
「羊の皮を被った狼」
よくクルマでノーマルより高性能を持つエンジンを搭載するクルマを言いますが、バイクでもそれを躊躇に顕した排気量があります。
軽二輪の150~200ccです。
全てがそうではありませんが、原付二種の車体に排気量区分を超えたエンジンを搭載したバイクです。当然、車体が軽く取り回しが楽なこと、経済的メリットもありますが、高速道路を走れるというのが一番のメリットかも知れません。
そんなバイクの原点がスズキのGT185シリーズ。
「高速道路を走れる新排気量」を売りに1974年に発売。
2スト車には珍しいセルを装備していました。
RG185は手頃なサイズのスポーツ車として根強い人気のあったGT185の後継車。
私がバイク免許を所得した頃は、まだ現役で走る姿を見かけることがありました。
完全に「羊の皮を被った狼」と言えるのはSDR200です。
125ccに見えるほど細い車体は、「Slim×Dry×Rich」のコンセプトの通りで、頭文字を取って車名のSDRになっています。
車体を軽くするために特徴であるトラスフレームが斬新で、見た目の通り必要最小限の装備とスパルタンで走りに特化したマシンでしたが、レプリカブームの中では人気も出ず短命に終わってしまいました。
スクーターと言えば50ccの時代。そんなスクーターに、少し大きなボディとスポーティな走行感覚を持ち込んだのがシグナス180でした。静粛性に優れ、パワーもあるOHV180ccエンジンは高速道路を使ってスクーターでツーリング楽しむライダーを出現させました。
DT200Rは1984年に発売され息の長いモデルになりました。登場時は「ウィークエンド・モトクロッサー」として125ccの使い易さと250ccのPOWERを兼ね備えてデビュー。YPVSやYEISの吸排気系デバイスを装備した195cc水冷2スト単気筒エンジンは30psを発揮。乾燥重量99kgでエンデューロレースでは圧倒的な強さを示し負け知らずでした。
CZ150R は1987年に日本でのみ発売されたモデル。CZ150R の発売の4年前、CZ125 Tracy が発売されました。CZ125 のときは Tracy とペットネームが付けられましたが、何故か CZ150R には付けられませんでした。その後、Tracy の名前はいくつかのモデルに付けられています。
RG200γは2ストローク単気筒エンジン搭載のマシンですが、SDRとは違って見た目ほど過激な走りは期待外れのバイクでした。オフロード車のTS200のエンジンをロード向けにチューンしたもので、低速から高速までなめらかなトルク特性でピーキーでなかったようです。RGV250γと比べられるとうーんって感じだったのでしょうね。
NSR150SPはタイホンダが生産したレプリカ。これ以外のNSRは日本で開発されましたが、NSR150だけはタイホンダが設計から全て行っています。
レーサーレプリカを海外の拠点で開発した異例のバイクで、その後のタイホンダ製バイクに影響を与えました。逆輸入車で2002年まで生産されています。
SX200Rを元に作られたDJEBELの200ccバージョン。
250との違いは油冷ではなく空冷であること。
これが結構売れたのですが、理由は簡単で250に比べ安いという点。
DJBEL250が44万、セロー225が37万、DJEBEL200は33万でした。
「125ccの車体に高速道路を走れるパワーを」、当時からそんな要望はあったようで、そこで登場したのがヴェクスター150でした。べクスター125に150ccのエンジンを搭載したベクスターの手法は、スズキが得意なアドレスの手法と同じ。
スクーターブームが過熱していた1999年に、125ccベースのアヴェニス150も発売していて、スズキはこのクラスに力を入れていたのかも知れません。
ちなみにカワサキにOME供給したエプシロン150もありました。
どれも短命に終わってしまったのが、時代が早かったのかも知れません。
バンバン200はかつてレジャーバイクとして一世風靡したバンバンシリーズのリファインモデル。往年のバンバンシリーズの雰囲気を完全に再現したモデルです。
実はバンバン200のタイヤはヤマハのTWと同じサイズ。
2007年12月のモデルチェンジでは、オイルクーラーを追加し、インジェクションと触媒を装備させることにより自動車排出ガス規制をクリアさせている。
このように中途半端と思える150~200ccのバイクって、日本の道路事情、経済性と利便性に特化したバイクなんですね。
それに気づいたライダーがPCX150やN-MAX155に飛びついて人気に拍車が掛かりました。
実は私もそのひとりなんです(笑)。
ブログ一覧 |
オートバイ | 趣味
Posted at
2021/01/18 22:22:13