ブレーキパッドの交換タイミングは?確認の仕方やセルフ交換について解説

2021年7月7日

ブレーキパッド交換

クルマのパーツで消耗品といえば、タイヤ、ワイパーブレード、エンジンオイルやオイルフィルターなどなどさまざまなパーツが存在しますが、そのなかでも重要なパーツのひとつがブレーキパッドです。ブレーキパッドはどれくらい減っても大丈夫なのでしょうか? また自分で点検したり交換したりできるものなのでしょうか?

この記事のPOINT
ブレーキパッドの使用限界は磨耗材の残りが1mm程度の状態
交換タイミングは新品ブレーキパッド磨耗材の半分ぐらいの厚さ

新品の半分の厚みでパッド交換するのが理想

ブレーキパッドはベースとなる部分(圧力板、裏板、裏金などと呼ばれる)に、摩擦材を貼り付けた構造となっています。この摩擦材がブレーキローター(ブレーキディスク)に押しつけられることで、制動力を得ています。車種や製品によって異なりますが、摩擦材は10mm程度の厚さがあります。使用限界は摩擦材の残りが1mm程度と言われています。

タイヤは残りの溝の深さが浅くなるとウエット性能などがダウンしますが、ブレーキパッドも厚みが少なくなると性能がダウンします。ブレーキは運動エネルギーを熱エネルギーにして大気に開放するというシステムです。ブレーキパッドが薄くなると、パッドの体積が減るのでそれだけ受け入れられる熱量が減ります。また、熱を発生するパッド面とパッドを押すピストンとの距離が近くなり、熱がピストンに伝わりやすくなります。この熱の伝わりやすさはすべての部分に影響するのでゴム類やブレーキフルード(ブレーキオイル、ブレーキ液)の劣化が早まります。

理想は新品の半分の厚みで交換すること。とくに高速走行が多い場合は早めの交換が必須です。1万kmで半分減ったからあと1万km使える、ということはまずなく、残厚が減ると加速度的に減りも早まります。

ブレーキパッドの減り具合はどうやってチェックする?

多くの場合、ブレーキパッドには摩耗を知らせる機構が備わっています。単純なものはウエアインジケーターと呼ばれる金属のツメがパッドに装着されていて、ブレーキパッドの残り厚さが一定以下になると、ツメがローターに接触してキーキーといった不快な音を立てて警告します。何の知識もない人でも、ブレーキを踏むと変な音がするので、整備工場に持っていこうという気持ちになるというわけです。

電気式センサーを使っているタイプの場合は、パッドのサイド面にセンサーが取り付けられたり、パッドの内部にセンサーを埋め込んであり、パッドの減り具合を検出するようになっています。パッドがある程度減るとメーター内の警告灯が点灯したり、交換までの距離を算出して表示するなどします。

ウエアインジケーターやセンサーがないタイプのものは、ホイールの間やホイールを外すなどして、パッドを直接目視し、残りの厚みを確認することになります。

ブレーキパッド交換のDIYは専門知識が必要

ブレーキパッドの交換をアマチュアがDIYでできるかどうか? これはイエスでもあり、ノーでもあります。作業する人のスキルがどれくらいあるか? で異なります。

また、ブレーキはいくつかの種類があり、その種類ごとに作業方法が異なります。同じディスクブレーキでも、シングルピストンと対向ピストンではまるで作業方法が異なることもありますし、リヤのパーキングブレーキ内蔵タイプもまた作業方法が異なります。

自分で作業をしたいのであれば、きちんと作業できる人に一度教わることをオススメします。何しろ、相手はブレーキです。間違った作業方法で壊れたり、作動しなくなったりしたら大事件になります。また、ブレーキキャリパーを外して交換をするものは分解整備に当たります。自分のクルマは資格がなくても分解整備できますが、他人のクルマを分解整備するのには資格が必要です。できるからといって、安易に行ってしまうと、法規に触れる可能性があるので注意しましょう。

諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 日本自動車ジャーナリスト協会(外部リンク)
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

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