タイヤチェーンの使い方・おすすめ商品

2021年12月1日

タイヤチェーン

スタッドレスタイヤを用意するのは出費が多くて辛い、でも万が一雪が降ったときにはやっぱりクルマを使いたい。それならばタイヤチェーンを使えばいい……と思う方も多いでしょう。では、タイヤチェーンはどんなタイプを用意すればいいのでしょう? また、クルマやホイールとの相性あるのでしょうか?

タイヤチェーンにはさまざまな種類がある

ひとことでタイヤチェーンといってもその種類はさまざまです。タイヤチェーンとしてもっとも歴史が長いのは、ずばりその名のとおり金属の鎖でできているものです。金属チェーンはハシゴ型と亀甲型の2種に大別されます。

ハシゴ型チェーンはトレッドに対して真横にチェーンが配置されるようなタイプ、亀甲型チェーンはトレッド面に菱形の亀甲状にチェーンが配置されるようになっています。チェーンはトレッド面だけでなく、サイドウォール部分にもぐるりと配置され、雪やぬかるみが深い場合はこのサイド部分も作用します。ハシゴ型チェーンのなかにはJIS規格を満たしたものもあり、それらはJISチェーンと呼ばれることもあります。

非金属チェーンと呼ばれるものはゴムやウレタン樹脂などをメインの素材に使い、路面との接触面には金属パーツを取り付けることで氷雪路のグリップを確保します。非金属チェーンのトレッド面は亀甲状になっているタイプか、ネット状になっているタイプかのどちらが多くなっています。

新しいチェーンとして注目を浴びているのが布製チェーンです。布製チェーンは、布でできたカバーをタイヤにすっぽりと被せてしまうタイプのものです。イメージとしては布でできた大きなシャワーキャップをタイヤに被せる姿を想像するとわかりやすいと思います。

SUVというよりクロカン4WDならば金属チェーンがマッチする

タイヤチェーン 金属チェーン

金属チェーンは振動が出やすいこともあり、とくに低い速度で使うのに適しています。アイスバーンのグリップという面では最強といっていいほど強いことが特徴です。

ラダー型チェーンは前後方向のグリップが強く、亀甲型は前後方向に加えて横方向のグリップを与えたものとなります。金属チェーンはサイドチェーン部分も金属チェーンとなるので、アルミホイールやフルホイールキャップがついたスチールホイールに装着するとアルミホイールやホイールキャップが傷だらけになってしまいます。金属チェーンはホイールキャップを外したスチールホイールに装着するものと考えておいたほうがいいでしょう。

もっとも適しているのはタイヤのハイトが高いクロスカントリー4WDなどです。よく国産車はホイールハウスのクリアランスが大きくてかっこ悪いといわれますが、じつはこれは金属チェーンが装着できるようにしているからです。つまりホイールハウスのクリアランスが小さい(狭い)クルマには金属チェーンは装着できないことがあります。輸入車のセダンなどはホイールハウスのクリアランスが小さいものが多いので注意して下さい。また、金属チェーンは余ったチェーンの部分を針金で固定するなどしないと、チェーンがボディを叩いてキズだらけになることも多いので注意しましょう。

クロスカントリー4WD用のタイヤチェーンとして高性能で知られるのが、特殊合金製亀甲タイプ タイヤチェーン 雪道楽 RVです。価格は2万円弱と金属チェーンとしては高めですが、浸炭焼き入れした15mmのリングチェーンを使うことで、高い耐久性を確保しています。

今の主流は非金属 そして布製もずいぶん地位をアップ

普段使いのタイヤチェーンとしてはやはり非金属チェーンが主流です。前述のように非金属チェーンには亀甲タイプのパターンを持つものと、ネットタイプのものがあります。数ある非金属亀甲タイプのなかでも扱いやすいのがカーメイトから発売されているバイアスロンです。両輪で108本のマカロニタイプのピンを装備するとともに、独自のクイックロック機構を採用することでジャッキアップせずに取り付けが可能となっています。筆者もバイアスロンの装着を行ったことがありますが、説明書を読んだだけで簡単に装着することができました。サイズによって価格は異なりますが、2万5000円~3万円程度となっています。

布チェーンのなかで有名なのがオートソックという商品です。オートソックは北欧のノルウェーで生まれた製品で、北欧や欧州、そして日本でもその高い性能が評価されています。オートソックは収納時は厚みが8cmのA3用紙程度と金属チェーンや非金属チェーンに比べるとはるかに小さく、重量も1kg程度しかありません。使用時はタイヤに被せて走り出すと自然にタイヤに巻き付いてくるという簡単なものです。氷上、新雪、シャーベット路で使ったことがありますが、いずれもしっかりとグリップしてくれます。約150kmの耐久性があるとのことなので、いざというときにラゲッジルームに積んでおくにはピッタリの製品といえます。オートソックは8000円前後で販売されています。

どのタイプのチェーンでも使用後のメンテナンスが大切です。基本は水洗いで汚れをよく落としましょう。積雪のある場合は塩化カルシウムなどの融雪剤がまかれていることも多いので、とくに金属部分は念入りに水洗いします。水洗いの後、金属部分には給油をしておくことが大切です。金属チェーンの場合はエンジンオイルなどを全体にしっかりと浸しておいたほうがいいでしょう。水洗いしたままだと真っ赤に錆びてしまいます。布製チェーンは陰干しで乾燥させてしまうだけで大丈夫です。

諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 日本自動車ジャーナリスト協会(外部リンク)
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

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