
11月9日金曜日、19時。仕事が終わり、P6が入院中のジャンクヤードに電話。
「いつ持って来れそうですか?大阪南港からのフェリー出発は22時なんですが。」
「すみません。もう出発出来そうですが、南港までローバー75で行って、そこで待っていただけますか?あちらでP6をお渡しして、私が75をお預かりして、月曜日朝自宅に持参します。」
うわー本当にギリギリだ。まあ、納車出来なかったら、「そのまま75で来てもいいですよ」と兵頭さんには電話口で言われたし。嫁さんも「75なら私も運転出来るし、ナビとドライバー、交代する?」と言ってくれたので、だいぶ気楽になった。
20時半、フェリーターミナルに先着。祈るような気持ちで待っていると、程なくP6が到着。
「冷却水パンパンですから、少し漏れるかも知れませんが、リザーブタンクが無いのでこんなもんでしょう。エンジンは別物ですよ。すごく良いです。」とジャンクヤード社長のSさん。
「ありがとうございます!OメカやTメカにもお礼を言っておいて下さい!」

娘はイベントだ!とはしゃいでいる。さあ、これで泣いても笑ってもP6と一蓮托生だ。ゼッケンを貼り、さあ出発!
フェリーに乗り込むと、たくさんの知り合いのクルマが。誘導の係員の人が、
「前に何だかヨタ8みたいなのも有りましたよ。東京からの若いご夫婦が、早く出たいからって一番に来られました。」
東京?ヨタ8?誰かな?

これはフォード・アングリア!カーマガのフォトグラファー、ジェイ奥村さんのクルマだ。
この後も何度もご一緒することになった。
フェリーを降り、一路出発点の「道の駅ふたみ」へ。松山市から西に、伊予灘に面した海沿いだ。高速を走っている間から妙に水温が高い。ちらっと
鈴鹿トンネルの悪夢が頭をよぎるが、何とか100度程度の水温で「道の駅ふたみ」に到着した。
いろんな人と一年ぶりのご挨拶(だから「ミルキーウェイ」:織姫と彦星のように年一度出会える)をしていると、「紺豚さん、P6から冷却水漏れてるよ」と言われた。その瞬間パニック。誰が教えてくれたかも忘れている。

げえっ!ポタポタ落ちてる!ラジエターキャップを開けるとカラ。すぐ走ってペットボトル2本に水を汲んできて入れる。うわ3リッター入るしまだポタポタ落ちる!このままリタイア、そのままフェリーに乗って帰ることも想像する。目の前が真っ暗。
そういえば、
名古屋クラシックツアーでもご一緒したSさんに挨拶したら、「ホルツの漏れ止めなんかも持ってるから、必要なら言ってね」とさっき言ってたな。
「Sさん、ラジエターからポタポタ漏れてるんです。漏れ止め貸してもらって良いですか?」
「どうぞどうぞ。いつも用意はしてるんだけど、実際に自分が使った事は無くって、皆にあげてばかりだから。一本丸ごと入れてごらん。」
早速ホルツのラジエター漏れ止め液「ラドウェルド」を投入。エンジンを掛ける。止まった!Sさんが神様に見える。

思わずSさん夫妻を拝んでしまった(笑)
ホッとしてやっと周りを見渡せる。

日本車と英国車が多いのがミルキーの特徴だ。一般のイベントで多いEタイプや356は殆ど見ない。P6より排気量の大きいのは、狭山のOさんの512BBiだけだろう。

ん?この雪駄は?この雪駄の主のクルマがこちら。

名取ベンツさん。宮3のシングルナンバーで本にも載っている。
「名取ベンツさん、どうして雪駄なんですか?」
「履きやすくて、運転しやすいんだわ〜」(東北弁で脳内変換お願いします)
しかしシングルナンバーのベンツと雪駄...ミスマッチ過ぎ(笑)

ローダーで森さん/勝部さんペアの1933年式モーガンスリーホイーラーが到着。たちまち人だかりに。ひょいとクレーンでつり上げて下ろしていた。
ドライバーミーティング。何故かまずラジオ体操第一。音楽はみんなで歌いながら体操(笑)

主催者の兵頭史郎さん(右)と、名司会者のナンバー2、小林さん(左)。お二人のすばらしいテンポの掛け合いを聞いているだけで、ミルキーに戻って来たという感慨がひしひしと伝わる。
さあ、今日のルートは、まず「道の駅ふたみ」から佐田岬半島を貫く「メロディーライン」まで西に進み、途中でUターンして半島の付け根の八幡浜市に。そして西予市、宇和島市、宿毛市から竜串(足摺岬のすぐ北)まで、豊後水道(伊予海)に添って南下し、そこから北上して四万十市(旧中村市)までの298キロだ。道の駅もたくさん点在し、道の駅での野菜ハンターである嫁さんは嬉しそうだ。
出発後、水温は70度程度でびっしり安定。これなら行ける!佐多岬半島の付け根、伊方原発のすぐ近くの道の駅「伊方きらら館」に。

あつあつのじゃこ天がうまい。じゃこ入りコロッケは嫁さんと娘で瞬食。向かいに止まったアングリアからジェイ奥村さんが近づいてきて
「これ、何だか泡立った水出てますよ。」
え!ホントだ!この色はやっぱり冷却水。でも水温はばっちりだし、ラジエターからの湯気の噴出も無いんだけど...
「さっきホルツの漏れ止め入れたんですけどね。」
「これってリザーブタンクあります?」
「いや、無いんですよ。」
「それなら漏れ止めを入れた後ってのは、こういう泡が出ますね。今止まってるから、これなら大丈夫でしょう。」
さすがだ。アングリアやいろんな旧車で修羅場をくぐり抜けてこられたのだろう(笑)
そのあと「レストア中のシトロエンSMが大変」などのお話などをして、二台とも出発。ずっとバックミラーのなかにトコトコ走って大きくロールするアングリアが見えている。何だかポメラニアンにでも追っかけてもらっているような気分だ。車高が高くって可愛い。
次の道の駅は瀬戸農業公園。といっても間は5キロほどしかない。

嫁さんはこの二つの道の駅で、野菜とはちみつ(みかんの花のはちみつ)等を買ってきた。
ここからが長かった。
西予宇和から宇和島南までは高速道路無料区間だが、その他は地道。クイズも多くって、なかなか休めない。宇和島の南、愛南町がまた広くて遠い。そのうえお腹が減ってくるし、娘は「何か食べたい。さっきのお店には入らないの?」ばかり連呼。
「パパもお腹減ってるんだ!適当にさっき買ったみかんでも食べてろ!」
とつい怒鳴ってしまう。デブは腹が減ると極端に短気(爆)
伊予海沿いの県道56号線に面したお店「ゆらり内海」に。車を駐車するとぱちぱち写真を取っている方が。
「何かクラシックカーの会でもあるんですか?」
「今日佐多岬から竜串、そして四万十まで行くんですよ」
「あっちにマツダのコスモがあって懐かしいなと思ってたんですけど、これっていつ頃の車なんですか?」
しばらく周りのクルマの解説をしていると、急に、
「私ここの店の者なんですよ。ぜひ「びやびやかつお」食べてみて下さい!美味しいですよ。できればたたきより刺身で。」と勧められる。1800円位と少しお高いが、折角なので。

私は愛南びやびやかつお刺身定食。のぼりが立っている(笑)

嫁はびやびやかつおタタキ定食。
かつおがこんなに甘く、そして生臭くないのは初めてだ。私はやっぱりタタキが好きだけど、この刺身はすごいな。嫁さんは「ああ、アワビがおいしそう...」とアワビと迷っていたのだが、結局タタキにした。
そして魚嫌いの娘は地元の小学生たちが考えた鯛カツのかつとじ丼を。食材が何かを全く言わずにいたのだが、完食。
「おいしかった!」
出てくるとKEI@FSZ夫妻のフルヴィア・スポルト・ザガートが停まっている。やっぱり鼻が利くな。あとで奥さんのeriさんが、
「アワビとヒオウギ貝、おいしかったよ。」
と言うのを聞いて、嫁さんは悔しがっていた。
宿毛の「道の駅すくも」ではサンゴ細工が奇麗で、嫁さんはしっかり娘のためのグッズを買ってやっていた。しかしやたら食い物の多いブログだ(笑)
次はタイムセクション。決められた区間を制限速度で走って、何秒かかるかを競うのだが、前年15位以内の当家は「アブノーマルな皆さん」に指定されて、ノーマルな人より距離が長い!その上に何度も途中で制限速度が変わってる!
「くそ〜〜兵頭史郎、負けないぞ〜〜〜!」
などと絶叫しながら、何とかこなす。
やっと竜串の海中公園のチェックポイント2に到着。長かった...
みん友の小次郎さんがクイズを配布してくれていたのだが、クイズが難し過ぎたうえに、気持ちが煮詰まっていてそのまま素通りしてしまった。ごめんなさい。
コマ図の指示には「20分で出る事」と書いてあるのに、嫁さんと娘は
「海中公園に行って来る」
と行ってしまった。20分後戻って来た時は、うちの車がラス2。お父さん焦っちゃうぞー(爆)
土佐清水市を経由して、やっと本日の宿、四万十市に到着。でも最後に今日のハイライト、佐田の沈下橋に到着した。四万十川の沈下橋の中でも、一番河口に近くて長い橋だ。申し訳程度に対向場所が二つあるのだが、無茶苦茶怖い。
後ろから512BBi等と一緒に72年式の911Sが渡ってくる。

この光景を見られただけで、ここまで来た甲斐があったというものだ。一日曇り空だったのが惜しい。今度はぜひ晴れているときに来たい。
宿の「新ロイヤルホテル四万十」に到着したのは17時過ぎだった。朝9時から8時間、今回はどのエントラントからも「今日は長くてしんどかったなー」という声が聞こえた。でも自分としては、沈下橋を見られたのと、ずっと伊予海を眺めながらのシーサイドドライブだったので、すごく充実していた。
ここではたと気がつく。この南予と和歌山の西半分、有田や紀伊田辺の海岸線の似ている事!そしてみかん山の密集した海岸沿い。そっくりだ。だからどちらもみかんの大生産地なのか...50を過ぎて目から鱗が落ちた(笑)
夜のパーティーはいつものように楽しかった。でもバンドで踊るつもりでいた娘は、昨年のようにはバンドが入らず、淋しかったらしい。
今回はホルツ大明神のSさん夫妻、エランS3で夫婦喧嘩の達人なのに上位入賞の常連Miさん夫妻、アルピーヌA110のベテランMa夫妻だった。Ma夫妻は一昨年三位。昨年準優勝だったが、途中で帰らねばならず、「幻の準優勝」になった方達だった。
例年のYes-Noクイズは今年はクイズ王には届かなかったが、テリ坊さんが
「クルマ自体とそれに乗っている姉妹のギャップの激しさ」
でMJマガジン賞を取ったり、初参加でフルヴィアクーペ1.3Sに乗るお友達のYさんが受賞したりと、お知り合いがけっこう受賞されて楽しかった。
さあ、二日目はどうなったのか?
実は二日目にこそ悪魔が潜んでいたのだ。
part2 後半戦に続く。
part3は気になったクルマの特集予定。