オートバイの大半が海外生産になって久しい昨今。
現在の相棒LEAD110も中国五洋ホンダで生産されたSCR110を国内向けに仕立て直したもの。
グローバル車戦略の一環でSCR110は、アジア圏で人気のスクーターでした。
海外番組、特にベトナムの画像には大量のSCR110が観られることがあります。
LEAD110は基本構造はSCR110と一緒です。
ただ、製造過程において品質チェック等も含めて、生産ラインは中国、アジア向けと日本向けには厳密に差はあると聞きます。
ヘッドライトのバルブなど小さなパーツも違うようです。
LEADを選んだのは旧来依然としたスクーターらしさと大きさから。
デザインやスタイリングの斬新さならヤマハのシグナスXですが、肩の力を入れずにトコトコ走るにはLEADの方が合っているからです。
それと、中国で使用されることを考えたら、エンジン、シャシの耐久性は必然的に高いと考えました。
大陸でトラブルが発生したら大変ですから、そこそこのタフさは兼ね備えてあるだろうと。
ヘッド部を水冷で冷やす水冷エンジンもスクーターとしては高級感ありますしね。
そんなこんなで乗り出して23,000kmノントラブル。
唯一オイル消費が早いようで定期的な交換と補充が必要です。
ちなみにオイルフィルターは装着されていません。
オイル管理さえ気を遣えばかなり走ってくれそうな気配はします。
転倒は3回。
派手に転けていますがフレーム、ステアリング、足回り全てダメージはありません。
昔、ヤマハのチャンプで転けた時はステアリングが明後日の方向に向いたものですが、価格も高いだけに造りはしっかりしています。
それと転倒と同時にエンジンは停止。安全装置が働きます。
最初は再始動出来なくて慌てましたが、転倒時にエンジンが自動で停止するようです。
後継車のLEAD110EXはこの機能は外されました。
LEAD110には歴代LEADから受け継ぐブレーキロックレバーがあります。
あまり使わないのですが、坂道などで停止した場合に常にブレーキレバーを握らずにロック出来る機能です。
シート下の収納容量はかなり大きいですが、フルフェイスのヘルメットは二個納まりません。
あくまでも荷物入れとして使い、使いづらいですがシート先端にあるヘルメットホルダーを利用します。
その分、大抵の買い物ではシート下とコンビニフックの併用で対応出来てしまいます。
通勤時は着替えのスーツにノートPCなど積載能力には不満なしです。
LEAD110は登場時にあまりにも遅いと叩かれていました。
加速性能は悪くないのですが、スタートダッシュ時は確かに遅く感じます。
加速を始めるとトップスピードまではかなり快速ですが82kmを超えると伸びません。
これがLEAD110の限界速度域でメーター読み85kmまでしか出ません。
駆動系の影響でしょうがあまり高回転で走るようには出来ていないようです。
むしろ中速でトコトコといつまでも走るように考えられています。
最高速さえ目をつぶれば加速性能も悪くないので、通勤やちょっと出掛けるには良い相棒です。
フロント12インチ、リア10インチの組み合わせは、旋回性が良くて軽快に走れます。
ジムカーナもそこそこ楽しめるスクーターです。
LEADの前は2ストロークのKawasaki KS-Ⅱ改に乗っていたのですが、乗り換えてからの不満はそれ程ありません。
大排気量の2ストから歳を重ねるに従い排気量を落として、今は原付二種が一番マッチしている感ですね。
私にとってはLEADはそれ程悪いところは見当たらないのですが唯一の不満は整備性の悪さです。
スクーターは皆同じようなものなのでしょうが、カバーの脱着に要する時間が勿体無いと感じています。
横着せずにしっかり手を入れるにはシートカバーやボックスを取らないと作業出来ません。
それと海外生産故なのか部品単価が少し高く感じます。
これからLEAD110を購入される方はオイルトラブルの車両は避けましょう。
点検記録簿があるかどうか、試乗させて貰える車種ならエンジン音、駆動系などチェックしましょう。
LEAD110はエンジンそのものがとても静かなので、エンジン音の異常は判りやすいかも知れません。
エンジンオイルが無交換だったり、オイル量が減ったまま乗っているとオイル上がりを発生させてしまいます。
LEAD110はオイル上がりになりやすいので充分チェックした上で購入をお勧めします。