持っていると便利!油圧ジャッキの選び方、おすすめも

2022年1月14日

ガレージジャッキ 油圧ジャッキ フロアジャッキ

タイヤ交換をはじめとして、クルマいじりをするようになるとジャッキでクルマを持ち上げる機会が増えてきます。そんなときにもっていると便利なのが油圧ジャッキです。パーソナルユースで使いやすい油圧ジャッキの選び方と、使い方を紹介します。

車載ジャッキと油圧ジャッキの違いは?

車載ジャッキ
 

車載ジャッキはスクリュージャッキ(ネジ式ジャッキ)です。

スクリュージャッキはギヤ比によって、小さな力でクルマを持ち上げることができる原理です。スクリュージャッキには、横方向に長いネジがあり、そのネジをグルグルと回すことでクルマが持ち上がっていきます。スクリューが2cm動くとクルマが1cm持ちあがる(あくまでもたとえで数値は正確ではありません)という感覚です。

さらにそのスクリューを回すハンドルはL字型をしていて、テコの原理が働いてさらに操作力が軽くなっています。とはいえ、ハンドルをグルグル回すのはけっこう大変で、回している間にバランスを崩したりすることも多くあります。

フロアジャッキ
 

一方、油圧ジャッキはパスカルの原理を使った装置で、小さいピストンと大きいピストンを油で連結しています。

小さいピストンの面積と大きいピストンの面積が4倍だった場合、小さいピストンを4cm動かすと大きいピストンは1cm動きます。一方で、小さいピストンを10kgで押すと大きいピストンには40kgの力が発生(これもあくまでもたとえで数値は正確ではありません)します。油圧ジャッキも直接ピストンを押すのではなく、ハンドルを用いて押すので、テコの原理が働き小さな力でクルマを持ち上げることができます。

スクリュージャッキはグルグルとハンドルを回さないとなりませんが、油圧ジャッキはハンドルを押し下げるという操作になります。この操作では体重を掛けて作業ができるため操作が楽です。

またスクリュージャッキはジャッキを下ろす際にもハンドルをグルグル回す必要がありますが、油圧ジャッキの場合はリリースバルブを緩めるだけでジャッキを下ろすことができます。

2輪を同時に持ち上げられるガレージジャッキ

ガレージジャッキやフロアジャッキの名前で呼ばれるジャッキは、爪切りのような動きでクルマを持ち上げます。

車載ジャッキのようなパンタグラフジャッキは、ボディサイドのジャッキアップポイントでのみ使えますが、ガレージジャッキはジャッキアップポイントのほかにも、サブフレームやデフなどをジャッキを掛けて持ち上げることで、前2輪や後2輪を持ち上げることができます。

ガレージジャッキはサイズが大きいほど耐荷重が大きく、持ち上げられる高さが高くなるのが一般的です。セダンやクーペなどは小さなガレージジャッキでも使えますが、SUVなどでは大きめのガレージジャッキでないと対応できないこともあります。また、車高の低い場合は下げたときにかなり低くなる低床タイプが必要です。

最低位が90mmと低床でありながら、最高位375mmと高い位置まであがるタイプ。耐荷重も2.2トンと大きいガレージジャッキもあります。

狭い場所でも使いやすい油圧パンタグラフジャッキ

ガレージジャッキはジャッキそのもののサイズも大きいため、クルマの周囲にある程度の広いスペースが必要になります。ジャッキそのものの長さに加えてハンドルの長さもあるため、コンパクトなタイプのものでも1m程度の余裕がないと使いづらくなります。そうしたときに便利なのが、油圧のパンタグラフジャッキです。

油圧のパンタグラフジャッキは、ジャッキ本体の動きそのものは車載のスクリュージャッキと同じですが、操作は30cmくらいのハンドルの押し下げなので横方向が狭い場所でも使い勝手がよくなっています。パンタグラフジャッキはボディのサイドシル下にあるジャッキアップポイントに掛けてジャッキアップします。

 

ガレージジャッキでもパンタグラフジャッキでも、車高が極端に低いクルマの場合はスロープを使うことでジャッキを入れ込むことが可能になります。また、オイル交換などでエンジンルーム下に余裕が欲しい場合は、車種によってはジャッキアップせずとも、スロープに乗せるだけで作業が可能になることもあります。

この場合はスロープに乗せて、クルマが動かないようにパーキングブレーキを作動させ、ATならばPポジション、MTならばRポジションにしたうえで、後輪の後ろ側に輪止めを掛けます。

 

 

ジャッキアップ後にクルマの下に入り込んで作業する場合は、必ずリジッドラックというものを使います。ジャッキは基本的に不安定なもので、いつ外れてもおかしくないと思って下さい。プロのメカニックでも何人もが失敗をして大怪我をしています。

リジットラックを使うためには、ガレージジャッキが必要です。ガレージジャッキで前2輪や後2輪を持ち上げて、ジャッキアップポイントにリジッドラックを置いてそこにクルマを乗せます。

基本は4カ所にリジットラックを設置してクルマを安定させて乗せることです。前側のみ、後ろ側のみをリジットラックに乗せての作業は、経験を積んだプロが2人以上いるときにのみ行えるものと考えましょう。

諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 日本自動車ジャーナリスト協会(外部リンク)
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

タイヤホイール関連用品に戻る

マイページでカーライフを便利に楽しく!!

ログインするとお気に入りの保存や燃費記録など様々な管理が出来るようになります

まずは会員登録をしてはじめよう

カーライフ 記事カテゴリ

注目タグ

最近見た車

最近見たクルマはありません。

ニュース