
体中痛い。 ニュル夫です。
車が綺麗になったらお出かけです。
ニュル夫としては珍しくレクサスが格好良く見えたのでソッコーで乗ってきました。
相変わらずの辛口レビューになりますが、さほど間違っていないハズなのでご参考まで。
今回の試乗車はIS250 完全なベースグレードですね。
IS300hも置いてあったんですが、4発なんて興味なし! 4発でプレミアムとか、ちょっと言ってる意味が分からない。
では感想。 長文注意!!
①外装
先代と比較して、垢抜けてドラマチックな印象です。
先代は面の量感が希薄で品格の無いデザインでしたが今回はかなり改善されました。
決して品格があるとは言いません。 まだまだ小手先感が出ています。
基本的なシルエットはやや水平基調になり、キャビンとボディのマッチングも良好です。
全長が伸びた事と水平基調が相まって高級感が出ました。 トランクの長さも良い具合です。
ボディ断面はショルダーがグンっと張り出し、サイドボディ全体が活きています。
先代はココがダメダメで貧相な感じになってましたから。
フロントはフードのラインとグリルの相性が非常に良く、エグイはずのグリルを上手く落とし込んでいます。 スピンドル史上最高の出来です。
特にグリルの縦断面が素晴らしく、アウトラインと断面の連続性が絶妙です。 ここに関しては欧州勢、具体的にはアウディのそれを凌駕しています。
惜しむらくはランプのディティールが幼稚なこと。
2分割にしたり輪郭線をウネウネしたり、こういった部分に詰めの甘さが出ています。
ただ、基本の面質が良いので、正直ランプ類のディティールはそこまで気になりません。 ある意味レベル高いです。
あと、サイドのキャラ線がフロントフェンダー部で曲がるのはダサいです。
バンパーは標準の方が破綻が少ないです。 クォーターから見た時の奥のシルエットも自然で安心して見れます。
Fスポーツは危なっかしいデザインです。 上記のクォーターからのシルエットがアンバランスでヘタクソなスケッチのようです。
たぶん、グリルの突出感を狙ったデザインなんですが、くの字のグリル断面と相性が悪く、バンパー下端も不安定かつ貧相なのでオススメ出来ません。
グリルの格子も写真より安っぽく、スポーツ=安物みたいになっています。
リアもなかなか安定感あるデザインです。
やはりランプが頑張り過ぎていますが、リフレクターの処理やフェンダーなんかは良い雰囲気です。
若干トランクの盛り上がりが絞り過ぎているように感じます。
ここは空力にも影響してくるので何とも言えませんが、やはりクォーターからのシルエットにアンバランスさを感じます。
あと、サイドシルのラインとリアコンビランプもグラフィック及び見切り、サイドウインドウの後方切り上げ、サイドボディのハイライトが影響して車の後方が捩じれて見えます。
かなり致命的な欠陥かもしれません。 骨格が歪んで見えると車の基点が曖昧になりデザインどこの話じゃなくなってしまいます。
この件はある特定の方向と距離で発生するのでショールームでは確認は出来ないハズです。
長々書きましたが、かなり高得点狙えると思います。 こんだけ書くという事はそれだけ気にして車を見ているという証ですから。
②内装
こちらも垢抜けました。 内装は文句の付けようがないくらい高得点です。
あえて注文を付けるなら、カタログよりも実物が安っぽいこと。
センターコンソール周辺の構成は良いんですが、面が平面過ぎてゲームっぽい印象です。
静電スイッチやリモートタッチでボタンが減り、抑揚のない面が無駄に目立ってしまうのがマイナスです。
あと、レクサスマークが大きい。 そこまで誇れるレベルにはまだ到達していない。
それでも、アナログ時計やLFA流儀の基本立体など、先進的な印象と普遍的な印象が上手くミックスされています。 Zの変形ロボット並みのお粗末内装とは大違い。
オプションのグレードアップ時計がなかなかイイです! オススメ^_^
最後に気になったのが、ナビがインパネに潜り込みすぎて、シートポジションによってはナビの下部が見えません。 ニュル夫は見えませんでした。
③走り
結論から言うと【寒天】です。
先代のようなピッチングと突き上げに悩まされることは無くなりましたが、17インチであのホイールベースなら出来て当然のレベルです。 今までが異常でした。
当時のゼロクラとかも酷い出来でしたが、ようやく及第点まで持ってきたという感じです。
2.5V6と6ATは非常にスムーズでトヨタ制御のレベルの高さを感じます。
6ATのダウンシフトは平凡で、Zのような高回転でのブリッピングは期待出来ません。
4千回転からのシフトダウンすら受け付けない徹底ぶりです。
動力性能はサウンドジェネレーターのおかげで勇ましい音が車内に入ってきますが、思いのほか車が前に進んでいません(笑) つまりIS250は遅いです。
Z系のツインインテーク×タコ足による本質的な高性能エンジンとは違い、雰囲気を楽しむナンチャッテエンジンです。
まぁ排気量が低い分滑らかですけどね。
ステアリングフィールは非常に曖昧でタイヤがどちらに向いているか分かりません。
軽いことと、曖昧なインフォメーションはやる気を徹底的に削いでいきます。
ブレーキは片押しシングルなので過不足無いレベル。 特別優れた印象はありません。
正直、カタチから連想する活発な走りはIS250では再現できません。
本当にトヨタは走りがダメです。 レクサスに乗っていると他のどの車にも負けない何か。が無いのです。
下位グレードの試乗なのでIS350に期待するしかありません。
④総評
では、率直に車としてアリかナシか?
ナシ。
形として形成されている部位は高品質でも、感覚的な世界の演出がまるで駄目。
全てをユーザーフレンドリーに仕上げた事で、何も無くなっちゃいました、的な。
車は、走る・曲がる・止まるの3大性能が肝心なわけで、その3つに何も感じないようでは車として完成していません。
味がない。 だから
派手(外装)な寒
天(走り)なワケです。
もう少し尖った部分をスパイスに加えれば車としての色が出てくるのですが、現状ではレクサスのイメージカラー同様真っ白ですね。
これじゃあ外車からの乗り換えは厳しいんじゃないかな。。。
楽なのは間違いないけど車ってソレだけじゃないハズ。
移動するだけなら高品質なので、いかに車に仕上げるか。
デザインは完全に昇華できたので、走りについてもより一層頑張ってもらいたいものです。
そうして見ると、日産やマツダは良くも悪くも車を知ってるなぁと実感する。