凍ったフロントガラスを解氷するために?【熱湯をかけてはいけない!?】

2020年12月16日

フロントガラス 解氷

冬場に一晩クルマを駐めておいたらフロントガラスが真っ白…という経験はありませんか? そのまま走り出すわけには行かないし、エンジンをかけてヒーターを効かせてもなかなか溶けてくれません。そんなときはどうすればいいのでしょうか? そもそもウインドウを凍らせないようにするにはどうすればいいのでしょうか?

凍ってしまったらどうすればいいか?

フロントガラス 解氷

フロントガラスが凍り付いてしまった場合は、解氷剤と言われる専用のケミカルを使うことで簡単に溶かすことができます。解氷剤の主成分であるエチルアルコールの凝固点はマイナス100℃以下なので、凍りついたガラスに吹き付けると解氷されるというわけです。解氷剤は200円強程度から販売されています。ガラスの氷が解けたら、スクレーパーで削り取るとより効果的。スプレーのキャップがスクレーパー状になった製品もあります。

絶対にやってはいけないのが熱湯をかけること。熱でガラスが急激に膨張して割れる可能性があります。再凍結の恐れがなければぬるま湯をかけて解かすという方法もありますが、温度差が大きいときはやはりガラスにダメージを与える可能性があります。ぬるま湯は再凍結しやすく、ガラスに薄い氷がびっしりと貼り付いたような状態になると、溶かすのは大変なので避けたほうが懸命でしょう。

フロントガラスはどうして凍結するのか?

フロントガラスが凍結するのは露天に駐車している場合です。隣り合った駐車場に駐めているクルマでも、屋根なしの駐車場ではガラスが凍結し、屋根ありの駐車場ではしません。屋根があってもなくても気温には差はありません。じつはフロントガラスが凍るのは、フロントガラスに霜が降りるからなのです。屋根があればフロントガラスは凍りませんし、垂直近くに配置されるサイドガラスなども凍らないのです。駐車する際の向きもポイントです。凍ったガラスも日の出とともに日光が当たるとあっという間に解けることが多いのです。ですので、できれば東向きにクルマを止めるのが効果的です。

ガラスの凍結を防ぐには、フロントガラスにカバーを掛けてあげればいいのです。ボディカバーでもかまいませんが、フロントガラスだけをカバーするものでも実用上は問題ありません。フロントガラスカバーならば、かけるのも外すのも楽で、サイズも小さいので収納性も良好です。フロントガラスカバーは1000円程度からと価格も手軽です。

ガラスの撥水コーティングが除去されることもある

撥水(はっすい)コーティングが施されているガラスに解氷剤を使用すると、アルコールで撥水コーティングがはがれてしまうことがあります。とくにシリコン系の撥水コーティングはアルコールではがれやすいということなので、解氷スプレーを使う機会の多い人はフッ素系の撥水コーティングを使うか、撥水効果のある解氷スプレーを使うといいでしょう。

解氷剤はアルコールなのでボディに付くとシミになる可能性もあります。といってもウインドウウォッシャー液の主成分もアルコールなので、あまり神経質になる必要はありませんが、必要以上にボディに掛かるような使い方はしないほうがいいでしょう。また、アルコールをスプレーするので火気には注意しましょう。


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諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 日本自動車ジャーナリスト協会(外部リンク)
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

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