
南グラウンドでは、「フィアットおじさん」戸井さんが店を出しておられた。フィアット850を複数所有しておられる、鎌倉在住の車趣味の大先輩で、私とkotaroさんのもう一人のお師匠さんだ。外資系の車パーツ会社の社長をリタイアした後は、クルマ関係の小物やミニカーを商っておられる。
「寒い上に砂埃で大変ですね。でもこういうTin Toyは大阪では少ないと思います。」
「ええ。若い女の子とかが結構買ってくれますよ。土日はほとんどお店を出してるんで、たまに休むと変な気持ちになるんですよ。砂は家に帰って、ゆっくりきれいにします。平日はずっと休みですからね(笑)」
456のシフトゲートを模した小さなオーナメントがあった。
「これ、良いですね!」
「フェラーリ博物館があったころのお土産ですよ。シフトノブが動くのが可愛いでしょ?」
「ホントだ。いただきます。」
その横にあったのは、クルマ専門の古本屋、南青山の「ロンバルディ」。ここは魔窟だった。全ての国のクルマに関する濃ゆい本が!ついついディーノ(フェラーリ・フィアット)に関する本とジャガーEタイプの本を買ってしまった。
(4)ドイツ車
昨年ブガッティT35を持ち込んだNさん。Miちゃんさんともお知り合いだが、今回の白眉はこれだろう。1973年式911カレラRS。

奥様のクルマなのだが、シュトゥトガルトのポルシェ・クラシックを訪れられた時に、ポルシェのツナギを着たメカニックが群がって一台のクルマを整備しているのを見て、
「私もここでレストアしたい!」
と言って持ち込みフルレストアした個体だ。エンジンルームを含めて、完全に新車としか見えない。車両価格<レストア代だそうだ(汗)
本来はポルシェ904GTSを出す予定だったのだが、2週間前にエンジンブローしたらしい。その代わりがこれ。MB SLS AMG。

代わりのクルマがこれだから(爆)
静岡3のシングルナンバーを持つ、1958年式メルセデスベンツ220S「ポントン」

そしてこれは1965年式190。

どちらもジャンクヤードのお客さんだ。
これもドイツ車?1962年式トロージャン。これに乗れた子は嬉しかっただろうなあ。
(5)イタリア車
北グラウンドで椅子やテーブルを出してゆっくりされているご一家に出会った。旧チンクのお知り合いはいるのだが、ジャルディニエッラに会ったのは初めてだ。

「今回ムルティプラが来られなかったんですが、ジャルディニエッラが見られて良かったです。このフラットな荷室の下にエンジンが有るとは思えないくらいですね。」
と言ったら、何だかごそごそしておられる。
「折角だから見て下さいよ。」

「これってやっぱり650くらいになってるんですか?」
「それくらいだと思います。後ろヒンジなのでボディは古いですけど。」
「しかし...きれいなエンジンですね!」
私にとってフルヴィアクーペは見慣れたクルマだが、これは別。神戸54ナンバーでこれも10年以上乗っておられる筈。

これは昔私も乗っていたアウトビアンキY10 1.3 GTi.e。私のはワインレッドだったが、よく残っていたもんだ。エンジンがブラジルユニットと言われて、FIREと違ってパーツが出ず諦めた。
このクルマがあるだけで、何だか特別なショーという感じになる、カウンタック。今見るととにかくホイール径の小ささとタイヤの太さがミスマッチだが、当時は「極太」に見えたのだ。

3日前に参加が決まったそうだ。まさか総持寺駅前のあの狭い道に乗り込んでくるとは、びっくり。
(6)日本車
S800のお姉さんと同乗して、会場に置いて来たブルーバードP411 SSS(1966)

そしてピニンファリーナの元デザインの尻下がり、P410。大阪5ではなくより古い、「大5」ナンバーだ。まさかドライバーの「からけん」さんがみんカラに居られるとはびっくり。からけんさんのお父様のクルマとのこと。

両方が揃ったイベントは初めてだ。
73カレラを持ち込んだNさんはトヨタ2000GTも2台(!)持ち込んだ。

横のペダルカーとの並びが可愛い。
これは珍しい。ブルーバードのバン。

本来は他のクルマでエントリーされていたのだが、修理が間に合わないため、
「急遽買って来ました」そうだ(!)。
「まだ名変が出来てなくて宇都宮ナンバーなんですよ。」
「これって610ですか?」
「そう思って買ったら810でした」
何だか凄い(笑)
子供にも大人にも大人気。三菱ジープ(1958)これも同乗可能だった!
そして私の選ぶ"Car of the Show"は...
これ。初代セドリックのワゴン。1963-5年製の筈。大分ナンバー

内装は反射のためきれいに透見出来ないが、すばらしくレストアされている。映った風景にも注目。
写真を一渡り撮った後、軽くホットドッグを食べて、その後P6の後ろにテーブルを出してバーナーでお湯を沸かし、皆さんに紅茶やカモミールティーを振る舞った。Miちゃんさんやパパンダさん、そして見物に来て下さったfulviaskyjさんとうだうだしていると、kurapica さんが声をかけて下さり、みんなで談笑。午前中にも午後にも、総持寺とは別の仕事場スタッフが声をかけてくれたりで、みなさんと楽しくすごさせていただいた。
13時と14時には子供試乗会。小さいお子さんとお母さんとのペアを二組。そして子供たちだけ3人をのせて北グラウンドを一周した。北グラウンドの36台は全て試乗可能だったために、その36台だけでグラウンド1周が詰まってしまい、その内側を試乗車が走るというハプニングはあったが、皆さん楽しんでおられた。子供の総数は200人に達したという事だが、ジャンクヤードのSさんによると、
「子供たちより、乗せて回っていたオーナーさんたちの方が喜んでおられましたね。」とのことだった(笑)
試乗会のあとは急に日が陰って来た。どんどん寒くなるので、ずっとバーナーを焚きっぱなしだった。
「こんにちは。」
「ありゃ、Rover75を見てもらっているギャルソンガレージの若社長!どうしたんですか?」
「面白そうなので来てみました。何だか凄いですね。」
「ええ、見た事も無いクルマが一杯(笑)」
書店で若社長もこっそり本を買っていた。あそこは魔窟だ(笑)
表彰式があるというので南グラウンドに。屋外コンサート等もあったようだが、とにかく寒かった。
ジャンクヤードのS社長が副実行委員長。Sさんから人気投票、男性の部、女性の部、国産車の部、外国車の部、子供の部等が発表され、最後に
「では実行委員賞を最後に発表します。ローバー3500の紺の豚さん!」
何だか申し訳ない。マルティニの発泡ワインをいただく。
多分沢山エントリーをお願いしたからだろうと思っていたが、次の木曜日にジャンクヤードに遊びに行ったら、
「それもありますが、玄人筋にはP6人気だったんですよ。昨年も賞を出そうかという意見も有ったんで。」
と言われ、少しほっとした次第だ。
楽しいことにも終わりはある。寒くもなって来たし、皆さん三々五々帰って行く。また来年も会いましょう!来年はもう少し秋も早めに行い、彩都あたりで集合して市内に乗り込むツーリングもいいなあと画策しているようだ。
ぜひまた皆さんお越し下さい!