
そろそろ気持ちも落ち着いてきたので
筆を執りましょうか・・・。
それは翌週末に9月のジムカーナを控えた
前週、8月最後の週末でした。
この日の気温はアバルトの外気温表示でこんな感じ。
この時がマジマジとメーター見る最後になるとは。。
最近絶好調だったアバルトの状態を再確認しつつ、
地元の飲食店へ昼食を食べに自宅を出発。
食事後それ以外、特に用事も無かったので帰路へ。
途中、冒頭の写真の外気温で「暑いな~」と
エアコンを全開にしようと操作すると何故か冷風が停止する。
「ん?どうした??」といつもの温度設定に戻すと
再び冷風が出てきたので「帰宅したらチェックするか」と思い、
いつも週末は渋滞するバイパスへ出る交差点へ。
用事も無いから裏道を急ぐ事もないし、渋滞にハマりながら
のんびり帰るか・・・と珍しくバイパス側へ舵を切る。
バイパスに入り2車線の中央側を100数十mノロノロ進んだ時、
突然ホーンが鳴りっ放し状態に!
「何だ何だ!?」と思いつつ、おもむろに社外ホーンボタンを
抜いてみて配線を外すも音は止まらず。
ホーンのショート?ヒューズを抜かないと止まらないだろうと
渋滞の中、ハザードを出した時点で冒頭のメーターが全て落ちるのを目撃。
ハザード点滅は続いているが明らかにおかしいと外に出てみると・・・
ボンネットのあらゆる隙間やダクトから煙が。
慌ててボンネットを開けてみるとヒューズボックスから
掌くらいの小さい炎が出ていて室内にあった日よけ用ハンドルカバーを
使って炎をはたいて消しに掛かるが消し切れないどころか炎が大きくなる。
そこで右手で炎をはたきつつ、左手でスマフォ操作し119番。
場所を伝え、車燃えてるのですぐ来てほしいと話す。
この間に鳴り続けていたホーンも止まった。
で、手に負えないので道路沿いの飲食店に消火器を借りようと
飲食店側を見た時、飲食店の店主とお店の並びにあった
お寺の住職さんが消火器を持って駆けつけてくれて2本使い鎮火。。
2人はずっと鳴り続けていたホーンに異常を感じ外を見たら
炎を出すアバルトが見えて駆け付けたとの事。私は感謝の言葉を何度も繰り返した。
その後、渋滞をかき分けて消防車2台と指令車1台、パトカー2台が現着。
警察が交通誘導、消防がダメ押しの水を出火箇所周辺に掛けて現場検証。
私と消火器持ってきた2人は指令車前で事情聴取。
その際、私は消防士に指摘されて消火活動中に炎に手を突っ込んでたらしく
右手親指付け根~手首にかけて火傷を負っていた事に気が付いた。
すぐに消防士さんが保冷バッグを貸してくれて患部を冷やしながら聴取続行。
アバルトも現場検証が終わり警察が2車線一時全面通行止めにする中、
消防士たちで押して一時場所として貸してくれた飲食店駐車場まで移動。
その段階で場所が地元という事もあり、KSPへ連絡しローダー回収を依頼。
しばらくしてKSPローダーが現着。
いつも整備してくれてた馴染みのスタッフさんが
来てくれて「なんてこった・・・」と。。

初期消火が早かった事もあり、全焼は免れたものの消火剤まみれで
見るも無残な我がアバルト。。
KSPへローダーで向かう道中、スタッフさんと色々話すが
焼けた場所(ヒューズボックスと接続されるメインハーネス)が場所だけに
部品の調達は訳ないが、それを引き直す時間(約半年~1年)と工賃、
それと火災の場合はハーネスの銅線を高熱が伝わってその先の接続機器にも
影響が出ていてハーネスが綺麗に引き直せても走り出したらあちこち不具合が
出てきて延々と修理が続くので酷な話だけど廃車を頭に入れておいた方が良いと。
そうだよね〜、他にどれくらいダメージ負ってるか分からないから覚悟する事に。

KSPへ到着すると他のスタッフや店長達が待っていて・・・
「燃えたと聞いて回収に行かせたけど、思ったよりちゃんとしてる」
と言われ、外からの見た目だけなら廃車になるとは思えないよな~と思った。
そして数日後の平日・・・

建物火災でよくある「出火検証」が車両火災でもあり、
KSPスタッフも検証当日まで現状維持との事でこの日初めて
ボンネットの中を見る事に。
消防からの要請で立ち合いはオーナー(私)、メカに詳しい
KSP店長、保険会社の査定士という面々。

消防士がこの部分は何ですか?と指すパーツを1つ1つ私が説明。

説明した各部に記入したプレートを置いて記録用写真を撮影。

オイルやフルード量まで撮影し最近のメンテから量が変わらない事を確認。
これは油脂類が漏れるなどしてマフラーに掛かる事で出火、
車両火災を起こす要因となるケースが多い為、漏れが無いか確認しているのだとか。
原因追及の為にあらゆる可能性を消去法で潰していくそうです。
あと最後の車検日付や最後のメンテナンス日、直近で何かパーツ付けたか?
なども確認されました。

そしてスタッフの協力でリフトに上げてフロントバンパーを外し
社外ヘッドライトからの出火の可能性を検証する為、
焼けた左側ライトの他、比較の為、焼けていない右側も外す。

もちろん一番疑わしいヒューズボックスも検証するとの事で
私の許可を得てから繋がるメインハーネスを切断。
ヒューズボックス、左右ヘッドライト、バンパーを
消防が持ち帰り、詳細に出火要因を調査するとの事。
約3時間半ほどで当日の検証作業が終了。
その間、保険会社査定士さんとも話してましたが
「明らかに全損ですね。手続きを進めさせていただきます。」
と車両保険の全額適用で話が進む事となりました。
帰宅後、主に専門性の高い重作業でお世話になっているStileのアゲさん(上松社長)にも連絡。
アゲさん「あのアバルトがそんな終わり方!?」と絶句。
一応、直せる手段ある?と確認してみましたが、KSPと見解は一緒でした。
やはり無理か〜。。
更に数日後、調書の確認とサイン、それと「罹災証明書(陸運局で抹消手続時必要)」を
受領する為に所轄の消防署へ。
そこで今回の出火元を特定したとの事で説明を受ける。

先日の検証時、消防では過去例から社外ヘッドライトの
LEDバルブからの漏電も疑いましたが、それは無く
(消化時は昼間で点灯してないし自身で消火していてそこではないのは明白)
ヒューズボックス内のエアコンリレーが一番激しく焼損していてココと特定したそうです。
なので走行中エアコン操作で異常動作があったのも頷けます。
結果、リレーの経年劣化と発熱による周辺樹脂炭化での
トラッキング(ショート)による出火と断定されました。
自治体やメーカーにも報告されるみたいですが、メーカーだって
こんなの前例はほぼ無いだろうからリコールどころか
注意喚起だってされないでしょうね。。
※当ブログを見た方はご注意くださいね。

そして保険手続きや通院をしつつ合間に車両の
ナンバープレートも外して返納もして車両抹消手続を。
少しでも税金を取り戻す為、早めにやっておくと吉。
あと自賠責保険も切っておくと返金あるので良いかと。
※自賠責は保険証書あればスマフォでwebから手続き可で便利。
任意保険も次の車が決まったら再契約になるので
今の契約切って残り期間分を返金してもらいました。
そんな事がありココ1ヶ月半ほどは嫌な事ばかりで
バタバタしていました。。
何とも不本意な最後となってしまいました。。
そんなABARTH500も2009年に新車購入。

当時正規輸入で販売店も日本に4店舗と少なく、最初の輸入は400台。
初期物では皆さん赤ストライプに赤耳(ドアミラーカバー)ばかりの中、
(ボディカラーが赤や黒の人は白ストライプに白耳に)
私は黒ストライプを選択し納車時にカーボン施工したミラーカバーを持参し取り付け。
この時点で東日本の正規では唯一の黒ストライプ&黒耳仕様でした。
(納車翌々日には黒いOZホイールを履かせて唯一無二感をアップ)
以降、様々なイベントで私の車を見たアバルト乗りが「真似します!」と
たくさん声掛けてくれてユーザー交流が広がったのは良かったですね。
そして私と同じライトグレーや白のアバルト達が黒ストライプコーデをにするのが
流行りはじめ、とあるディーラーは限定数の黒コーデ仕様を販売してきて
被る仕様が増えたタイミングで私は現在までのオリジナル2トーン&オレンジ縁や
ピンストライプを使うカラーリングに変更。

このカラーにしたあたりからサーキットとジムカーナ両使いから
ジムカーナに一本化。

サーキットを含めコースジムカーナやパイロンジムカーナで
数々のポディウム(表彰台)を獲得。
車種問わずたくさんの走りの仲間が出来て楽しめました。
特に力入れてたFIAT FESTAでは16年連続出走。
様々なショップデモカーや怪物レースカー達との戦いを繰り広げました。
総合優勝は歴代最多を保持。
※懐かしい9年前の動画(1走目:A.TRUCCOデモカー、2走目:私、3走目:Stileアゲマツさん)
こちらは今年のFESTAの走り・・・昨年までの5年間は車壊れたりと調子悪く、
今年初めから解消されて本来の走りが戻り、まだまだ現役だと思ってたのに。。
毎年、現地でも様々な方に声掛けていただいてました。
また、メーカーさんのパーツ開発なんかにも関わらせて頂き、
OKUYAMAさんとこのアバルト補強パーツは当時の専務さん
(現社長)と取り付けては私がサーキットでテストし
フィードバック、製品版が出来上がるまでお付き合い。
特にアバルト用ストラットタワーバーやトランクバーは
今でもよく売れてる大ヒット商品になったそうです。
FIAT FESTAでも走るデモカーとしてチラシも配り、
メーカーブースでの販売にも協力したり。。
そんなアバルトと30代後半〜50代までを一緒に過ごし・・・

人生の節目にも同席し、アルバムにも収まっています。
事故らしい事故も無い車で車両保険が出たのも今回が最初で最後。
強運も味方してくれてたのかもしれませんが。。

ある方から「国内アバルトのアイコンの1つ」とまで言っていただいた
私にとっては至極のアバルトでした。
最終Spec∶IHIハイフロータービン仕様
212ps/5800rpm
35.2kg-m/3400rpm
新車から16年と少々・・・たくさんの思い出をありがとう!