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2020年04月09日 イイね!

「うちの子にかぎって」に、昭和59-60年の世相を見る

 先日、「うちの子にかぎって」パート1・2を見たと書きました。ストーリーは面白いのですが、ストーリーは別にして「時代性」をあちこちに感じました。これこそが、ドラマに感じる生きた時代性です。今回は、昭和59-60年はどんな時代であったか、また、現代と大きく異なるところはどこであるか、まとめてみました。

働く女性がいない
子供の女性保護者は、ほとんどが専業主婦。
 男女雇用機会均等法施工前で、働く女性はいたことはいました。ただし職種には大幅に制限があり、家業以外では会社の事務やスーパーのレジ係、弁当屋などでした。それも家計を補助することが目的であり、男性保護者側の収入が高い場合は、専業主婦であることも多々ありました。
 物語のうちのいくつかは、「子供を守る」という名目のもと、実は自分たちの存在感を訴えることが目的ではないか、と思しきこともあります。

個人商店が多い
 物語を面白くさせ、保護者が登場してくる理由づくりのためか、子供の家は個人商店であることが多いです。その男性保護者は、中学かせいぜい高校を出たかのような描き方です。時代背景上、これが普通だったのでしょうね。この頃の大人は、まだまだ教育水準が高いとは言えませんでした。だからこそ、先生をあがめる姿勢があったり、子供をあまり教育しなかったのでしょうね。

また、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、ファストフード店が少ないです。まだまだ珍しい産業だったのでしょうかね?

ファッション
 男子生徒の多くは、1分丈の半ズボン(現代でいうところの、K-POPの人などが良く着用するもの)を履いています。その後、子供への犯罪を誘発するということで、絶滅してしまいました。
 また、現実の世の中ではすでにスポーツ用品メーカーの衣料が出回っていたはずですが、それ以外の服にもずいぶんと「デザイン」が取り入れられています。

それから、シャツの裾は必ずズボンやスカートの中に入れています。シャツの方もそうしてもらうことを前提に製作されていますので、裾を出したらワンピースのようになってしまいます。

1980年頃の子供向けドラマを見ると、まあ、シンプルすぎてデザイン不在の服を着ているものですが、「子供服」のジャンルが出来始めた時期なのかもしれません。
 
第1話 先生!ブスが好きなんですか(1984/8/17)
 学校新聞に任命された生徒が、買い物をする先生夫婦を撮影、新聞の記事にします。この写真が上手く撮れていたために生成がほめ、話が展開します。現在の価値観なら、いくら学校新聞であっても、先生は叱ったことでしょう。当時にプライバシーという概念はありませんでした。
 ストーリーは学校新聞をきっかけに、今度は放送部が他の先生のお見合いを報道することに展開します。当時は、「FRIDAY」「FOCUS」「emma」など、写真週刊誌が流行っていました。

第2話 女のヨロコビってなあに?(1984/8/24)
 親子ともどもアイドルを目指している生徒が、テレビのちびっ子カラオケショーに同級生とともに出演します。同級生の方が評価が高かったために、やる気をなくします。大人になってからの幸せは、収入が高い配偶者を得ることであることに気づき、とりあえず頭がよさそうな同級生に取り入るのでした。

 父親も接待でカラオケをするのですが、演歌しか入っていません。そういえば、昭和時代の家庭用カラオケ機には、演歌のテープしかありませんでした。カラオケが女子高校生に人気を得るのは、平成時代になってレーザーカラオケになり、なおかつアイドル時代が終わって「アーティスト」と呼ばれる人が出てきてからでした。

 主人公の子は、街中の証明写真機を使い、色々なポージングをとって遊びます。まさにのちのプリクラ的使用方法です。そういえばプリクラも、平成初期にその傾向に目を付けた証明写真機メーカーが始めた機械ではなかったでしょうか。企業が「女子高生に意見を聞く」傾向の始まりでもあります。

 男女雇用機会均等法前ながら、女性の社会進出は叫ばれていました。といってもせいぜい24歳までで、早く結婚相手を見つけるための手段だったのです。平成の初めごろまでは、学校を卒業して就職せずに母親に家事を習う「家事手伝い」の人もたくさんいたのです。働きに出た方がより良い人と巡り合える、ということで、女性の社会進出は加速されました。

 主人公は、ちびっ子カラオケショーで小泉今日子の「渚のハイカラ人形」を歌います。この年の後半になると「スクール・ウォーズ」が流行り、麻倉未稀の「HERO」がヒット、また翌年になると、「おニャン子クラブ」も出てきます。単独女性アイドルの最後の年になりました。

第3話禁じられたアソビ(1984/8/31)
 先生の奥様の実家は、旅館を経営していました。その旅館にはいわゆる「ボットン便所」でした。当時はまだ浄化槽や下水道の普及率が低く、田舎で水洗便所は高根の花でした。

 また、この話の主人公女子は、自称「シティギャル」を名乗ります。当時はまだまだ都会と田舎の文化・文明格差はひどく、おしゃれな人とそうでない人の差もあったのです。ちなみにこの主人公の子、後の時代の「ギャル」の走りのような風貌とキャラクターで描かれています。いつの時代も、背伸びをしたがる女子がいるものです。でも、学校がある吉祥寺(東京都武蔵野市)は、都会の方だと思いますよ。

第4話 まさか!うちの親にかぎって(1984/9/07)
 主人公女子の両親が離婚を決めます。男性側が女性側の話を聞かないなど、当時「くれない族の反乱」現象を描いています。くれないぞくとは、「夫がかまってくれない、夫が話を聞いてくれない」など「くれない」を不満としたものです。理由はさておき、まだまだ離婚が珍しかったころの情景を描いています。

第5話 親よりお金(1984/9/14)
 主人公は、小遣いをためては喜んでいました。それだけではなく、ちょっとしたお手伝いをしては小遣いをもらうなど、家庭内アルバイトにも精を出していました。これが別の同級生に伝わり、教室内にはちょっとした貯蓄ブームやアルバイトブームが訪れます。ところがそのお金は、親が全部使ってしまっていました。今でも珍しくない「親貯金」と「親横領」現象です。
 この3年後、NTT株などの公開をきっかけに「財テク(財務テクノロジー)」ブームが訪れます。当時の生活では、「お金を使うことは悪で、貯めることに意義がある」だったようです。

第6話 転校生はスーパーヒーロー?!(1984/9/21)
 転校生がやってきます。非常に優等生的な発言をし、良い子ぶろうとします。その一方で、女子の筆箱を盗んでは鉛筆の先端を折ってコレクションし、しばらくたってから筆箱をこっそり返す癖を持っています。
 現代なら「心の病気」として医師の診断によるのでしょうが、当時は「気が狂っている」かのような描写でした。現代でいうところの「心を病んだ人」は、「狂う」「気違い」「精神病」「ノイローゼ」などと漠然とした言葉でしか表現できなかった時代でした。

最終話 ちいさな恋のものがたり(1984/9/28)
 主人公男子は、幼稚園の頃から気になっていた子がいるのですが、教育女子に来た女子大生に心を奪われるのでしたが、女子大生はキスのプレゼントをして去っていくのでした。

 大人が他人の子供にキスとは、今では完全に犯罪となる事案です。当時は「ほほえましい」こととして見られていたのですね。

第1話 毎度おさわがせします! (1985/4/12)
 主人公男子は、公営アパートと思われる自宅に、両親と姉と4人暮らしをしています。子供部屋は1室で、姉とは二段ベッドで寝ています。一時姉に部屋を追い出されますが、「やがて両親の老後の面倒を見るのは男の自分」と言い、姉を子供部屋から追い出すのでした。

 今でも二段ベッドはあるのでしょうが、中学3年生くらいの姉と小学生の弟が同じ部屋、と言うのはちょっと無理があります。当時の住宅事情の悪さと子供の多さがよくわかります。

また、家を継ぐのは長男、両親の面倒を見るのも長男(の妻)が当然とされていたことがよくわかります。

第2話 俗悪テレビ番組 文句あるなら云うてみい (1985/4/19)
 新聞販売店を営む主人公の家庭では、主人公がテレビばかり見て勉強をしないとのことで、テレビが捨てられてしまいます。また別の同級生の家では、母親がテレビを見ながら料理をし、焦がしてしまいます。実は子供がテレビを見る時間よりも、主婦がテレビを見る時間の方が長いのでした。

 また、主人公父はテレビの俗悪性に腹を立て、ついにテレビ局へと文句を言いに行きます。そこで対応するこの番組のプロデューサーは、こう言います。
「受信料をもらって番組を作っているだけではありませんから、気に入らないのでしたらチャンネルを回していただいて結構です。」

 これはこのプロデューサーの意見なのか、当時普通のことだったのか、当時のテレビ局を批判してのセリフだったのかは不明です。しかし、当時は「企業の社会的責任」や「コンプライアンス」「利害関係者の理解」などと言う言葉はなく、テレビはやりたい放題でした。もちろん、良い番組もありましたよ。でも、当時の民間企業はこれが普通でしたから、「役所とNHKが言うこと以外信用しない」という人もたくさんいました。

第3話 あたし…オンナになっちゃた (1985/4/26)
 以前も書きましたが、両親の再婚問題に悩んだ生徒と先生が夜の街を歩きます。現代では、犯罪に近い状態とされます。

第4話 骨まで愛して (1985/5/03)
 これまでの傾向を反省してか、老人問題を描いた回です。その老人は、今の老人よりも10歳は更けています。栄養状態や医療が改善されたためでしょうかね。

また、年寄りの娯楽として「ゲートボール」のシーンが描かれます。もうしばらく、「ゲートボール」をしているお年寄りを見たことがありません。一時、「子供を公園から追い出してゲートボールに集中する老人」が批判されたためでしょうか?当時は、お年寄りの間にゲートボールが流行っていました。

第5話 スチュワーデス物語 (1985/5/10)
 主人公の家は、葬儀屋の個人商店です。今や、絶滅しているに近い業態です。

第6話 ボクらは少年探偵団 (1985/5/24)
 主人公たちは、同級生をいろいろ調査してはパソコンに記録、色々判断をさせてはお金を稼ぐアルバイトをします。当時のドラマのパソコンと言うと、ちょうど現代の「人工知能や深層学習」を持った機械であるかのような描写がなされます。三十数年を経て、コンピューターが当時のドラマないコンピューターになるというのは、何とも奇遇です。

 とはいえ、パート1のことでも書いた「個人情報」の感覚が、登場人物に全くないことは驚かされます。

第7話 キャプテン翼ものがたり (1985/5/31)
 主人公の女の子は、日本舞踊の家元に生まれながら、サッカーが好きなのでした。女の子がサッカーをすることが、まるで「気が変になった」「おかしな子」と描かれています。「男は男らしく、女は女らしく」と、ジェンダーフリーの現代では考えられないことが「常識」でした。

第8話 カネゴンの逆襲 (1985/6/14)
 この回でも、生徒の間にお金儲けや貯金が流行ります。区域内の郵便局がこれに目をつけ、「子供銀行」を開設します。貯金は大成功でしたが、実は詐欺師で、お金は全部取られてしまうのでした。

今では学校に入る人はすべて受付を通しますし、部外者はそのまま信用せず、必ずチェックすることでしょう。当時は「人を信用する」ことが普通だったのです。

第9話 転校少女にナニが起こったか? (1985/6/21)
 番外編的展開ゆえに、これといった世相は描かれていません。

第10話 エリマキトカゲはどこへ行った? (1985/7/05)
 主人公の父親は、広告代理店に勤務しています。「うちの子」Tシャツを作成して子供に着させ、その流行る過程を会社で報告するのでした。これまで実世界でもいろいろ流行はあったが、それがどれだけ続いただろうか?と、視聴者に問題を提起します。広告代理店という産業が、少しずつ幅を利かせてきた時代だったのでしょう。

第11話 ニャンニャンしましょ♡ (1985/7/12)
 ペットブームを批判する回でしたが、当時からペットを溺愛する人がいたことを教えてくれます。

第12話 女心がわからないんです… (1985/7/19)
 特にありません。

最終話 うちの子にかぎって…は永遠に不滅です! (1985/7/26)
 特にありません。

まとめ
 1984年の作品ですが、今の感覚から見ると古さと新さが共存しています。街並みは徐々にきれいになっていることがうかがえ、白い外壁材の家が増えています。その一方で、木製の板を使用した外壁の家もあります。また、「おしゃれなカフェ」はありますが、映画館は古色蒼然としていました。

また、大人は今と比較すると「年寄り臭いのに思考や態度は幼稚」です。マナーなどあったものではありません。よく「昔の人の方が大人だった」と言う人がいますが、そんなことは感じられませんでした。もちろん、前の時代を反省しながら進化させていくのが後の時代の人の義務ですから、自然なことです。

「太陽にほえろ!」は刑事ものですので、なかなか当時の人々の暮らしが見えてきませんでした。ところがこの作品は「やや大げさで誇張はされているものの、生きた当時の暮らしや街並みが描かれている」と感じました。
Posted at 2020/04/09 21:07:00 | コメント(0) | トラックバック(0) | 過去のテレビ番組 | 音楽/映画/テレビ

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