
1980年代に青春だった世代は、あのバイクブームを体感した人も多いのではないでしょうか。私はちょうどRZやVTが登場した80年バイクをリアルで体験した世代です。
そして、80年バイクブームを牽引したのが上野にあったバイク街です。
上野はかつて馬を売る商売の店が軒を連ねていました。
その名残りで戦後は自転車販売店が進出、1954年頃に「旭東モータース」が中古バイク店を扱ったのが始まりで、上野という交通の立地の良さからバイク店が多く集まってバイク街を形成していきました。
インターネットがまだ無かった頃は、バイク用品や部品は上野に来れば揃うと言われたほど、バイク屋、バイク用品店が乱立し、さながら秋葉原電気街のバイク版のような光景が見ることが出来ました。
最新の中古車も上野では入手できたのは、現在のような買取と販売を同時に行う店舗も多く存在していました。但し、見た目はそこそこ、実際はメンテナンスされていない売り放なしも多く、上野で買って痛い出費を見た友人も多いものでした。
上野バイク街でひときわ目立っていたのは「光輪モータース」でした。
系列店が上野に20店舗もあり、コーリンに無い物は無いと言われたものです。
私も外国製のレーサーヘルメットを光輪で買っていました。
その「光輪モータース」もバイクブームの終焉と重なるように経営不振から倒産、その額はなんと負債総額161億円強。
そもそも、郊外型のバイクパーツ店の開店ラッシュや、一部のホムセンでも扱うようになって上野でバイクやバイクパーツを買う意味も無くなったんですね。
バイクブームを牽引していたレプリカブームも、レプリカがまんまレーサーに近づきすぎてしまい一気にその熱が冷めていきます。
社会現象まで言われたバイクブームの面影を懐かしむつもりで上野を歩きました。
よく通っていたパーツ屋はすっかり飲食店街に。
バイク屋のほとんどの店舗が飲食店に変わっていました。
店頭にあった綺麗なカワサキのエストレア。
私が想像するよりもかなり安い金額で商談中でした。
ほとんど面影の消えた昭和通りに辛うじて残る数件の店が、かつてここにバイク街があった名残と言えるかも知れません。
自分がバイクを停めていた場所を見つけて、30数年後にまたここに来るとは当時の自分は思いもしなかったのにね。
でも、あの時代は確かに熱かったし、そのおかげでいろんな出会いもあったわけだし。それが今も繋がっているということは、悪い時代じゃなかったのかなって思います。
あの頃の面影はすっかり無くなってしまいましたが、それが時代と言うものですからね。
さて、20年周期で訪れると噂されるバイクブーム。
今が再来とも言われますけれど・・・どうなのでしょうね。
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オートバイ | 日記
Posted at
2022/05/21 16:07:07