もう今年は降ることはないと思っていた…
氷点下6度の牧ノ戸駐車場
月明かりに真白に浮かび上がる登山道をひとり歩く
キュッ キュッ
心地よい響き…
一夜にして積もった雪を一歩一歩踏みしめながら、忘れかけていたその感触を楽しむ…
今冬の九重は、なぜか雪が降ってもすぐ融けてしまってなかなか積もらない
しかも、雪解けの登山道は、まるで田んぼの中を歩いているようでまいってしまう(笑)
扇ケ鼻付近で空の色、星、雲の動き、ガスの流れを目で追う
今日は何となくピーカンぽい空、ガス雲も期待できなさそう…
ならば天狗ケ城或いは中岳で定番のピンクサンゴを狙うか、星生山(ほっしょうざん)から硫黄山の噴煙を狙うか…
たまにはいいかな…(笑)
後者を選択する
星生山の樹氷のトンネル
ヘッドランプに照らされキラキラと舞い散る粉雪に心を奪われ思わず立ち止まる…
ふと気づくと黎明の刻が始まっている
少し寄り道しすぎたみたいだ
こいつは本気で急がないと(笑)
間に合うかな…(笑)
酸欠寸前になりながら、最後の緩やかな尾根を一気に登りきる…
そのとき、まだ肩で息をつく僕を暖かいオレンジ色の光が照らし始めていた
先行者の二人
牧ノ戸峠の駐車台数から推測すると今日の一番人気の山は天狗ケ城だったようだ(笑)
三俣山…その先に由布岳が見える
【おまけ】
ガス雲に飲み込まれる九重連山最高峰の中岳
後から後から押し寄せる雲の波
ガス雲に浮かび上がる大船山
天狗ケ城から望む朝日
雪が積もっていればピンクサンゴを見ることができたはずだが、来年への楽しみにしよう(笑)
ご心配おかけして申し訳ありません…
今僕は熊本の復興のため不眠不休の毎日を送っています
皆さんの心温まるブログやメッセージ…まだきちんと返事は返せていませんが涙が出るほど嬉しいです
菜の花の道がまるで復興への道のようですよ(笑)
元気玉ちゃんと届いてます!
熊本の支援情報のブログアップや災害ボランティアのお申し出…
本当にありがとうございます!
連休中、熊本にお越しいただく予定だったみなさん…約束を果たすことは出来そうもありません…本当に申し訳ありません
数々の皆さんのお心遣いに心から感謝いたします…
そして、今はなかなか皆さんのページを訪れる時間が取れないのですが、何より皆さんのブログアップこそが僕の力になります
どんな状況になっても笑顔だけは忘れずにいたい…
頑張ります!熊本!
こちらは天狗ヶ城からの風景
位置関係から中岳や久住本峰よりカメラマンに人気の山
この季節、休み前に雨が降るとワクワク感が止まらない自分がいます…(笑)
きっと家族は、ひとりニヤケている僕を見て、ついにおかしくなったかと思っていることでしょう…
でもそれでいいのです…
きちんと自覚しております(笑)
あ~ワクワクが止まらない!
その時…
その場所で…
さあ、明日は何に出会えるのかな…(笑)
やわらかな風…
海に浮かぶ夏の入道雲も今はもう見えない…
愛車とともに行く久しぶりのわくわく探し
大好きな夏には間に合わなかったな…
本来なら秋を楽しむはずのこの時期なのに
心はもう次の夏を待っている…(笑)
行先はキリシタンの足跡を訪ねて、九州の西端 長崎県平戸市
でもそれ以外は全くのノープラン(笑)
「いいお写真撮れました?」
教会へと続く長塀の道…
長い石段の途中で一人の年老いた女性から声をかけられた…
ご近所さんなのだろうか
右肩に担いだ僕の三脚を見て笑っている…(笑)
「いや~それがなかなかそうもいかなくて… 写真はともかくキリシタンの足跡を追いかけてるんです。」
そう…ここ平戸は、天草と同じく彼方此方にキリシタン達の哀しくも美しい物語が語り継がれている街…
「夕日のお勧めの場所ってありますか?」
これも何かのご縁、早速情報収集を開始する(笑)
「そうね…ちょっと遠いけど写真なら九十九島が有名じゃないの?」
やっぱりそうか…
ここから車で優に一時間以上かかるが、ま…妥当なところか…
お礼を言って石段を登り始めると背中から呼び止める声…
「あの…このあたりだったら…、あまり有名ではないけれど、私も若い頃はよく…、それにキリシタンにも関係あるから…」
老女はそう言うと 遠くを見つめ はにかむように笑った…
ある程度の場所を聞き、再びお礼を言って教会を目指す…
定番の九十九島の夕景
展望台は多くの観光客とカメラマンでびっしり…(笑)
【続き】
翌日、どうしても気になり、老女に教えてもらった海岸に向かった…
カーブを曲がりきって見えてきた青い海に思わず車を止める…
うわ…すごい透明感…目的地にはまだたどり着いていないのに!(笑)
実は老女が教えてくれたのは、ここから車で5分くらいのところにある根獅子の浜…
この地にも悲しい話が伝わっている
禁教時代、キリシタンの夫婦と三姉妹の家族の前にひとりの若者が現れ、夫婦はその若者の働きぶりが気に入り、長女の婿として迎えることになる
やがて長女が身ごもったため、家族はもう大丈夫だろうと、男に自分達の信仰を打ち明けた
ところが、翌日若者は家から忽然といなくなり、代わりに役人が来て一家は捕らえられてしまう…
当然ながら、根獅子の里人は全員厳しい取調べを受けることに…
しかし、この一家は、キリシタンは自分達だけであり、里人は誰一人としてキリシタンではないと…
最終的になんとか一千人もの里人をかばいきったものの、その引き換えとして根獅子の浜の小岩の上で長女の身ごもった赤子ともども6人全員が処刑されたという…
(※おろくにんさま伝説)
天草の崎津・大江でも「天草崩れ」といわれる大量発覚事件はあったが…
あちらは五千人規模の発覚ではあったが、全員が生き延び、こちらは六人全員が処刑…
きっと新たな命の誕生に幸せの絶頂だったに違いないこの家族の思いを考えると胸が苦しい…
音楽切れの方はどうぞ…(笑)
以前車の中でよく聞いてた大好きな曲です…(笑)
陽も傾いた頃、根獅子の浜の近くの海岸で爽やかなイケメン彼氏とその可愛い彼女に出会う…
僕のカメラの前をチョロチョロ…明らかに意識しているよう
声をかけると開口一番すみませんときた(笑)
聞けば自分たちが撮影の邪魔していると思っていたらしい…
でも、すぐに打ち解けて、逆に撮影の許可をいただくことに(笑)
「私…待ってたのよ…ずっと…」
えっ!? 海風の中にそんな声が聞こえたような気がした…
彼女の声? いや空耳か…
なぜかふと教会の近くで出会った老女の遠い瞳を思いだす…
そういえばあの人 若い頃はよく行ってたと言ってたっけ…(笑)
きっと年老いたあの女性も愛する人と一緒にこの海を見つめていたのかもしれない…
いや そう思いたい…
今回のわくわく探しは、ようやく暦どおりに自分の時間が取れるようになった9月下旬のお話でしたが、この海岸一帯では なんと泳いでいる人がまだまだ何人もいました(笑)
たったひと月前のことですが、今はすっかり秋一色…
時の流れの速さにはビックリさせられます(笑)
そして今回の舞台となった長崎・平戸で出会った3人…
この3人との出会いによってノープランだった僕の行動が決まっていくわけですが…(笑)
帰りの車の中では、まるで最初からこの旅の行方が決まっていたかのような何か特別なものを感じていました…
特にあの年老いた女性との出会いが無ければこのブログもきっとお蔵入りしていたでしょう(笑)
そう考えると人の出会いは不思議なものだなあと感じます…
そして、言い伝えでは、千人の里人の命を守るため六人の血が流れ、海は朱に染まったといいます…
時は流れ、現代においては…
多くの家族連れや恋人達が訪れるこの海が、いつまでも幸せ色に染まっていてくれたらと…
心からそう思います…
待ってたのよ…
いつもの妄想癖なのでしょうが(笑)
それでも僕にはあの年老いた女性の言葉のように思えて仕方ありません…
その時…
その場所で…
さあ明日は何に出会えるのかな…
ふわふわの秋の空 カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2022/11/04 17:45:27 |
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