
今週木曜日。いつものごとく郊外の仕事場に向かおうとして456のキーを捻る。
「ウッ」
セルが回り切らない...インジケーター類やパワーウインドウは普通なので、バッテリーが弱ってるな。またリアトランクの中の豆球が付きっぱなしだったのか?Rover75からジャンピングすればいいのだが、時間も急いているので電車で通勤した。モンツァに電話を入れ、土曜日に持って行って見てもらうことに。
今日土曜日。午後に嫁さんの助けを借りてRover75とジャンピング。あっけなく始動したが、妙に車の後ろがガソリン臭い。目に刺激があるほどだが、クルマを車庫から出すとそれほどで無かったため、気をつけながらそのままモンツァに向かった。
モンツァに着くと、さっそくT工場長が見てくれた。店長Nさんの弟(180cmはあるかな?)が手足を折り曲げてトランクの中に入り、豆球の付き具合を見てくれた。

「ちゃんとトランクが閉じると切れてますよ」とNさん弟。
バッテリーを一度充電してみて、それでどうなるか見てもらうことにした。どこか他で問題があっても、10/21に一泊二日で強行するランチアランチで問題が出たら大変だ。預けて帰る事にする。明日は神戸のリエゾンクラシックカーフェスティバルの見送りか、TSM で蘭陵王さんの死ぬ程まずい飴ちゃんを食べるか(笑)を考えていたのだが不参加決定(涙)しかし3台あるクルマのうち、2台動かないというのも考えもの...と考えていたが、みんカラには
「2台有る車両方動かない」
「4台とも動かないので、動くのを買って来た」
とかいう猛者も居られたのに今気がついて、すこし安堵する(爆)
とそうこうしているうちに、Nさん(弟)が
「このガソリン給油口からの汚れ、ガソリンですね。」
「え?!それって雨で汚れてると思ってたのに。」
「こすっても全然取れないので、これってガソリンが垂れたんですよ..」
「私、給油口閉めてなかったのかな?!」
げ?!
ひどく垂れていて、30×40センチの三角形に斜めに広がってる!
Nさん(兄)が駆けつけてくる。
「まず給油口開けましょう。」
フェラーリの給油蓋は、アルミの削り出しで重い。ネジもすごく何重も回さないと閉まらない。それを見て、
「蓋は閉まってますけど、緩いですね。取ってみると...ああ!蓋のパッキンが全く無くなってる!溶けてタンクの中に落ちてますね!だから漏れたのか...紺の豚さん、満タンぎりぎりまで給油してませんよね?」
「ちゃんとオートストップ一回目で止めてます。前回満タンはみんカラに給油記録があるから..9/13ですね。」
「これ、パッキンだけ部品では出ないと思いますが、それが来るまで、1/2くらいの給油で止めてくれませんか?」
「わかりました。でも蓋全体しか部品ででないということは、結構高い..」
「安くはないでしょう。」
なかなか色々やってくれる(泣笑)
Nさん(兄)は奥に引っ込むと、急に液体を持って来て磨き出す。仕上げ用コンパウンドだ。せっせと磨きを掛ける。その上からバブ掛けもしている。バフが当たりそうなところはバンパーやガラスに全てマスキングテープを貼って作業している。速い!

みるみるうちに奇麗になって行くが、
「ほら、ここ磨いても少し垂れた線が残るでしょ?」
「本当だ」
「ここは塗装面まで浸食してるんで、これ以上は無理なんです。」
「でもここまで出来たら有難いです。しかし、すごいですね〜。」
「そりゃクルマの仕事始める時に、一流のところでちゃんと修行しておしえてもらいましたからね。みてくれ奇麗にしてナンボでしょ、僕らの仕事(笑)」
しかしブログのネタに尽きない車だ(苦笑)
「でもこれでまた売るときの価格が落ちるなあ...」
Nさん大爆笑。
「何でそんな自虐ギャクになるんですか(笑)決して程度は良くないこのクルマを、ちゃんとガンガンこれだけ走らせたら、それだけで価値が有りますよ!これだけ走ってるV12は無いと思いますよ。」
「まあ、走らせて楽しんでナンボですもんね。走らせれば傷む。それでも走りを楽しむのが私のやり方ですから。」
工場の別の隅には、対照的にすばらしい状態の575Mが止まっている。あれはみんカラでここを紹介させていただいたutmさんの個体だ。車検整備が終わったとのこと。
「うちがキリとすれば、これはピンですね。本当にきれいですね。」
「ホントに少ししか乗っておられないようですよ。」
「信貴生駒でお会いした時も、停車してすぐボンネットを開けて、エンジンルーム内のゴム類がやられないようにクーリングしておられましたから。羨ましいですが、私にはとても出来ないです。」
外に止まっているのは、お、458イタリア!実車をしげしげ見るのは初めて。

「Nさん、これきれいですね。口が裂けても『これ包んで下さい』なんて言えませんけど」
「ははは。下取りです。アヴェンタドールに乗り換えです。これオプションだけでも700万もかかってるんですよ。この内装見て下さい。」

「この紅いステッチ、いろんな所のカーボン、このステアリング、すべてオプション品なんです。ほとんどフル装備ですね。」
「458って乗り出しいくらでしたっけ?」
「素だと3200万位です」
「ということはこれで殆ど4000万...すごい」
「この間これで名古屋まで往復しましたけど、良かったですよ〜〜。特に新名神。○○○キロでも鼻歌まじりで片手運転ですから。」
何だか向うにすごいトレーラーが止まっている。
「Nさん、あれってどうしたんですか?」
「明日の鈴鹿のF1に送るんです。」
「え?!」
「ドライバー紹介のためにクラシックカーを出して、F1パイロットが一人づつ箱乗りしてパレードするんですよ。」
「去年ブガッティT35が出たやつですね。」
「ええ。だからブガッティT35と、もう一台MGを送るんです。専門業者ですから、きっちり梱包してくれてますよ(笑)」
見に行くと、四輪ががっちり固定されたMG Magnaが。美しい。

「誰が横に座ってくれるかは、運なんですよ。」
とのことだ。
456、早く帰っておいで。
Posted at 2012/10/06 23:40:02 | |
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