今更聞けない発炎筒!使い方はバッチリ?車載義務は?

2021年6月21日

使う機会は少なくても覚えておきたい

助手席の足元あたりに装備されている赤い筒がなんの道具か?そして、どうやって使うかご存知でしょうか?これは「発炎筒」といって、事故や故障などでクルマが止まってしまったときなどに、後続車に危険を知らせるためのものです。ふだんは使うことのない発炎筒ですが、まさかのときは使えないと困るもの。発炎筒の使い方と、注意点を解説していきます。

この記事のPOINT
発炎筒使用時は周辺を確認すること
純正品以外でも規格に合う便利な発炎筒が存在する

その名のとおり炎で危険を知らせる

発炎筒はその名のとおり、炎を発生させて後続車に危険を知らせます。発炎筒の仕組みは花火のようなものですが、普通の花火がマッチなどで火を点けるのに対して、発炎筒にはマッチの機能があらかじめ備わっています。

使い方は簡単で、発炎筒のケース(筒)のキャップを外すと発炎筒本体が出てくるので、本体とキャップを合体させ全長を伸ばします。本体の火薬部分と、キャップの擦り火薬部分をマッチの要領で摺り合わせると発火して発炎が始まります。発炎筒は止まっているクルマの後方50m程度の位置に置くことが薦められています。

燃えやすいものの近くで使ってはいけない

有事の際に使えますか?

発炎筒は炎を発するため、火気厳禁の場所での使用は危険です。また、事故や故障でガソリンやオイルが漏れている場合に、近くで使用するのも危険です。

暗い場所などではそれらが漏れているか確認できないこともあるので、クルマから離れた場所で点火作業を行う必要があります。クルマから離れていても、服などにガソリンが染みていると危険なので、身の回りの臭いにも気をつけましょう。枯草の多い場所など、引火の危険性がある環境のときも使用を避けるべきです。

また、トンネル内での使用は控えるように指定されています。これは発炎とともに煙が発生(とくに昼間は煙が危険を知らせる信号として有効)してしまうため、トンネル内の視界を悪くしてしまう可能性があるからです。

発炎筒以外でもOK?車検のときに必須って本当?

クルマに搭載される発炎筒の正式名称は 「自動車用緊急保安炎筒」で、非常用信号用具の一種です。非常用信号用具は点滅する赤い信号灯(規格に合致していることが条件)でも代用できます。輸入車などは発炎筒の代わりに信号灯を搭載していることも多くなっています。夜間200mの位置から確認できることなどが条件で、信号灯もその条件を満たしていますが、視認性は発炎筒のほうが高いようです。ただし、発炎筒はトンネル内での使用を控えるようにとされているので、こうした場合は信号灯のほうが使い勝手がいいことになります。

発炎筒のなかには多機能のものもあります。水没時などクルマのドアが開かず、ウインドウも作動しない際に、サイドウインドウを割れるようにキャップ部分に硬い金属突起が付属したものや、シートベルトを切るためのカッターが付属したものなどもあります。

保安基準には発炎筒の有無は定められていませんが、クルマを運用するには発炎筒が必要なので、しばしば車検時にチェックされます。とくにディーラーや整備工場は有効期限(4年)も含めて発炎筒の有無を厳しくチェックするため、交換が必要な場合は部品代の請求を受けます。ディーラーで購入(1000~2000円程度も見られる)するよりもカー用品店で購入(500円程度)したほうが安くなることが多いので、 事前に交換しておくと車検費用が抑えられます。未使用の発炎筒をそのまま廃棄するのは危険なので、購入予定の店で回収してくれるかを確認しておくとスムーズでしょう。また、自治体などによっては指定場所への持ち込みで対応してくれる場合もあります。

諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 日本自動車ジャーナリスト協会(外部リンク)
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

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