誰に褒められるためでも認められるためでもなく ー
誰かの笑顔や喜ぶ姿が見たくて、一緒に楽しみたいと思って、自己満足とも云えるささやかな行いを重ねた人たちが咲かせ、実らせたものです。
▼「にわか」ファンがはしゃいでいて恥ずかしい。
▼頑張ったのは選手たちで、お前たちではない。
▼日本代表なのに、外国人ばかりのチームでズルい。
そーゆーこと云ってる残念でひがみっぽい人は、ほっておけばいいんです。
誰かの喜びを祝福し、一緒に喜べる人。
誰かの苦しみを共感し、一緒に悲しむ人。
誰かの困難を、手を携えて一緒に乗り越えようと力をかせる人。
大会が始まる前から、合宿地のホストとして、市民総出でもてなし歓迎し、応援やサポートを続けた自治体の皆さん。
想像を絶する猛特訓や自己犠牲が、日本代表史上初めてのベスト8進出へ導いた「ブレイブ・ブロッサムズ(桜戦士)」たち。
台風通過の後、総力を尽くして試合可能となる会場づくりをしたグランドキーパーや関係者の方々。
台風や水害の被害に遭い、失望の中で生活を立て直そうと奮闘する人々と、手助けをしようと集まってくれる人たち。
盛り上がりに欠けるのではないかと心配された2019年ラグビーW杯を成功させようと尽力してきた関係者。
日本代表ラグビージャージや思い思いの服装で、大声で歌い、声援し、試合会場を盛り上げた観客の皆さん。
「必勝」「日本」の文字と、日の丸や日章旗の鉢巻きをして、自国の応援をしていた外国人観光客のみなさん。
パブリックビューイング会場で、たくさんの人たちと一緒に楽しそうに観戦し、応援していた人たち。
試合会場や自国選手の情報だけでなく、日本や日本人について詳細に取材し、自国で報道していたジャーナリストの皆さん。
そして、家庭のテレビで観戦、応援したたくさんの日本人。
オフロードパスを枕やぬいぐるみでしてみたり、二人で肩を組んで父や母を相手にスクラムで押そうとしていた息子たち。
ラグビーワールドカップ2019日本大会名誉総裁は、秋篠宮殿下。
開会式と開幕戦、決勝戦と閉会式に秋篠宮殿下並びに秋篠宮妃殿はご臨席されました。
名誉総裁になられたお方の照らす光により、大会前から、この大会の成功は間違いないと約束されていたに違いありません。
日本人気質とマッチしているラグビーという競技が、日本人のさり気ない思いやりとおもてなしの精神と共に、世界に日本という国を知らしめてくれました。
幸せな44日間を、ありがとう(人´∀`)アリガトー♪
私たち日本人、そして未来を創る子供たちの中で、掛けがえのない大切なことを記憶させてくれるでしょう。
ウェールズ、北九州に捧ぐ“感謝の全面広告”を掲載 「感動のメッセージ」と話題
THE ANSWER
2019.11.02
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は1日、3位決定戦(東京スタジアム)でウェールズはニュージーランドに17-40で敗れ、4位で終えた。一夜明けた2日、ウェールズ代表は事前キャンプを行った福岡の地元紙に日本語で感謝を記した全面広告を掲載。「北九州は私たちウェールズ国民にとって、特別な場所になりました」と感謝を示し、「粋だよね」「最後に感動のメッセージ。泣けます」とファンに反響を呼んだ。
“発案国”NZ、敗戦後に見せた「90度お辞儀」に海外反響「涙と失意をぐっと堪えて…」
2019.10.27
お辞儀やおもてなし、謙虚な日本をニュージーランド紙「実例をラグビーに示した」
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は20日、東京スタジアムで準々決勝が行われ、日本と南アフリカが4強入りをかけて激突。過去2度の優勝を誇る強豪に対し、日本は健闘及ばず3-26で敗れ、涙をのんだ。9月20日のロシアとの開幕戦からちょうど1か月後、“夢の30日間”に幕を下ろしたが、日本代表が世界に示した“品格”を海外メディアも称えている。
勇敢に戦った日本の姿を本場もが学ぼうとしている。日本は南アフリカからトライを奪えずに敗戦。世界屈指のフィジカルを生かした防御を破ることができなかった。4強入りはならず、本場ニュージーランド紙「スタッフ」は「南アフリカはまるでゴジラのような、東京の街中を踏みつける怪物だった。それは残酷な夢の粉砕となった」と表現。そして、こう続けた。
「しかし、我々は日本を忘れてはならない。彼らに、ラグビーが大事にするべきものがたくさんあったからだ」
開幕から1か月。日本はチャレンジャーとして快進撃を続け、格上撃破を含め1次リーグ4連勝を飾った。フィールド上の奮闘だけでなく、お辞儀など試合後にファンに敬意や感謝を示す日本文化が各国にも浸透。南アフリカ戦後も一列に並び、スタンドに向かって深々と頭を下げた。同紙は「日本は敬意のジェスチャーとして、頭を下げて、W杯から去っていった。彼らは大会を通して、どのように振る舞うべきなのか、その実例をラグビーに示した」とつづっている。
今大会は日本のファンも脚光を浴びた。海外の国歌を懸命に覚え、一緒に歌う。選手たちとの交流や報道陣などにも全力でおもてなし。日本流で世界を受け入れた。世界ランク1位で3連覇を狙うオールブラックス。本場のニュージーランド紙は「選手たちは謙虚さと尊厳が何たるものかを有力者たちに教えた。スポーツ界全体が彼らの振る舞いから学ぶべきことがある」と日本から学ぶ姿勢を示している。
礼に始まり、礼に終わる。日本が大事にしているものに、世界も感銘を受けたようだった。
稲垣啓太、松坂&由伸と“放送席3S”に意外な反響 名解説ぶりが大好評「コメント上手」
2019.10.23
「僕らはお金じゃない。信念」 稲垣啓太の“男気語録”を大会公式が名言に選出
2019.11.04
今大会の名言をピックアップ、稲垣の「お金じゃない」発言も選出
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は南アフリカの3大会ぶりの優勝で幕を閉じた。今大会ではホスト国の日本が躍進。勇敢な攻撃ラグビーでアイルランド、スコットランドというティア1の強敵を次々に倒し、史上初の8強進出を成し遂げた。大会中に世界中に感動を与えた日本代表戦士の日当が100ドル(約1万円)とジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)が明かしたが、大会公式サイトではPR稲垣啓太の“男気語録”を今大会の名言に選出。日本男児の意地が高く評価されている。
名勝負と美しいエピソードを残した44日間の熱闘の日々がついに幕を閉じた。大会公式サイトでは今大会の名言集を特集した。ブレイブ・ブロッサムズの最前線で体を張り続けた“笑わない男”としても知られる、稲垣が大会中に残した一言も改めて紹介されている。
「僕らはお金が欲しくて、日本代表として動いているわけではない。僕らなりに信念があって動いている」
特集では「W杯のキャンプ中、日本代表の選手たちの日当は1日100ドルとコーチのジェイミー・ジョセフがコメントしたことに対し、PRのケイタ・イナガキが回答したもの」と紹介。ジョセフHCはA組最終戦のスコットランド戦前に選手の代表期間中の日当を明らかに。報酬額は海外でも注目を集めた。
国の威信を背負い、名勝負で列島に感動を呼んだ稲垣の「お金じゃない」という男気発言は今大会屈指の名言に選ばれるに相応しい重みがあった。
(THE ANSWER編集部)
「日本人の誇り、反骨心、団結力の表れ」 台風翌日に見た「横浜の10.13」に英紙感銘
2019.11.04
44日間、熱戦が続いたラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は2日に幕を閉じた。統括団体ワールドラグビーのビル・ボーモント会長は「史上最高」とも称賛した今大会、英メディアは犠牲者も出た台風19号に負けず、日本―スコットランド戦を実現した「10.13」の日本人の力を改めて回顧。「誇り、反骨精神、団結力の表れではなかったか」と称賛している。
日本―スコットランド戦の開催にこぎつけた尽力を回顧
「W杯は絶妙なタイミングでピッチ内外におけるラグビーの価値を思い出させてくれた」との見出しで特集したのは、英地元紙「ガーディアン」だった。南アフリカの優勝で閉幕した今大会を振り返った特集では、10月13日に横浜で行われた日本―スコットランド戦について「スポーツが競技自体以上に大きなもので、もっと重要な存在になりえた瞬間」と高く評価している。
犠牲者も出るなど、大きな被害をもたらした台風19号が試合前日に日本を直撃。開催が危ぶまれたが、記事では「あの試合の意味とは、誇り、反骨精神、団結心の表れではなかったか。彼らは試合当日の朝にロッカールームから汚水をポンプで除去する作業をしていたのだ」と振り返っている。
スタッフ、ボランティアが団結してダメージの残るスタジアムの清掃活動などを展開。懸命な努力により、試合は開催され、国内外のラグビーファンの心を震わせた日本の勝利が実現したのだった。一方で、特集では1次リーグ最下位に終わったカナダの崇高なボランティア活動にも注目している。
カナダのボランティア活動に賛辞「彼らは人々を助けることを選んだ」
「彼らは予定されていた試合をプレーすることはなかった。台風の影響で中止になった3試合の一つだった。ナミビアとカナダにとっては今大会で最も重要な試合となるはずだった。その代わりに彼らは人々を助けることを選んだ。台風による被害に対する清掃活動を行ったのだ」
カナダは釜石市で予定されていたナミビアとのグループ最終戦が台風19号の影響で中止となる不運に見舞われた。戦わずして最下位決定という傷心のはずのチームが、台風被害の釜石市の住宅地にスコップや箒を携えて出動。泥まみれになりながらも、民家や道路の掃除を行った。カナダのボランティア活動は美談として伝えられた。
4370億円の経済効果をもたらした日本大会だが、巨大台風の翌日に見せたプライドと不屈の団結心こそが、今大会のレガシー。英メディアは最敬礼で称えている。
(THE ANSWER編集部)
日本大会成功を支えた他国の国歌斉唱 廣瀬俊朗の目「日本人の気質とうまく融合した」
2019.11.05
元日本代表主将、廣瀬氏が日本大会を総括
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は、決勝で南アフリカが32-12でイングランドを破り、史上最多タイとなる3度目の優勝を飾った。9月20日の開幕から続いた44日間の熱戦は幕を下ろした。今大会ではホスト国の日本が躍進。攻撃ラグビーでアイルランド、スコットランドというティア1の強敵を次々に倒し、史上初の8強進出を成し遂げた。また試合以外でも、日本人らしいおもてなしで世界のラグビーファン、メディア、選手たちの心をつかみ、多方面から絶賛を浴びた。
大会は大成功に終わったのか。元日本代表主将で、4年前の日本の躍進を“影のリーダー”として支えた廣瀬俊朗氏が今大会を総括。「THE ANSWER」に語ってもらった。
◇ ◇ ◇
南アフリカの優勝は見事でした。自分たちの強みの部分を出してやり切って勝ったと、改めて感じました。相手どうこうよりも、その点を出すことに集中しての勝利でした。準々決勝で日本を破った南アフリカですから、周りでも南アを応援する声もたくさん聞きました。イングランドはエディさんが監督でしたし、日本のファンにとってもいい決勝だったのではないでしょうか。
日本の快進撃にも改めて触れましょう。4連勝での史上初の8強入りという結果はすごかったです。3年間、サンウルブズとして経験を積めた。そしてテストマッチで強い国と対戦できた。そうしてチーム力が高まり、戦術も固まった。やることが明確になりました。
選手たちが長い時間を過ごすことで、結束が強くなっていったと感じました。多国籍の選手たちが一つになった。またジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)は主体性という言葉を重視し、試合中に修正できるようなチームになった。ジェイミーHCが個々を尊重し、選手もそれに応えました。エディーさん(現イングランドHC)が率いた前回のW杯は規律を高め、当時としてはベストを尽くしましたが、そこからまた上のステージに到達したと思います。
次のヘッドコーチが誰になってくるのか。HCだけでなく、コーチ陣も含めて大事ですが、個人的にはジェイミーが継続して指揮を執り、さらに積み重ねて、強くしていってほしいと願います。
ラグビー熱を継続させるために必要なこととは
次へ向けて日本代表の強化ポイントは選手層でしょう。プール戦を突破して、決勝トーナメントで戦うには選手層がやや薄かった。プール戦で全力を出し切るチームと、準々決勝以降にコンディションを上げてくるチームの差が出たのではないか。選手層が厚くなれば、もう一つ上に行けるのではないでしょうか。
このラグビー熱を継続させるために、選手がやれることはまずは自分のパフォーマンスを発揮し続けることだけです。プレーの面では自分を磨き、グラウンドの外ではボランティアだったり、普及活動だったり、対外的な活動でも積極的に表現の場を増やしていってほしいですね。
あとは協会、まわりの人間がどうサポートしていくのか。プロ化という流れに向けて、どう事業化していくのかを考えていくことはマストだと思います。僕自身はトップレベルのキャプテンのサポートとグラスルーツ(草の根)のサポート、ラグビーだけじゃなくてスポーツに触れる機会を増やしていきたい。スポーツへの熱は確実に高まっています。
今大会で得たレガシーをどう残し、どう次に生かしていくべきか。日本ラグビー全体としては、この8年間の積み重ねを振り返ることが大事。この実績がなくなることはない。どうやって勝ち、どういう風にして強くなったのか――。辿ってきた足跡を、受け継いでいくことです。強くなるためには理由がある。そこの価値観を共有し、理解することで、日本ラグビー全体はさらに強くなれると思います。
来年は東京五輪もあります。オリンピックでは7人制ラグビーも注目を集めることでしょう。すでに福岡選手が転向して目指すことを表明していますが、15人制と比べてもアスリート(タイプの選手)により適正があります。よりスピードを生かせるようなフィットネス、ハンドリングスキルも大事。1対1に強いような選手が重要になります。福岡意外では、松島選手や姫野選手、レメキ選手は7人制でも間違いなく活躍できる。パラリンピックの車いすラグビーもあります。僕はアンバサダーを務めていますが、色々なラグビーにも注目してほしいです。
他国のアンセムを歌う初めての大会に「すごく嬉しいこと」
日本大会は大成功でしょう。プレー以外でも、様々な形での日本の“おもてなし”が話題となりました。もともと日本人がもっているいいところだと思います。そこがよりフィーチャーされた。個人的にもスクラムユニゾンという活動を通じて、他国の国歌・アンセムを歌って歓迎しようと呼びかけていました。今までのW杯では他国の国歌を歌って歓迎するという姿勢はありませんでした。それが初めて、日本で起きた。すごく嬉しいですね。
日本人がイングランドや、スコットランドの国歌を歌う。こんなシーンは日本だからこそでしょう。ラグビーにはもともと、違いを認め、いいところを受け止めるという文化がある。そうしたところが、日本人の気質、相手を労り、リスペクトするような姿勢とうまくミックスしたのだと思います。成績はもちろん、運営の面も含めて、素晴らしい大会になりました。
最後にこの大会でラグビーに興味を持ってくださったファンの方に伝えたいことがあります。大学ラグビーも始まりましたし、高校生では花園もある。来年1月には今大会で活躍した選手が多数出場するトップリーグも開幕します。ラグビーへの熱を国内の選手に向けてみてください。
(THE ANSWER編集部)
「素晴らしいホスト国が全てを変えた」 アジア初の日本大会を英紙絶賛したワケ
2019.11.05
ラグビー界の転換点に、ガーディアン紙「さらに充実した未来が垣間見えた」
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は初めてアジアで行われ、成功裏に幕を閉じた。英紙「ガーディアン」は日本大会がラグビー界にもたらす価値を分析し、「ラグビーのさらに充実した未来が垣間見えた」と特集している。
英高級紙「ガーディアン」は「ラグビーのさらに充実した未来が垣間見えた2019年日本大会」と見出しを打って特集。記事では「今大会はこれまでとは一味違った大会になった。ひょっとすると将来、ラグビー協会が今までとは違った、より発展性のある未来を見出した大会としてさえ、見なされるかもしれない」とラグビー界にとって転換点になるW杯だったと評した。
これまでラグビー界はプロ化などの議論に関わらず、視野が狭くなっていたと指摘。しかし、そんな価値観を変えさせたのが、日本だった。「アジアで初開催されたW杯、そして本当に素晴らしいホストだった日本が、全てを変えた。日本は格上チームにサヨナラを告げ、端役に戻るのではなく、再び大会招致に意欲を見せているという話もある」と絶賛した。
ワールドラグビーによると、今大会は日本に31億ポンド(約4300億円)の経済効果をもたらしたと紹介。テレビ視聴者数も日本の記録を突破し、少なくとも約1000万人が会場、もしくはテレビで観戦した。「となれば、日本はラグビー界屈指の大市場となり、日本ラグビー協会は未公開株式投資会社などのビジネスパートナー獲得に困ることはないだろう」と力説した。
「今大会の『やればできる精神』をもってすれば、乗り越えられる」
記事では、日本が「ラグビーチャンピオンシップ」に参戦する可能性を含め、世界的な再編の動きに触れ、ワールドラグビーは今後、23年フランス大会以降の開催地を同時発表するとの見通しを紹介。「まだ選考段階にはあるが、2023年の候補地としてフランスに最後に敗れた南アフリカが2027年、米国が2031年の開催国になっても驚きはない」としている。
さらに、来年の東京五輪は大会組織員会が7人制ラグビーの人気が高まることを期待していると分析。「特に、日本のスポーツファンは家族連れでも観戦でき、試合を楽しむことに重きを置いたラグビーの精神を好むと同時に、日本代表のたぎるように熱いパフォーマンスに元気づけられたという」と伝えている。
一方で「全てが楽観的観測に満ちたことばかりではない」とも指摘。日本ラグビー協会はユース世代の選手育成などにおける課題が残り、協会全体として危険なタックルに対する意識改革も懸念されていることも伝えたが「かなり大きなチャレンジがラグビー界を待ち受けているが、2019年大会の『やればできる精神』をもってすれば、乗り越えられるはずだ」と締めくくった。
アジアで初めて、しかも「ティア2」に属する国で開催されたW杯。それを大成功に導いた日本大会は、さらなる競技の普及、発展を目指すラグビー界にとっても、大きな価値があるとみているようだ。
(THE ANSWER編集部)
空前ブームに政府も動いた!日本、「ONE TEAM」でラグビー大国築く
サンスポ
2019.11.6
日本が初の8強入りを遂げ、列島が沸いたラグビーW杯日本大会を受け、この成功を未来へつなげようという動きが出てきた。萩生田(はぎうだ)光一文部科学相(56)は5日、ラグビー発展のための会議を設置する方針を表明。日本協会の清宮克幸副会長(52)は都内で講演し、世界最高峰のプロリーグ創設を改めてぶち上げた。日本が「ワンチーム」となって、“ラグビー大国”への礎を築く。
日本が世界のラグビー強国へと歩みを進める。W杯の成功を受け、政府が競技力強化を支援することが明らかになった。
「国民がラグビーの面白さを理解し始めている。大会のレガシー(遺産)を消さないよう、将来必要なものについて広く議論する」
この日の閣議後の会見で、荻生田文科相が国際競技力の強化や競技人口の拡大について検討するため、会議を設置する方針を発表した。日本協会、スポーツ庁、日本スポーツ振興センターやW杯日本大会組織委などで構成。年内に第1回会合を開催する。
日本のラグビーの競技人口は約11万人(総人口1億2600万人)。今大会を制した南アフリカの約60万人(同5700万人)と比べ、6分の1程度にとどまる。サッカーの約89万人、バスケットボールの約62万人とは大きな差がある。競技力の向上に競技人口の拡大は必須だ。
会議では、日本協会の清宮副会長が推進するトップリーグ(TL)のプロ化も議題に挙がる予定。2021年秋の開幕を目指す清宮氏はこの日、自民党の会合で講演し「世界最高峰のリーグをつくることがわれわれの目標、未来になる」と改めて説明した。
W杯12会場を「オリジン12」と名付け、各チームのホームにする。世界のトップ選手を集めるだけでなく、20年限りでスーパーラグビー(SR)から除外される日本チームのサンウルブズや、他国のSRチームの参入も歓迎。現在はTLの4~6チームが関心を示しているとし、発足時は「8チームぐらいでスタートさせたい」と、自民党に協力を呼び掛けた。
15年W杯で日本は南アフリカから大金星を挙げたが、ラグビー人気は長続きしなかった。今大会の成功を将来につなげるには、大胆な改革が必要だ。
また、TLは現在、プロと社員選手が混在。一方、サッカーはプロのJリーグが発足後、日本代表の強化も進んでW杯の常連国となった。バスケットボールもBリーグ発足後、順調に力をつけている。代表強化にプロ化は欠かせない。
さらに、建て替えが計画されている聖地・秩父宮ラグビー場について、遠藤利明元五輪相(69)は自民党の会合で「(グラウンドも覆うような)屋根付きのスタジアムにしていきたい」と語った。世界最高水準の専用競技場建設の機運も高まる。
日本は次回23年W杯フランス大会で、今回を上回る4強入りを狙う。さらに、日本協会の森重隆会長(67)は「日本でのW杯開催に向けて努力していきたい」と、20年以内の再招致の意向を示した。変革の時を迎えた日本ラグビー。“ワンチーム”となって大国を作り上げる。
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「現役を退く時がきた」「一つの時代が終わってしまった」という寂寥感でいっぱいの松任谷由実さんの『NO SIDE』は、今回の大会後には合わないと思っていました。
でも、誰よりもこの大会の大成功を天国で喜んでくれているであろう「あの方」を偲ぶためには、この曲がふさわしいのかもしれません。