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2008年10月26日

クラッチペダルからの異音

クラッチペダルを操作すると異音がする持病があるAZ-1/CARA。通称「クラッチコキコキ病」と呼ばれているが、これは何が原因なのか。

対策としてクラッチケーブルをボディのバルクヘッドに止めているボルトのうち、ボンネット側から見て右側のボルトにワッシャを数枚噛ませ、ケーブルの引き出し角度を変えることで音がしなくなる。実際、私のクルマもその対策を施すことで異音はなくなった。

■若干右側が浮いているのがわかる


余談だが、「キコキコ」ではなく「コキコキ」である。「キコキコ」の場合、イメージされるのは、クラッチを踏んで「キ」、放して「コ」であると思われるが、AZ-1/CARAの場合はクラッチを踏んでも音はせず、放す時に「コキ」と鳴る。もしかしたら放す時に「キコ」と聞こえる人もいるとは思うが、ここはあくまで「コキ」としたい。

対策を施したのは2年くらい前だが、最近また異音がするようになった。ボルトの増し締めで一旦は止んだものの、すぐに戻ってしまった。異音がなくなる原理はあまり考えずに、ワッシャさえ挟めば音が止まるのだろうと、先人達の努力の上に胡坐をかかせてもらった故のしっぺ返しが来たのだった。

そこで改めて原因を究明することにした。まず音の質としてブランコの揺れる音や三輪車のペダルを漕ぐ時の摺動部の油切れのような「キコキコ」とは異なり、ブリキのセミの形をした「カチカチ」もしくは「ペキペキ」と鳴るオモチャの音に音の成り立ちが近い。しかし、「カチカチ」や「ペキペキ」ではなく「コキコキ」であるのでこれは音程が低い為だろう。なお、「ブリキのセミの形をしたオモチャ」がイメージできない場合、カップ焼きそばのお湯をステンレスの台所に捨てる時に「ボコン」と音がするのをイメージして欲しい。
ようは金属板がある力によって歪んだが、金属板自体の張力によって、歪みが戻って鳴っているようである。

次に音の発生源を探してみる為、シートを外して、仰向けになってABCペダルのあるフットスペースへ潜り込む。クラッチペダルを手で動かして音の場所を探してみると、当たり前だが対策箇所であるクラッチケーブルの引き込み部分で音がしている。

■クラッチケーブルの引き込み部分


この音源をよく見ると鉄板が2枚になっている。一枚はバルクヘッド部、もう一枚はクラッチケーブルを止める為のボルトが生えている当て板だ。バルクヘッドの板厚では薄くて強度が足りないのだ。その為二枚になっていると思われる。この元々強度が足りないが故に、クラッチケーブルの角度が悪く、ひっかかりがあるとクラッチを踏んだ時にバルクヘッドが歪み、クラッチを放すとその歪みが一気に戻るので「コキ」と鳴るわけである。

既存の対策は、このケーブルの引き込み口の取り付け角度をワッシャによって変更することでクラッチケーブルのひっかかりを少なくし、結果としてバルクヘッドの鉄板の歪みが発生しないようにしている訳だ。

では、なぜ再発したのだろう。一つには、この引き込みの為のブラケットにはゴムパッキンが挟んであるが、これが経年劣化で縮んだ為にボルトが緩んだことによって2枚の鉄板にわずかな隙間が発生したのだろう。これは増し締めした時に一時的に異音が消えた事の理由とも重なると思われる。

では増し締め後にまた再発した原因はといえば、これはクラッチケーブルの取り付け方法に問題の根本があり、ボルトの2点間を結んだ線に直行する方向に力が掛る事には2点止めの為に弱く、クラッチペダルの動作は円軌道な為、角度を変更しても引っかかっている事には変わりがない事と、対策前のブラケット全体で鉄板の歪みを抑えていたより、ワッシャを挟む方が鉄板に対する面積が小さい為だと思われる。

よって、バルクヘッドに対する押さえつける面積を増やせば歪みがなくなるのではないかとの仮説に基づいて、1.5mm厚のアルミ板でこのような当て板、もといスタビライザーを作成した。

■当て板、もといスタビライザーの寸法


ワッシャ方式の問題点として、ブラケットがバルクヘッドから浮く為に隙間が空く点がある。ここは車室外である為、雨水の侵入も気になるところだ。実際には2年間以上、ワッシャで過ごしてきたが、サビたり水が入った形跡はないので問題無しではあるが。この当て板、もといスタビライザーではバルクヘッドと面で接触し、ゴムパッキンもあるのでその心配も無用だ。

さて、クラッチケーブルの外し方だが、ブラケットのナットを2つ外すだけではブラケットはボルトを飛び越えることができない。ペダルにひっかけてあるケーブルの先端を外す必要がある。これはシートを外して潜り込む必要がある。ケーブルの先にU字型の金具が付いていて、その金具がクラッチペダルのアームの先にあるフックに引っ掛けてある。ボルト等で止まっている訳ではないので金具がフックを超えれば外れる。しかし、潜り込んでケーブルをひょいと動かせばフックから外れるわけではない。そんなに簡単に外れるようであれば、運転中にクラッチペダルを操作している内に何かの拍子で外れてしまうからだ。クラッチペダルをストッパーに当てている状態、すなわち踏んでいない状態でしっかりと引っ掛かるようにペダルストッパーは調整されている。されていない場合は危険なので要調整だが、ケーブルを引き過ぎるとクラッチペダルを踏んでいる事と同じなので、僅かながらクラッチが切れているという事態になるから引き過ぎもNGだ。ということで、ペダルストッパーを緩める必要があるが、幸いなことにペダルストッパーのペダルとの接触部分はゴムだ。ペダルを強く手前へ引く(ペダルストッパーに強く押し当てる)ようにしながらケーブルの先端の金具をフックから外すように試みれば、引っ掛かりながらも外れるはずだ。

■クラッチペダルから外れたクラッチケーブル


ここまでくれば、ケーブルを外に引き出して当て板、もといスタビライザーをバルクヘッドとブラケットの間に挟み込んでしっかりと逆の手順で取り付ければ完了だ。ただし、ケーブルの引き出しも結構無理が掛るので引き出す際にはケーブルが折れたりしないように注意してほしい。

対策後、数時間に渡って走行してきたが、異音はすっかりしなくなった。しかし、本当にこれが一時的なものでなく、長期に渡り効果があるのかは経過監視後にこの記事に追記したいと思う。一度外しているので増し締めと同じ効果である可能性があるからだ。なお、同じことをして異音が消えなくても責任は負えない。また、「コキコキ」じゃなくて「キコキコ」だという主張も受け付けない。

■当て板、もといスタビライザー装着



【2008年11月23日追記】
約一か月が経過したところで、再発した。しかし暫く乗っていたらまた鳴らなくなった。再発した時の音は前と少し変化していたが、本質的には同じ音。クラッチペダルをゆっくりと踏んでいき、一番力の掛るところを超えたあたりに何かあるようだ。気休めにまたナットにスパナを掛けて回してみたところ、少しだけナットは回り、音は止んだ。私は何か大きな勘違いをしているようだ。ここの異音が大事に至ることはないとは思うが、渋滞で車内に響くコキコキは精神衛生上あまりよろしくない。「当て板、もといスタビライザー」なんてものを切りだしてみたが、根治療には至っていないことをお詫びしておく。イライラしてやった。ワッシャでもアルミ板でもなんでもよかった。今は反省している。

【2009年01月09日 追記】
現在、私のCARAのクラッチキコキコは再発したものの、しばらく乗っているとならなくなっています。やはり鉄板が二重になっているところになにか薄い板でもクサビのように打ち込んで隙間をなくすのが効果的かもしれません。
それとは別にそもそも論として下記のような仕組みに変更できるようです。キコキコは収まってもあまりフィールのよくないワイヤー式にはかなりの効果が期待できそうです。とはいえ、シフトレバーのフィールは変わらないでしょうから気持ち的にはこういうものだと受け入れて付き合っていくべきでしょう。

http://www.taiyo-mt.com/diarypro/archives/22.html
AZ-1油圧クラッチキット

【2009年12月6日】
クラッチペダルからの異音 ~リベンジ~を投稿しました。
ブログ一覧 | パーツレビュー補足 | クルマ
Posted at 2008/10/26 03:02:04

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