後に当時の技術を見てもらいたいとのことで復刻したのだろう。幸運にもGR8エンジンブロックとヘッドが未使用で残っていたのもこれを後押ししたのだろう。このオリジナルGR8が復刻車に積まれている。プロジェクトXで後に日産スポーツ活動の総監督となった青地さんと桜井さんが出演し、桜井さんが復刻車に乗り込んで満足げにエンジンをレーシングさせる場面が出てくる。

では、そのような技術遺産と言ってよい復刻車がどうして放出されたのか。
これも推測の域を出ないが、ゴーン改革で手持ち資産を処分するよう迫られたS&Sが断腸の思いで放出したらしい。それが回りまわって、(一時ヤフオクに出たのもこれか??)モンツァのお客さんが購入されたのだろう。

モンツァに来たR380はいろいろな部分に問題があった。ただ、よくある旧車レストアで経験する、「錆びて部品が分解できない」は無かったとのことだ。
最終的に時間がかかった大きな理由は、ブレーキ周りだったとのこと。多分ワンオフでかなりの部品を作成することが必要だったのだろう。今年4月はじめのクラシックカーラリー、ヴァリオストラーダで、佐用町役場でエンジン音を響かせたのは、エンジン周りは修理完了していたがブレーキができていなかったためだという。
完全に復活し、YouTubeのビデオのように岡山国際サーキットで8000回転まで使用したがブローなどしなかったとのこと。さすがT工場長だ。関西でランチアに乗っておられる方なら大体知っているメカニックだろう。

そういえばこんなことがあった。
ヴァリオストラーダの前身、神戸「ポンテペルレ」の第九回。P6で始めて参加したクラシックカーラリーの時。ゴールは神戸フルーツフラワーパークだった。表彰式も終わり、みんな「また会おうな~!」と言いながら帰ってゆく。「さあ、おうちに帰るまでが遠足だ。我々も帰ろう。」
エンジンキーを差し込んでまわす。うんともすんとも言わない。スターターが回ろうともしない!!周りからどんどん人がいなくなる。まだ友達も少なかった頃だ。遠くにオフィシャルでずっと一緒だったTさんが見える。Tさんとは、前のショップFで8.32一号のタイベル交換等をお願いした旧知の仲だった。
「Tさ~~~ん!スターター回らないんです!!」
モンツァの他のスタッフとともにすっ飛んできてくれた。
ボンネットを開けて覗き込んだりする私や他のスタッフを尻目に、Tさんはじっと運転席で座っている。そして数分後、おもむろに「インヒビタースイッチですね。」
{え?何ですか?」
「インヒビタースイッチ。ATはPかN以外ではスターターが回らないようになってるんですが、そのスイッチでしょう。シフトレバーがぐらぐらですもん。一度しっかりPに入れて、もう一度エンジンかけてみてください。」
早速そうする。一発始動。ホッとした空気が流れる。
「これ、また起こるかも知れませんから、しっかり直したほうがいいですよ。(このときはP6は今は無くなった工場に入れていた)」
「Tさん、ありがとうございます!すぐそうします!」
その後8.32を再度探すとき、T工場長がフルオーバーホールした個体というだけで、8.32二号を購入し、モンツァとのお付き合いが始まったのだった。

クルマ、特に古い車は良い主治医との出会いが無ければ維持できない。
友達やショップ、すべて人とのつながりだ。それもバーチャルだけでなく、リアルで。
ここみんカラでのお友達も、いつの日かリアルでお会いできることを楽しみにしている。
Posted at 2010/10/28 11:30:58 | コメント(2) | トラックバック(0) | クルマ一般 | 日記

プロフィール

「数年ぶりにランチア・テーマ・オーナーズ・クラブの全国ミーティングに参加。長いお付き合いの方ばかりで、実家に帰った様な安心感。フラミニアも披露できて一安心。一番シリンダーはカブりやすい。」
何シテル?   11/30 15:11
紺の豚です。 「飛ばさねぇ豚はただの豚だ」 でも、三角窓を使うには、それほど飛ばせない(笑)。 よろしくお願いします。
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