世の中軽自動車が溢れています。
自動車全体のシェアが4割に迫る勢いで、軽自動車は日本社会にとって無くてはならない足になっています。
そんな軽自動車を牽引して来た名車を辿ってみると、その頃の時代背景も見えて来ます。
まず何と言っても最初に現在の軽自動車ブームを作ったのはコレです。
スズキのアルト。
1979年発売された商用の軽ボンバンと呼ばれる税金が非課税されるメリットを有効に使い、徹底的にコストダウンして原価を35万に押さえ、販売価格を47万円という驚異の価格で販売。現在の様に高級豪華路線だった軽自動車とは真逆路線だったけど、安い価格が追い風となって、累計84万4000台も売り上げました。
背伸びをせずにクルマを手に入れられることで、若者がマイカーを入手しやすくなり、最初のマイカーがアルトだった人も多いのではないでしょうか。
次はダイハツのミラターボXXです。
軽自動車が普及したことで、軽自動車の人気も上がれば、性能や装備に不満を覚える人も出て来ます。そんな軽自動車にダイハツはターボを搭載します。
そう世の中のクルマは排ガス規制によるPOWERダウンを補うのに、ターボを搭載しまくる時代。軽自動車もその波が来たわけで、その中でも人気だったのがミラターボ。
1985年にエアロパーツを標準装備したのが初代TR-XX。
スポティーな外観とターボ搭載のボンネットバルジ、小さいけれどリアウイングが供えられ若者に大受けしました。
ターボのステッカーがあるだけで満足した時代。
軽自動車のスポーツ性をアピールして、POWER合戦に火をつけたのもミラターボでした。
そして次に現れたのが軽自動車の常識を覆した1993年登場のスズキのワゴンR。
現在人気の軽ハイトワゴンの奔りは、このワゴンRからでした。
頭上を広げて解放感を演出、パッケージもよく考えられていて、今までの軽自動車をワンランク上げた功績はワゴンRです。
軽自動車に乗るのが当たり前に感じられるようになりましたね。
※サブロクにはステップバンがありますが、時代背景と軽自動車の規格、ヒットから見て除外しました。
自家用車だけではなくスポーツとしてもジャンルを確立したのが、2022年発売のダイハツのコペンです。
最近販売が終わったホンダのS660が登場したのもコペンの人気が影響しています。このジャンルではホンダのビート、スズキのカプチーノなどもありましたが、コペンのような人気は得られませんでした。
上質でデザインも良く、乗っている、所有する楽しみがあるスポーツオープン。
ちょっと背伸びをすれば買える価格も人気でした。
そんな多彩に進化している軽自動車が、大きく転機を迎えたのがホンダのN-BOX。
普通車と比較しても遜色のない装備と質感、そして規格を最大まで広くしたキャビンは使い勝手も良く、サブカーとしての軽自動車をメインか―まで押し上げました。特にホンダユーザーでFITから乗り換えるオーナーも続出。
FITの不人気の要因のひとつになったようにN-BOX一台で事足りる人も増えました。
安全装置の充実(当時はあんしんパックと呼ばれるオプション)も魅力でした。
ホンダが軽自動車シェアが下がりジリ貧の中で生まれた2011年発売のN-BOX。
今やどのメーカーもN-BOX同様に高品質、充実装備でかつて1970年頃の豪華装備を競い奢った軽自動車を思わせます。
N-BOXを選ばなくても、どれも満足するような優劣つけがたい軽自動車に進化しました。
日産のデイズルークスなんてプロパイロット装備もあります。
それとSUVで人気を博したスズキのハスラー。
軽自動車にSUVを取り入れたモデルは過去にもありましたが、成功して大ヒットしたのはこのハスラーぐらいではないでしょうか。
コンパクトカーよりも高額になりつつある軽自動車は、これからどう進化していくのでしょうか。
元祖アルトのような真逆のエコカーになっていくのか、普通車に見劣りしない高性能車に進化していくのか。
ほぼ15年周期で変化する軽自動車。
N-BOXの次は何が来るのか楽しみです。
ブログ一覧 |
クルマ | 日記
Posted at
2023/09/21 22:14:41