おはこんばんちは
ようやく日中の暑さも和らいできました。貧民にとっては絶好の整備の季節となりました。
購入からもうすぐ2年ですが、今までに実施していない、ブレーキのグリースアップを実施しました。
リヤエンジン車はリヤブレーキの負担が高いのと、後輪キャリパーは片押し式でスライドするので、今回は後輪をグリースアップしました。
キャリパーの下側のボルトを外すには、パーキングブレーキのケーブルをはずさないとボルトが回せません。そのためには、ケーブルの調整部位を緩めてケーブルの余剰長さを作る必要があります。そのためには調整部位を外す必要がありますが、そのためにはアンダーカバーの撤去が必要です。外すはよいよい付けるは怖い、のアンダーカバーを外しました。
アンダーカバー上に微妙に油が....よく見るとドレインプラグ周りに多少油が......銅ワッシャーにサンドペーパーを掛けているものの、やはり2回目の再利用はだめなのか......多少増し締めして様子を見ます。
ここからが本題です。まず、パーキングブレーキ(以下PKB)を開放し、PKBの長さ調整部(左後輪ロアーアーム前側付け根)のナットをスパナ(17㎜)で緩めてPKBケーブルにたるみができるようにします。
写真右がブレーキ側です。左のナットを緩めるとケーブルにたるみがでてきます。
その後キャリパーのPKB機構からケーブルを外します。手で余裕です。
ケーブルは下側に引くとキャリパーから分離できます。これでようやく下側のボルトが外せます。上下のボルトを緩めます。下は六角穴付きボルト6㎜です。上側は17㎜ソケットです。
次にパッドを固定しているロッドを外します。写真左側側面の穴にピン抜きを入れて、ハンマーで軽くたたくと難なく外れます。写真右側の飛び出し部分に輪形状のスプリングが入っていて、これの緊迫力でロッドを止めているようです。この後ロッドを抜きますが、スプリングを飛ばさないように注意します。向きを覚えておきます。(写真撮影がおすすめです)
キャリパーが外れました。結構重いので、ブレーキチューブに負担を掛けないように、紐でアッパーアームに吊るしておきました。写真左が上側です、
今回の作業ではMustでないですが、ピストンを少し押し込んで作業を楽にしておきます。
で、登場するのが自作工具です。
この二本のピンをピストンの穴にはめて13㎜のソケットで回します。手持ちの鉄板にΦ3㎜の穴を開けて、3㎜の真鍮線と、反対側に手持ちの13㎜のナットを半田付けして塗装してます。
大荷重が必要ないので半田付けで大丈夫です。
外した上側のブーツとスライドピンです。
キャリパーから外すには、ブーツを細いドライバー等で浮かして、ロッドを片側から押して、ブーツを外しながらロッドを反対側に押して取り外します。ブーツはロッド外側には抜けずらいのでこのように外しながらロッドを押して外すのがやり易いようです。最初ブーツがロッドから外れなくて往生しました。ロッドは表面処理がしてあるようです。一部当たりが強いと思われる場所で剥げがありましたが、大きな傷、摩耗等はなく、問題なさそうです。ブーツも破損等なく、弾力性も十分です。次回は交換かな?
ロッドと、キャリパーの穴はブレーキクリーナーで洗浄し、ウェスで拭いておきました。
ブーツはブレーキクリーナーを掛けるとよくないようで、ウェスで拭いておきました。
洗浄が終わったら日産ラバーグリースをロッド、キャリパー穴内径、ブーツ内側に薄く塗って組立ます。ブーツのキャリパー側はロッドを入れる前にはめておかないとロッドを入れたら嵌めるのに難易度が高いようです。順序として①片側のブーツをキャリパーに取り付ける。②ロッドの挿入側の溝を越えた部分に反対側のブーツを仮止めする。③ロッドに仮付けしたブーツをキャリパーの溝に取り付ける。④ロッドを挿入し、反対側のブーツの端をロッドの溝にはめる。⑤挿入側のブーツをロッドの溝の嵌める。 うまくはまったらブーツが確実に溝にはまっていることロッドがスムーズに摺動することを確認します。(下の写真はロッドがはまっていません...)
次に下側のロッドです。下の写真のスリーブ(上)は、簡単に抜けます。その後、ブーツ内に樹脂のカラーが入っているまま、ブーツを車両内側に押して、奥側から引っ張りながらはずします。ブーツは写真右側が車両内側です。こちらも破損等なし。それにしてもこの樹脂カラー、ペラペラで大丈夫かって印象なんですが、常に摺動するところでないので良しってことなんでしょう。海外の部品によくある不安を生じさせる構造.....こちらも次回は交換でしょうかね。
これも洗浄してラバーグリースを塗って再組付けします。ブーツ、カラー、スリーブの順番で組みます。キャリパーの穴も洗浄し、グリースを。
ブーツを装着。その後カラーを少しすぼめて挿入、自分で拡張しますが、重なりなく収まっていることを確認しました。最後にロッドを挿入しました。
キャリパー側のグリースアップは終了です。
パッドは交換しませんが洗浄と鳴き止めグリースを塗っておきます。
このブレンボのパッドは、両面テープでバックプレートをパッドの裏金に貼ってある感じで、テープの残骸をできるだけ落としてストレートの鳴き止めグリースを塗っておきました。
あとはパッドをキャリパーに組み込んで、キャリパーの取付ボルトを締め込んで終了ですが、ピストンを少し押し戻したのでパッドが脱落します。パッド固定用のロッドでパッドを仮止めした状態でキャリパーを固定し、PKBから接続されるレバーを2-3回動かすとピストンがでてきてパッドがディスクに固定されるので脱落しません。この状態で鳴き止めスプリングとパッド固定用ロッドを車両外側から打ち込んで固定しました。その後キャリパー固定ボルト二本をトルクレンチで締めつけて終了です。 (上側45〜50Nm、下側35〜40Nm)
反対側も同様ですが、下側のボルトとスリーブが固着していました。(>_<)
簡単に取れないので今回はそのままで。次回は新品準備したほうがよさそうです。
両側が終わったら、PKBケーブルをキャリパーに引っ掛け、最後にPKBケーブルの長さ調整です。
左側のナットを締めてケーブルのたるみを取ります。整備書ではキャリパーのアウターチューブ固定部とケーブルの取付部の距離を76㎜に調整しろということです。
この写真は77mmですが、実際76㎜に調整しました。
結果ですが、この手の整備は効果が実感できない、という落ちになるかと思ったら、以下の効果がありました。
① ブレーキの引きずりが低下
車がよく転がるようになりました。惰行時の減速が少ない、同じギヤでも低い回転から使える等、明確に効果が感じられます。しかしいままでと同じ緩勾配でも動くのでこの点は要注意です。
② PKBの効きよくなった
少ない引き代で聞くようになりました。安全性と操作性向上です。
①についてはキャリパーの動きが改善、②はケーブルの伸び分が調整されたということではないでしょうか?不思議なものでこれだけのわずかな変化で車の運転が楽になりました。
総括です。
使用工具および費用 すべて手持ち
日産ラバーグリース
ストレート 鳴き止めグリース
6㎜六角穴用レンチ
15㎜ソケットレンチ
17㎜スパナ(ケーブルナット用)
ピン抜き
時間
アンダーカバー脱着 1時間
キャリパーグリースアップ(右)約2時間
キャリパーグリースアップ(左) 約1時間(習熟効果あり)
PKB 引き代調整等 約15分
合計 約4時間15分
作業時走行距離 22868㎞
作業自体の難易度は低いですが、手間はかかるのでお勧めかどうかは?です。根性のある方はぜひどうぞ。
ブレーキの調子見かねて山のほうにドライブを....下呂から中津川へ...
この景色といえば....
恵那醸造さんに鯨波を調達に。お友達の分まで。
昔の物です。歴史を感じさせます。
恵那山を見ながら帰途へ。
途中の休息で。
念願のミニストップ ベルギーチョコソフト。おいしい。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。