2022年クルマカスタム業界の新たなトレンドは?

2022年2月14日

TAS 東京オートサロン フェアレディZ

クルマカスタム業界のトレンドをいち早くつかむことができるのが毎年1月に開催される東京オートサロンです。新型コロナウイルスのまん延によって、2021年は中止になってしまったものの、2022年は無事に開催されました。その東京オートサロンを見て感じた2022年の傾向を報告します。

多様化が進むクルマカスタム

東京オートサロンは1983年に開催された東京エキサイティングカーショーにルーツがあります。

元々がチューニングカーやレーシングカーを展示するショーでしたが、近年は内外の自動車メーカーをはじめ、さまざまな業種の展示が目立つようになってきました。来場者もチューニングカー好きばかりでなく、さまざまなタイプのクルマに興味のある方々が多くなってきています。

2022年の東京オートサロンはとくに多様化が進んだように感じました。もちろんショーの中心となっているのは走り重視のチューニングカーですが、それ以外の方向性のものも多数存在していました。

全体像としてはより実用性、より機能性を重視したチューニングやカスタムにシフトしつつあるということでしょう。

現代のユーザーはあれもこれも……というようにあらゆる機能を求めるというよりも、自分の求める方向や使いたい方向などをしっかりと見定めて、それに合ったチューニングやカスタムを求めているようです。

数多くの提案があった車中泊モデル

東京オートサロン 車中泊
 

今回の東京オートサロンの隣接する会場ではTOKYO OUTDOOR SHOWが開催されていました。こうした影響も少しはあったのかも知れませんが、オートサロンの会場には多くの車中泊モデルが展示されていました。

車中泊モデルは大きく3つの傾向に分かれていました。

1つはルーフテントを使うものです。これはルーフキャリアの上にテントを載せてそのテントの中で宿泊するものです。ルーフテントタイプだけでなく、ポップアップルーフといってクルマの屋根部分が開いて就寝スペースをアップするものも多く見かけました。なかにはヒストリックなモデルもあり、それらも大きく注目されました。

もう1つは軽自動車をベースとする軽キャンパーで、こちらは自動車メーカーも積極的に取り組んでいます。

最後はハイエースベースのモデルで、ハイエースという圧倒的なユーティリティスペースを持つモデルをベースにした車中泊モデルの注目度はかなり高いものとなっていました。

ノスタルジックなモデルと最先端のEV、ワークス系の活発化

TAS 東京オートサロン フェアレディZ カスタム
 

2022年の東京オートサロンのなかで最大のイベントとなったのが、日産の新型フェアレディZの発表でした。

プレスカンファレンスの際には長い行列ができ、その後もフェアレディZを見るために多くの来場者が日産ブースを訪れていました。そのZはいえば最新モデルでありながらも、初代フェアレディZの面影を感じるノスタルジーにあふれたモデルでした。

一方、多くのブースでヒストリックなモデルが展示されました。実際に年期の入ったモデルもあれば、昔のモデルを彷彿とさせるようなドレスアップを施したモデルも多くありました。

注目なのは後者です。本当に古いモデルはその維持も大変ですが、ヒストリックな架装を施したモデルは中身は新しいのですから、維持も楽というわけです。

TAS 東京オートサロン EV

現段階で最先端、そして現実的なモデルと言えば電気自動車、EVです。

以前はEVといえばとにかく環境問題ばかりが取り沙汰されましたが、クルマ好きはそれだけでは納得しません。今回のオートサロンでは三菱自動車から軽自動車EVが発表されたこともあり、EV関連の注目度も高くなっていました。

そうしたなか、ブリッツや尾林ファクトリーが日産リーフのカスタムを展示。ホンダアクセスがホンダeのドラッグレーサーを展示するなどカスタマイズされた電気自動車関連の展示も目立ちました。

そして見逃せないのがワークス系の活発化です。

トヨタは2018年にトヨタテクノクラフト(TRD)とモデリスタインターナショナル、ジェータックスを統合してトヨタカスタマイジング&ディベロップメントという企業として競争力をアップ、日産もニスモとオーテックジャパンの統合が予定されています。

そして今回の東京オートサロンに先だって三菱がラリーアートブランドを復活させることを発表、オートサロンでその存在をアピールしました。今後、ワークス系のチューンアップ&カスタマイズが盛り上がることは必至で、純正チューンが拡大していくことは見逃すことができない大きな波となることでしょう。

諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 日本自動車ジャーナリスト協会(外部リンク)
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

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