接待攻勢に負けたカーオブザイヤー選定委員

あまりにも露骨なトヨタへの配慮が目に余る今年の１０ベストカー。エコカーばかりがもてはやされるのもどうかと思うが、このご時勢に旧態依然とした化石のようなセダンを選ぶ理由はどこにもない。むしろ出来からすればマークXはワーストカー・オブ・ザ・イヤーをあげたいくらいの車。あちこちにゴムブッシュを入れて、NVH特性を向上させた代償として、運転する楽しみが大きく阻害されてしまっていて、アクセルからずいぶん遠くにエンジンが置いてあるような感覚。これはエンジンマウントだけでなく、ステアリング系、サスペンション周りなどあらゆる部位に及んでいて、まともな車になっていません。いったいこの車の何を評価して投票したのか票を投じた委員に聞いてみたい。金に目がくらんでしまったとは言えないでしょうが・・・

選定委員は各メーカーからの接待で海外旅行やら、新型車の試乗会に呼ばれるので、メーカーの顔色を伺いながらの選定になっているのは、昔からいわれているこの賞の問題点。しかし、どうせトヨタから選ぶのならSAIの方が余程ましだったのに・・・これにもトヨタからプレッシャーがあったのでしょう。『ぜひSAIではなくマークXに１票いれて下さい』と。SAIが選ばれたとしても、販価の高さから売り上げ増はほとんど期待できないけれど、マークXなら相当量の販売増が見込めると考えたのでしょう。


能力がなくて公正な評価ができないばかりか、メーカーに買収されるような選考委員は全員辞表を出すべき。選考委員のせいで日本の車がますます駄目になっていくのが残念です。自動車評論家なんて所詮は自動車メーカーにたかる寄生虫のような存在だから、期待するほうが間違いでしょうけどね。