棄却

　神奈川新聞社のニュース・コミュニティサイト「カナロコ」の配信記事『路上喫煙訴訟「禁止地区と認識できた」横浜市の過料認める　東京高裁』に注目。

　今年1/23付の弊ブログ記事『過料』において、地裁判決について意見したが、その控訴審判決のニュース。
　自らの素養無きを、多額の裁判費用を負担してまで世間に喧伝する愚かな老人に下された、極めて常識的かつ真っ当な判決に一安心した次第。



　裁判官は「タバコ吸うなら吸っていい場所かどうか自分で気づきなさい」とたしなめ、｢気付かなかったこと=原告の過失｣と認定している。一方で喫煙行為自体は、成年者であれば合法なのだから過失がない限り過料の徴収は違法とも述べている。

　しかし他者に唾を吐きかければ暴行罪に問われるのに、タバコの煙はお咎めなし、抜き身の刃物を持ち歩けば銃刀法または軽犯罪法違反に問われるのに、数百度の超高温に達する煙草を振り回しても何ら罪には問われない状況が、社会正義や法の平等に照らして妥当かどうか議論されるべきだろう。


　自治体が制定した条例に基づく喫煙禁止措置は、一連の裁判で浮き彫りになったように実効性や執行体制の面で問題点が少なくない。
　なれば私は、改めて紫煙を他者に吹き付ける行為を暴行罪(身体的接触を伴わない、車輌による幅寄せが暴行罪となった判例あり)とするか、「喫煙≒セックス」説に基づき公道上での喫煙は「公然わいせつ」の罪(懲役6箇月または30万円以下の罰金）を問えるよう、法改正を望みたい。