昨日、ネットのニュースを見てたら、トヨタのビッグセダンに関するニュースが出てました。
中日新聞電子版によると、トヨタが、この夏に
カムリをフルモデルチェンジするのに伴い、これまでトヨタブランドのビッグセダンの中軸として君臨していた
マークX、SAIを現行型を以って廃止。
これにより、トヨタブランドのビッグセダンは、クラウンとカムリに集約されることになる見通しとの報道がありました。
コロナ・マークⅡから数えて約半世紀。
高度成長期の
マイカーブームを牽引し、その後
マークⅡになり、兄妹モデルの
チェイサー、クレスタとともに
「マークⅡ3兄弟」を結成し、1980年代中盤~90年代初頭のバブル期の
「ハイソカーブーム」のトップランカーとして人気を不動のものとし、全盛期は3兄弟合わせて年間10万台以上のセールスを誇るも、バブル崩壊以降の経済情勢の低迷、SUV、ミニバンの台頭などによるセダン離れの進行もあり、人気も低迷。
その間、1996年に
「セダン・イノベーション」を旗印に、マークⅡシリーズがFMCし、ABS、4エアバッグ、TRC、VDC、安全ボデイなどの全タイプ採用や、3兄弟それぞれのキャラを鮮明に分けたデザインで登場するも、セダン人気復権にいたらず、2000年には、マークⅡのFMCに伴い、チェイサー、クレスタに変わる後継車としてヴェロッサ、さらにはブレビスという形でモデルチェンジを図るも、全盛期の半数以下に売れ行きがダウン。
そんな状況を打破すべく、2004年に
マークⅡからマークXに装いも新たに一新。
これまでの、直6+FRの高級車からの若返りを図るべく、当時高い評価を得ていた「ZERO CROWN」のシャシーコンポーネンツを採用し、エンジンも、当時のV35スカイラインを意識した、V6+FRの高級スポーツセダンとして再生を図ることになります。
当時、各TV局が、報道番組でこのマークXの発売とセダン離れの現状に対して、厳しい指摘を投げかけてたのを記憶していますが、トヨタとしては、当時、日産がルノー傘下で経営再建中でゴーン体制下になり、これまで、国内の伝統や伝説にとらわれすぎて低迷してたスカイラインを、直6、ドーナツテール、サーフィンラインを捨て、V6+FRの世界に通用する
高級ツーリングビッグセダンに華麗なる変身を成し遂げ、アメリカ市場で結果を出していたと言う現実に対して、底知れぬ危機感を持ってたのかなと、今にして思えてきます。
鳴り物入りで登場したマークXですが、トヨタの目論見とは裏腹に、かつてのような売れ行きにはならず、その後、フルモデルチェンジをするも、直近のデータでは、年間1万台を割るなど、全盛期の輝きを失いつつあり、今に至ります。
そんな中で、トヨタが、現行プリウス以降、社長肝煎りで推し進める、原価償却と走りの質感&燃費の向上&安全性向上という二律相反した要素の両立を目指した
TNGA政策のコンセプトを用いたビッグセダン向けの新型プラットフォームを、この夏に出るとされる新型カムリに採用することになり、将来的にはトヨタのビッグセダンの中軸に据えると言う方針になり、それにより売れ行きが低迷していた
マークX、SAIの廃止に至ったのだそうです。
私の見立てですが、今後FRのビッグセダンあるいはミディアムカーはレクサスに集約し、トヨタブランドの純粋な4ドアセダンは、クラウン、カムリ、カローラのみになるのではないかと思いますね。
私の友人、知人が、中古ではあるけど、免許を取ってマークⅡに乗ってたり、ご近所さんが、ハイソカーブームの時代にマークⅡに乗ってたり、親類がマークXに乗ってたのもあり、「マークⅡ(マークX)」の名前には愛着はありますが、ここ数年の販売低迷や、HVやコンパクトカー、SUVやミニバンに主流が映り、かつてマークⅡを買ってた人が、プリウスやアクア、さらにはハリアーやアル・ヴェルなどのミニバンに移行したり、あるいはレクサスや欧州プレミアムに乗り換える現状が顕在化していることを鑑みると、致し方ないというか、レクサスが発足した時点で、いつかはこうなると予見できたと言うか、むしろ遅いくらいかなと言うのが、私の実感です。
何か、有名な俳優とか歌手が亡くなるというか、有名なスポーツ選手が引退した時の様な衝撃に近いものを感じました。
ひとつの時代の終わりなんでしょうか?
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Posted at
2017/05/09 22:35:49