ボーイング787のリチウムイオン電池

トラブルが立て続けに起こりとうとう飛行停止命令までだされてしまったボーイング787。もっとも早く大量に導入した全日空と日本航空の経営へのインパクトは甚大なものになりそうです。燃費の良さを武器に経営の立て直しを急いだのが裏目にでてしまったとはなんとも皮肉な話です。ところでその電池は日本のGSユアサコーポレーションが納入しているもので、電池そのものに故障の原因があるとしたらなんとも残念なことです。　ソニーが最初に商品化したときもトラブルが続出し携帯電話やデジカメで無償電池交換をしてもらった覚えがあります。　電解液などにわずかでも異物、特に金属分子が混ざっていたりすると異常発熱を引き起こすのですが、今回も原因は同じかもしれません。あるいは充電するときにセル毎に流す電流値を制御するのですが、それがきちんとコントロールできていなかったとか！？

787から取り出した電池を確認すると金属のケースは変形し、電解液が漏れ出しているので、過放電が考えられます。リチウムイオン電池は酸化還元反応が激しく行われるときに発熱しますが、想定以上のなんらかの負荷がかかって過電流が流れ、バッテリーが破損したものと推定されます。通常は負荷電流を監視していてそのようなことは発生しないはずなので、安全設計が機能しなかったのは大問題です。原因究明には相応の時間がかかり、結果として７８７が大空に再度羽ばたくのは１ヶ月以上遅れるかもしれません。その間にANAが倒産してしまいませんように！

いっそのこと実績のある日産からバッテリーを購入したらいかがでしょうか？ちょうど増産体制を北米で整えたばかりで、バッテリーの供給能力には十分余裕がありますし。　まあインタフェースが異なり単純な置き換えはできないでしょうけど、いつ火を噴くかわからないような航空機には乗りたくありません！