2024年式シビックRSミニ感想文 - シビック (ハッチバック)
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ノイマイヤー
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ホンダ / シビック (ハッチバック)
RS(MT_1.5) (2024年) -
- レビュー日:2025年8月24日
- 乗車人数:2人
- 使用目的:その他
おすすめ度: 3
- 満足している点
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1.改善された回転落ち
2.許容できる乗り心地
3.レブマッチの安楽さ
4.MT愛好家を唸らせる自然な運転感覚
普通に乗れるMTと言うだけで価値がある - 不満な点
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1.低速トルクが物足りない(発進加速)
2.シフトノブの縫い目が掌に当たって不快
3.価格に納得感がなさすぎる
ホンダ価格だし、それだけ出すなら満足の基準線も上がってしまう - 総評
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2021年発売の現行シビックは個人的に好ましいモデルだと感じていた。若年層に売れている、という報道は売り手の願望が生み出したプロパガンダかと思いきや、確かに若いドライバーがシビックでドライブしているのを見る機会があった。
更に私が注目したのはMT比率が高いという事だ。初期受注の35.1%がMTだったという。決して安いとは言えない価格設定のシビックの、さらにオワコンと言われかねないMT車に対して意外なほどの受注をなぜ勝ち取れたのか不思議に感じる人も居るだろう。個人的な見解では、「それなりの車格」で「それなりのE/Gと組み合わせられているから」だと考えた。
かつてカローラ(セダン/ツーリング/スポーツ)にもMTがあったが1.2Lターボという非力なE/Gが組み合わせられただけでなくシフト配置も理想からは遠く、コレジャナイという感じが残っていた。マツダ3にもMTが設定されていたが、人気のあったディーゼルのMTは廃止され、自然吸気のガソリンE/GのみにMTが設定されたが、のちに追加されたスカイアクティブXにMTが設定された。残念ながら、当時は割高だとして忌避感を生み、MTのラインナップは縮小の一途をたどる。
シビックの場合1.5Lターボで182PS/24.5kgmという高性能を発揮し、決して引け目を感じさせないスペックを持っていて、「我慢の廉価仕様」という感じが小さいことも一因かもしれない。

そんなMTが珍しく好評なシビックの弱点の一つは回転落ちが悪く重たいフィーリングだった。アクセルオフで燃料がカットされて減速をはじめるレスポンスが悪く、例えばクラッチを切ってアクセルをふかしてシフトダウンをする「回転合わせ」を行おうとすると待てども暮らせど回転が落ちない(比喩表現)のである。
確かに現代のMTは厳しい環境にいる。例えば電子制御スロットルだ。本来、ドライバーの意志に沿った動作ができる技術だが、ペダル操作に依存せずにスロットルを開閉できることから、安全デバイスだけで無く動的性能の辻褄合わせに使われることも少なくない。そして自動変速車ファーストな適合によって、本来は右足でE/Gと会話できるはずのスロットルがON-OFFスイッチのような鈍感なものに変えられたり、不感帯域が設けられるなど拷問のような設定が当たり前になっているのだ。キャブレターの自動車に乗った人にはEFIのフィーリングが気に入らない人が居たが、同じようにワイヤー引きスロットルを知る者にとって電子制御スロットルの違和感は計り知れない。近年は、その最悪期を脱しておりドライバーが制御しやすいスロットル特性のMT車も増えている。何しろ、クラッチの接続にはE/Gとの対話が不可欠でありシビックのMTはその点で問題は無かったのに回転落ちへの指摘の声が私だけでは無く、自動車評論家からも相次いでいた。
2024年、ホンダはLX/EXのMT仕様を廃止すると同時にMT専用のRSグレードを追加した。初動のMT比率の高さや若年層の支持を背景にMTへの改良の投資も説得できたのだろう。

カーグラ誌のインタビューによれば「日本でシビックを立て直したいという思いが強かった」という。所詮グローバルの主戦場は5割が北米、4割が中国、残る1割をアジア(含む日本)と南米で分け合うシェア構成なので、日本市場など無視できる存在だと思われているのだと私は想像していたが、意外にそうでは無かった。
日本での発売後、開発現場からの「もっとよくしたいという声」が出たため、各部署にヒアリングしてアイデアを持ち寄り、外国仕向けの別スペックの部品をかき集めて作ったのがRSなのだという。RSという名前自体は営業部門の意見で決まったそうだが、確かに北米仕様に存在する200psのSiという程ガチでは無いのだが日本ではお馴染みのSiRグレードの復活というのも悪くなかったように思う。(私はGLとか復活して欲しいが・・・)
・ショートストローク化
・軽量フライホイール
これによって前述の不満は解消され、変速することを楽しみに変えた。軽量フライホイールは質量が23%軽くなり、慣性モーメントは-30%低減したという。結果、回転落ちは50%向上したとされる。
さらに「レブマッチシステム」がタイプRから流用された。これはシフト操作をすると、アクセルを踏まなくても自動的に適切な回転数に合わせてくれてクラッチを繋いだときのショックをほとんど消すことができる。
カタログには書いていないが、シフトノブもドライバー側に寄せて曲げてあるそうだ。スッと手を置いた位置にシフトノブが来るように一筆入れてあるのはすばらしい。
このほか、大型ブレーキをはじめとしてシャシーもRS専用に再セッティングされ、ドライブモードスイッチに自分好みに設定できる「INDIVIDUAL」モードが追加されていて活用するしないに関わらず意オーナーの意志に少しでも寄り添おうという意志は感じる。ヒエラルキー上、タイプRがあるので、差別化をやり過ぎること無く、ウェルバランスを狙ったシビックRSは大変好ましい。
MTの改良と走りに関係するところは細かく手が入っているものの、内外装の差別化が慎ましい。具体的には上級のEXに対してハニカムグリルやグロスブラックの加飾、Rrバンパーのエキパイフィニッシャーも専用デザインだ。ホイールも切削加工が廃止されて(!)黒一色に。内装は赤ステッチや赤アクセント加飾とに留まり、ド派手なエアロとかインチアップだとかそういった差別化のための差別化にお金を使っていない点が好ましい。
しかし、ネガティブな印象を持ったのはグリル開口の空力上抜きたくない部分の穴埋め部の処理が下手な事だ。ただ埋めただけという感じで、実際の穴あき部との見栄え上の差が激しいのは高額な車としては残念である。例えば欧州ブランドの車はこういうところにも桟の立ちを高くしたり、シボのかけ方や部品分割を工夫している。これは他のホンダ車でも共通した不満点であり、コストを最優先にした結果だと思われるが、車の顔に関わる部分なので意識を高めて欲しい。

シビックRSは貴重なMT派のために真剣に考えられたMT車だ。トヨタもカローラにMTを設定していたが、非力な走りとシフト位置の悪さなど適当に作ったMTを引っ込めてしまった。マツダはマツダ3にMTを設定しているが、昨今のマツダはディーゼルやMTに対して冷淡で従来よりも強く効率を気にしているようにも映る。
そんな中でMTの基本機能に改良を加えて、普通に乗れるシビックRSの存在感は大きい。弁護のしようが無い価格設定を一旦脇に置いておくと我が家の有力な買換え候補の一つとして気になる存在になった。(だからといってポンと541万円も払う余裕が我が家には無い)
最近の私は毎朝の通勤経路で颯爽と右折してくるシビックRSとすれ違う。30代くらいの若い人が通勤に使っているようだ。毎朝「良いクルマに乗ってますね」と心の中で声をかけている。そして「頑張りましたね」と彼の決断を労ってしまう。
クルマの内容だけなら4~4.5★でも良いと思うが、足元を見た価格設定があんまりだ。RSの最終評価は★3だ。惚れ込んだ人は買って後悔はしないだろう。
- 走行性能
- 3
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シビックRSに試乗したが、店舗から出る歩道の段差だけであたりの柔らかさが好ましかった。普段、ノーマルでもカチカチのデミオに乗っているので「さすがCセグメント!」だとの格を違いを感じた。

発進から加速・停止までストレス無く運転できる点はシビックの美点だ。1速でトルクが細くてエンストにおびえる必要も無いのもいい。市街地メインの試乗だったがクラッチペダルの踏力も適切で踏みやすい。少し状況が良くなったので元気に加速させてみると、E/Gスペックの割に少しパンチが足りないかなと感じてしまった。
それもそのはずで、182ps/24.5kgmというスペックに対して車重が1350kg。パワーウェイトレシオとトルクウェイトレシオを求めると、それぞれ7.41kg/ps、55kg/kgmだ。我が家のデミオと較べれば、10.3kg/ps、48.2kg/kgmだった。出足でパンチが無く感じるのはデミオよりトルクが細いからなのかも知れない。厳密にはトルクにギア比をかけた実トルクで比較しなければならないが。

デミオでは家族4人で移動することが多いので、ここぞというときのダッシュ力に助けられるシーンも多い。もちろんガソリン車とディーゼル車の差はあれど、同じ1.5Lターボとして気になった。
クラッチを切ってシフト操作するだけでスパッと回転数が決まるレブマッチシステムはなかなか気持ちよい。市街地で意地悪く1速にたたき込んでもショックを出さない。これなら、長いブランクがあったMT出戻り組の人も簡単にドヤれるメリットの多い機能だ。ドラテク向上のため練習したいストイックな人のために機能をカットする事も可能だ。一点だけ、赤ステッチのシフトノブはムード満点だが糸の縫い目が掌に当たってかなりに気になった。私ならステッチの位置を90°ずらしたい。どうしても我慢できなければTYPE R用のシフトノブに交換という手もある。

E/Gの特性は特に変わっていないのでレッドゾーンまで回して気持ち良いE/Gではない。とりあえず6500rpmまで回りますといった類いの振る舞いでこの当たりがSiではない由縁なのだろう。
シビックRSの伸びやかなRrビューや涼しいフロントマスクを見ていると魅力的だった。確かにカップルには充分な居住性があるし、我が家の様な4人家族のファミリーカーにも嬉しいラゲージ容量は実用性も高そうだが、最小回転半径5.7mには注意されたし。 - 価格
- 1
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良いなと思ったので割とガチな見積もりをいただいてきた。
2025年1月からの価格は車両本体価格439.9万円だ。ボディカラーはソニックグレーを選択し、443.7万円。用品が39.5万円と諸費用58.5万円を合計すると541.7万円となった。

選択した用品
フロアマット
マッドガード
ユーロホーン
Rrバンパー保護フィルム
サイドシル保護フィルム
前後ドラレコ
ライセンスフレーム・ロックボルト
ドアエッジプロテクタ
LEDフォグ(アタッチメント含め9万近くする!)
コーティング
ETC2.0セットアップ
点検パック
延長保証
タイヤパンク保証

色々着けすぎているとしてもシビックが541万円!ちょっと変な声が出そうになった。デビュー直後はLXグレードでもMTが選択でき、本体価格が税込319万円だったのに、今はMTが欲しければ439.9万円のみ。この4年間でシビックMT車の最低価格が120.9万円も上がっているのだ。
2025年現在の装備が充実したEX(379.8万円)との比較でも60.1万円差である。この価格はほとんど説明が付かない。何故なら加飾の色を変えたところで原価的には変わらないからだ。つまりMT代+RS専用チューン代とでも言えば良いのか。
RSグレードのセンスや内容の良さは認めるが、EX(CVT車)の60万円高が妥当かと言われると疑問だ。EXのMT仕様でも良かったはずなのに、まるで取りやすいところから取るサラリーマン増税みたいな価格の付け方であり、せっかくMTのプレゼンス向上が期待できそうな内容なのに勢いに水を差しかねないところにホンダの商売の下手さを感じる。先に挙げた雑誌インタビューでは「アメリカや中国では月に2万台売れていて、アメリカでは軽自動車の様なエントリーカー的感覚を持たれている」と話していた。そして「日本もそういう風に戻したい、つまり買ってもらえる車にしないといけない」と答えていた。個人的にはシビック感想文で述べたとおり、客寄せパンダで良いからLXより下の廉価グレードが必要だと思うのに、結果的に値上げ傾向は止まらない。
一つ、様々な仮定を織り交ぜて妄想をしてみたい。月販700台規模のシビックの25年8月現在の全グレードを平均した価格は407万円だ。ここにMAZDA3やカローラスポーツ、或いはPOLOを意識した289万円(CVT)の新グレードを追加する事を考える。
16インチホイールカバー仕様だが、MOPでアルミホイールを選べば寂しくならない程度のグレードをイメージして欲しい。
Google検索で出てくるAIによると、乗用車の原価率は70%程度と言われているがこれは卸価格を意味しているらしい。さらに工場原価は30%程度と言われているから、卸値から工場原価を差し引くとホンダが受け取る利益が分かる。この前提で407万円のシビック1台の平均的な粗利は約199万円となる。今は月販700台規模なのでホンダが得る利益は13億9500万円/月だ。
ここに289万円の廉価グレードを追加することで、販売台数が20%増えて840台になったと想定したときの利益を計算してみた。仮に増加分がすべて廉価グレード(140台)だった場合、約2億円/月の利益増加となる。年間で24億円も利益が増える。
ただし、販売台数が増えても廉価グレードが好評で台数が増えていくと利益を減らしてしまい、仮に560台も廉価グレードが売れてしまったとすると、廉価グレードなど設定しない方がマシ!という皮肉な結果になる。

しかし、実際の販売現場では、せっかく買うのだからと最廉価仕様は選ばれにくい。上級仕様の追加装備が仮に不要だったとしても最廉価を買って失敗したくないという心理も働きやすいので、試算したような廉価仕様ばっかりが売れてしまう可能性はあまり大きくない。
廉価グレードの存在によって「自分でも買えそう」だと販売店に来てもらえる機会が増えることは期待できる。彼らと商談するうちに「一つ上のグレードを」となる可能性は少なくない。上のグレードだと値引き枠が大きいだとかリセールで有利だとか、月々の支払額に直せは大した出費増にならない、などと言葉巧みにセールストークを繰り広げれば廉価グレードで集客し、実際には上位のグレードを買わせることも腕次第で可能だ。
この状況を想定して売り上げが増えた840台のうち廉価グレードは100台しか売らない場合、収益は2.2億円の収益増となる。ホンダの規模を考えると、大した収益ではないかもしれないが、N-BOX一本足打法の危険性に気づいているはずのホンダは日本でシビックの市場を残しておく必要があると私は思う。
少なくとも今のシビックの価格帯はあまりにも高いと言わざるを得ない。ガンガン値上げをしたところで、それでも欲しい人は残クレを選ぶのかも知れない。ただ、最近では残クレアルファードの歌が流行った関係で残クレに対する注意喚起も目に付くようになった。ホンダに限らずに残クレにはユーザーにとって不利になる要素が隠されている。目先の支払額に騙されず、着実に貯金してから買うなどクレバーな選択をして欲しい。(最近は現金派が貯金している間にせっせと値上げを行うのも現金一括派撲滅への施策なのかも知れない)
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