事の発端は、奥多摩湖畔3アプリの結果
「Case GBL」「Case YKヲ」「Case IWヲ」からヨーセンターが占えるか?の検証が不発に終わり(走行条件が複雑過ぎて良く分からなかった)、もっとシンプルに定常円旋回が出来るコーナー1つに着目して追加検証してみようと言う所からスタート。
結論を先に述べれば、今回もまたヨーセンター検証は不発に終わる。。。orz
「定常円旋回軌道をトレースしてみる」の回で候補地(90度以上回り込む定常円旋回が出来そうな勾配の少ないコーナー)の視察と試走の結果より
「新たな疑問」が湧きあがった為、急遽複数名のテストドライバー(笑)にご協力頂きつつ検証を行った。
※ご協力頂いた、tomosatoさん、vertinさん、RYUSUさん、YKヲさん、有難う御座いました。
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■目的:
このコーナーは本当に定常円なのか?を複数名で検証する。
■走行条件:
1.メータ読み55km/h(クルコン付車は人的要因を排除する為これを使用)一定速のまま3つのコーナーをクリアする。
※1つ目のコーナーが検証対象。他は参考程度に。
2.iPhone/iPadは助手席足元に設置しログ取得。
※tomosatoさん/YKヲさん/GBLは後輪車軸中央=リヤトランク内にも併設しヨーセンターを占う為2アプリ同時測定。
3.走らせ方(ハンドルの切り方)は”あえて”指定しない。定常円旋回である事を踏まえてもらい、あとは各自にお任せ。
■判断基準:
検証対象コーナーが定常円であるならば、計測結果に「ヨーレート/横G一定」の区間が存在するはず(台形になるか否か)
■結論:
各テストドライバーの結果/グラフより、航空写真で見たままのほぼ定常円であったと結論付ける事が出来る。
またドライバーにより、様々な形/傾向が出ており、これはこれで実に興味深い。
■考察:
そもそも定常円旋回に必要な要素とは何なのか?を、改めて振り返る。
①車速一定
②舵角一定
③ある旋回半径を持つ一定の円の軌跡を描いてくるくる回る
④前後輪のコーナリングフォースと遠心力が釣り合う車両姿勢(車体スリップ角)
⑤それらの結果、ヨーレート/横Gも一定になる。
定常円旋回中はこれらの要素の均衡が取れている”定常”状態。逆にこれら全ての要素が揃って初めて、定常円旋回軌道に乗る/乗せる事が出来る。あたかも定常円に敷かれたレールの上に乗っかるが如く車が勝手に曲がって行く感覚が得られる。
下記のグラフの左は台形グループ。右が山なりグループと分けてみました。
検証コーナーが上記③の定常円であるならば・・・・・
左の台形グループは①②④の条件をザックリ満たし⑤になっている事から、確かに③であると言えそうです。
右の山なりグループは、①は満たしてても、②④⑤はずっと”過渡”状態ですが、③である事には変わりありません。
■気づき:
元々はヨーセンター検証の為に考えていた2種のステアリング操作(「_∫ ̄」と「_/ ̄」)
実際に使い分けてみると予想以上にグラフの形に差が出た。同じコースを同じ速度で似た様なラインをトレースしているにも関わらず。
「_/ ̄」は、ハンドルを一定速で切り増すイメージ。この切り方でこのコースを条件通りに走らせると、何故か車が曲がるのを嫌がる。
ノーブレーキ=荷重移動が使えない=向きが変えられないまま
「クルマ全体が横移動しつつカニ走りするような状態で旋回」するので、リヤタイヤでラインをトレースするしかなくなる。
コーナーの頂点右手に丁度街灯(目印)があるのだけれど、ここを過ぎてもなおステアリングを切り増し続けていたりもする。
公転はするけれど、自転の力が足りないアンダーヨーの状態。なるほど確かに。
「_∫ ̄」は、ハンドルの切り込み速度を変えて行くイメージ。「_/ ̄」に対してかなり手前から、小さく小さく舵を入れ始めるイメージ。小さくヨーを作り始めて、大きく育てて行くイメージ。
これがマグレでもハマると、定常円旋回軌道のレールにガチン!と乗って、まさに勝手に曲がって行く感覚が出て来る。
逆に車両姿勢が足りないと、舵は止めて居るのに旋回半径がどんどん広がって行く感覚になる。
90度以上回り込むコースを選んだのはこの良し悪しを結果として判り易くするのが狙い。
今回の検証より改めて気づいた事は、定常円旋回時の車両姿勢が如何に重要であるか!?と言う事。
直線~定常円を繋ぐ緩和曲線と言う名の助走区間で、どうハンドルを切り増して行くのか?
緩和曲線と言う名の滑走路で如何に効率良く最短距離で加速し離陸出来るのか?
そんなイメージを持ちました。
※あくまでも、個人の検証実験に基づく解釈として。
■ヨーセンター検証グラフ:
下記は、旋回半径がより小さくなる検証対象コーナー復路(左周り)での助手席足元<>リヤトランクのデータになります。
予定では、助手席足元は減速G、リヤトランクは加速Gが出て、確かに後輪車軸より手前にヨーセンターがあるね!
その上で、「_∫ ̄」と「_/ ̄」とでは、前後Gの大きさの配分に差が出る事から、ヨーセンターは移動しているね!
となる予定が、どちらも減速G・・・・・・・・orz
■次回:
3度目の正直「ヨーセンター検証」既に次の検証場所に当たりを付けており、より分かり易く(より難しく?)なる方向。
現地視察から走行条件を見つけ出し、今度こそ有効なデータが取れるとイイナ。
今回の検証対象コーナーがおよそ60Rだとして、下記は20~30Rかつ180度ターンなので、今度こそ何か見えるのではないかと期待したい。
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Posted at
2015/11/29 00:23:50