【5G通信とクルマ】ぶっちゃけ5Gでクルマって変わるの?

2020年7月21日

5G 自動運転

モバイル通信の進化は非常に速いもので、自動車電話の時代から40年で動画など大容量のデータ通信ができるまでになりました。そうしたなか、最大の注目となっているのが次の通信基準である「5G」です。今回は5Gがクルマに及ぼす影響について考えます。

そもそも5Gとは?

5GのGはジェネレーションの意味で、第5世代を表しています。

何の第5世代かと言えば、それは移動通信システム、つまり携帯電話やスマホ、車載のデータ通信機器などの無線通信システムの世代が第5世代になるということです。今、皆さんが使っている端末はほとんどが4G(第4世代)です。5Gは4Gに比べて、10~100倍の通信速度をもち、実効速度も10Gbpsとも言われますので、光通信並み、条件によってはそれ以上となることも考えられます。


5Gの導入はスマホで超高画質の動画などがサクサク見られるようになるのはもちろんですが、クルマにもさまざまな影響を与えるといわれています。今、自動車メーカー各社はコネクテッド(通信接続)の開発に大きな予算をかけています。クルマもインターネットの影響を大きく受ける時代になってきているのです。

精度の高い地図や情報がナビを飛躍的に進化させる

カーナビ

例えば身近なところでは、5G通信は大容量のデータを高速で送受信することができるため、カーナビに使う地図データなども、より高精細なものをインターネット経由で取得できるようになるでしょう。

また、多くのクルマが走行情報や渋滞情報などをアップロードすることで、ナビゲーションの精度が向上し、空いている道への誘導などがより正確に行えるようになるはずです。こうした機能の実現には、集められた膨大な情報を処理するコンピューター側のパワーも求められていて、量子コンピューターの実用化などにも期待がかかります。

実は自動運転の実現にも5Gは不可欠

今話題の自動運転にも、5Gや、その次の世代の6Gの通信技術が不可欠です。車線を維持して速度を保ちながら走るACC(アダプティブクルーズコントロール)やレーントレーシングなどの機能は、現時点では基本的にはクルマがカメラで車線を読み取り、ステアリングを操作しています。


例外として日産 スカイラインの「プロパイロット2」は地図データを併用して従来にはない高精度を実現していますが、地図データが古いとクルマは状況を正確に把握できません。本格的に自動運転を実現するには、地図データがリアルタイムに更新されなければなりません。工事や事故の情報、速度や車線規制、一時停止などの情報も必要。こうした膨大なデータをオンデマンドで瞬時にやりとりするためにも、5G以上の通信速度が求められているのです。


自動運転の実現については懐疑的な意見もありますが、データ通信量が増えて規制情報などをクルマが正確に把握できれば、右折禁止を間違って曲がってしまったり、スクールゾーンの時間帯に知らずに進入するようなことは避けることができます。運転の主導権はドライバーが握っていたとしても、情報量が増えるメリットは非常に大きいのです。

諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 日本自動車ジャーナリスト協会(外部リンク)
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

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