GWはじめはMTBで山遊びに行ってきました。
何せ初心者ですので、トレイルとか走り方もわかりません。
そこで思い立ったのが、加波山から湯袋峠まで稜線を走る北筑波稜線林道でした。
調べると、この林道はスタートが加波山ではなく道祖神峠であることがわかりました。
ベースにした筑波山口駅からはちょっと遠いですが、このGWは兎に角山に登りたくて仕方がなかったので、えいやとキメてきました。
新緑が気持ち良い筑波山。
今まで冬に来ていた風景とまるで異なり色鮮やかです。
不動峠の工事が長引いていて北筑波に抜けるにはこの筑波山の風返し峠を登らないといけません。
今思えば、それが判断ミスだったとおもいます。
MTBでのヒルクライムは。。。
とてもキツイ!
ヒルクライムレースでたれている時、MTBに抜かれるときがあります。
ヤロー、そんなデカいギアで登りやがって、外道が!
と本気で思っていましたが、すみませんでした。
MTBで速い人は、ロードのそれとは比較にならないほどキツイんです!!
タブン、あれは人間じゃないんです。そうでないと説明できません。
いや、その方が納得なんです。
どうも足をくるくる回して登るスタイルは性に合わず、MTBでもトルクをかけてガシガシ登るのですが、重いんです!
風返し峠からは、市川坂を下ります。
ロードなら怖い下りですが、MTBだと何も感じません。
安定の油圧ディスクブレーキのおかげで鼻歌歌いながら下ります。
途中の景色が美しい!
さ、筑波山をやり過ごすと、次は道祖神峠までのリエゾンです。
ロードならなんてことない距離ですが、MTBだとしんどい距離です。
MTBにまだ慣れていない私は、どうもどこまで頑張ればよいのか?わからないのです。
ロードの感覚で35km/hくらいで走ろうとすると、250~300wくらいの出力を常に求められ、最初は我慢できますが、それが10分もたつと持ちません。
L6で走り続けるので、それは当たり前です。
ただ、どうにもそれを図ることができず、つい無理をしてしまいます。
タブン、MTBはそんなに頑張らなくてもよいのです。
どうもその塩梅がつかめず、出し過ぎてしまうのです。
おお!昭和の香りがプンプンする素敵な建物。
と走っていると、道祖神峠の登りに差し掛かります。
ちょっと熱さとオーバーブッキングでたれ気味なところが気になります。
水は半分残っていますが、足りるかな?
登りにある善光寺にて、なんて美しい門なのだろう?
そしてその奥に伺えるお寺さんのなんて壮大さなのだろう!
さ、この道祖神峠と言うのが曲者でした。
キツイ・・・
道祖神峠を攻略した時には完全に足が終わっていました。
タブンこの先は稜線だからそんなに登りはない?
なんて計算違いも良いところです。
このころから、水が底をつきかけていました。
水をがまんして調整するのですが、この暑さと登りのきつさで、この後の行程を考えると持たないような気がします。
林道に入ってすぐにグライダーのジャンプ台がありました。
写真から感覚が伝わりませんが、こわい!
ここでパラシュートが開かずに名誉の戦死を遂げられた方もいるんじゃないか?
なんてよからぬことを考えてしまいます。
ここからがしんどかった。
明らかに脱水状態にありました。
過去、北アルプス北部を縦走中に水が底をつきて、フラフラと水を探し求めていた時を思い出しました。
北アルプスの沢の水は、ほとんどが汚染されているので飲めません。
水の音がするのに、渇きでフラフラ。たしか、水が底をつきてから2時間歩いてやっと水にありついたと記憶しています。
脱水になると体が動かなくなります。
まさに今その状態でした。
やがて?
板敷峠と言う峠につきました。
ここは日蔭なので渇きを抑えることができました。
この後下り、北筑波稜線林道を構成する次なる丸山林道に入る手前、民家が見えたときは助かったと思いました。
が、自動販売機は見当たりません。
天は我を見捨てたか?
後は落ち武者のごとく、加波山を登っていました。
いや落ち武者というかここまでくると、南の島で補給を断たれた日本兵です。
というか、まだ登るんですか?
一体、どれだけ登るんだろう?
そんな事ばかり考えていました。ちょっと危ない状態です。
つづら折りの登りで斜度がきつい時、パワーをかけようとすると大腿四頭筋が攣りそうになります。こりゃ結構来てます。
もうだめだ・・・
背に腹は代えられない。
水が出ている沢を見つけて、水をくむことにしました。
この上に、山小屋はないはずだ。
なら大丈夫だろう。このまま脱水で危険な常態になるよりは、腹壊した方がましだ。
ということで水をGET!
丁度そこには神社がありました。
山の神様。私を助けてくださり、ありがとうございます。
して、この水ですが、つめったくて、美味しいんです。
残りの行程はこの水で走れました。
しかし、私は完全に終わっていて、残りの行程はほぼ惰性で進むばかり。
下界から見えていた丸山の風力発電所です。大きいなぁ~
峠を一つ挟んであの有名な一本杉峠まで来ました。
この先、上曽峠までの道は登りでした。
もういい。。。
沢山だ。
悩みに悩みました。上曽峠から湯袋峠までは行ったことがあったのと、このまま湯袋峠に行くと、結局風返し峠まで登らない帰れないので、うんざりです。
危険だと調べていた、県道218号線を真壁に降りる決心をしました。
ここまでMTBできて、ダートを走らないで帰るのもなんですし、
危険とは言っても、それは車とかオフロードバイクでの通行であって、幕張のコースでならしていた私にはそれほど行けない道ではないのではないか?
という過信がありました。
ここでいっぱしなMTB乗りになれる。。。
そんな思いもあり。いざ!
シャドー、ON!
ふふふ行くぞ、ふふふふ
って走り始めからこれです。
これは調べていた通り、これ県道ですよ!
って、別に乗車で行ける。
余裕だ。
とルンルンですすんでいたのでした。
が!
なんじゃこりゃ?
は?
みち、川?は?
しばらく、私は自分の判断が失敗であったことにどうにも歯がゆい気持ちで立ち尽くしていました。
先ほどまであった4輪のタイヤ痕もなくなっていました。
流石にこれはむりなのでしょう。
しかし、MTBは担ぎで行ける!
この先にももっとひどいのが出てきて、これは遭難だよ。。。
なんて独り言ぶつぶつ言いながら川となった道を渡渉し、岩をヤジ登り、もう後戻りできないところまで来てしまいました。
その先は道の痕というよりは、川、沢でした。
沢を走る下るなんて、遭難者の行いです。
おかしいぞ。そう思って現れた「乾いた道」に舵を切るのですが、そのまま登り始めてしまいました。
これは違う。。。
また引き返して沢を下ります。
去年はレースで落車に巻き込まれ、今年はついに遭難か。ふっ
と思うも、なんか開けてきて採石場がでてきました。
採石場があるなら、このまま下れるはず。
無事県道218を走破しました!
MTB最高!
靴も、バイクも泥だらけですが、無事に人がいるところに帰ってきたので今となればそれも勲章です。
ハードな砂利道をずーと下っていましたが、
サスペンションのセッティングも問題なさそうです。
面白かった!
ナイナー、確かに走破性ありますね。
こんな道も、行けましたよ。
残りの行程はりんりんロードで。
ハンガーノック、脚の終了、脱水。いや~なんもいえねぇ。
エスケープにまさか険道を使うとは思ってもいませんでしたが、これでなんちゃってMTBのりから本物のMTB乗りになりました。