燃料電池車両(FCV)の実用化が困難なことは
ずいぶん前に指摘した通りで、いまだ多くの課題が未解決なままです。
FCVの存在を忘れかけたころ、日産がバイオエタノールを燃料としたFCVを2020年頃に商用車、トラックなどで商用化するとアナウンスした。 ブラジルなどではガソリンと同じように売られていて入手が容易な燃料と発電効率の高い固体酸化物形燃料電池(SOFC)の組み合わせとのこと。 今まで各自動車メーカーの開発する燃料電池といえば固体高分子形燃料電池(PEFC)であったので、ちょっと意表をつきました。 SOFCは家庭用でエネファームとしてすでに多くの実績があることは確かですが、運転温度が700℃以上と高いため起動時間がかかり自動車用として使うには致命的な欠点を有している。 従って一般的な乗用車への適用はまず不可能で、長距離トラックなどでなんとか使えるかどうかといったところ。 適用範囲が限られるので社会へのインパクトは少ないが、エネルギーの多様化という面では意義のあることだと思う。 大量の排気ガスをまき散らしながら走行する大型トラックが半減してくれれば、地球環境保護には多いに貢献するでしょう。
乗用車向けの燃料電池車はブレークスルー技術の登場を待つばかりですが、車両コストが安くなったとしても、水素燃料の製造コストが高いままなので、あえてFCVを選択するユーザーメリットはどこにもない。 燃料電池の自動車適用はひっそりと葬られていく運命にあるのかもしれません。
トヨタのスタンスは第6次環境取り組みプランに明記されています。
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PHV : 燃料多様化に向けた電気利用車の柱として、更に高性能な車両を開発し、普及拡大を図る
•EV : 近距離用途として低炭素交通システムと組み合わせて技術開発を推進する
•FCV : 将来有力なエネルギーである水素を有効に利用できるよう、更なる低コスト化、小型化、耐久性の向上等 商品力強化に向けた取り組みを進める
EVは短距離、FCVは長距離という区分けはしていますが、本命はPHVだとしています。
リーフユーザーとして気になるのは、トヨタのPHVが大量に出回ったときの充電インフラへのインパクトですね。 充電スポットには複数台のチャージャーが設置されているような充電インフラが広がらないと、リーフユーザーには苦難の環境が待ち受けています。 次買い替えるクルマはそれを予測してから決めないといけませんね。
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燃料電池 | 日記
Posted at
2016/06/16 22:14:12