とある飛空士への夜想曲 下

　
　――あの光を、くれ。
　
　全身全霊を込めて、魂の底の底の底から、祈る。
　
　――未来を、くれ。
　
　
　今日買ってきました犬村小六「とある飛空士への夜想曲　下」。　「とある飛空士への追憶」のスピンオフの最終巻です。　
　
　本当にすごい･･･。　空戦シーンが壮絶。　本の半分以上は戦闘だったんじゃねぇかな･･･。　表紙からもそうだけど、完全にライトノベルじゃなかった。　「追憶」からの因縁の魔犬と海猫の戦いも決着がついて、中央海戦争も終結を迎えたし。
　
　日本の第二次世界大戦とかで「お国のために」とかで戦争に向かうのをいろいろなもので見るけど、それはただの記録の中でしか過ぎなくて、本当に戦ってた人たちは、もっと違う、もっと大事な何かを守るために戦ってたんだろうなぁと、この本を読んでいて思いました。　魔犬も、猿と呼ばれる未来から子孫たちを守るために、民族の魂を思い知らせるために。　こんな状況の中だからこそ輝く人間の尊さや気高さは、今回の大震災にも通じるものもあって。
　
　これで飛空士シリーズもいったん終了だけど、また長編でこのシリーズを描くそうなので、そのときまで楽しみに待ってます。　「とある飛空士への追憶」「とある飛空士への夜想曲」「とある飛空士への恋歌」、今年は飛空士に満たされた年になりました。
　
　
　そして今日姉に女の子が生まれました。　いっぱい本を読む子になってほしいです。