
今回の四国への旅で寝台特急「サンライズ瀬戸」を使いました。
最後の定期寝台特急と呼ばれる「サンライズエキスプレス」、1998年7月から運用を開始してもうすぐ24年。息子が生まれた翌年なので、幼少時代には息子が絵本を指さしては憧れの特急電車だった記憶があります。
コロナ禍ということもあり、個室寝台のあるサンライズは料金が高いにも関わらず人気になっています。YouTubeでもサンライズに乗車する姿を多数見かけるので人気の高さが伺えます。
今回、寝台特急を選択したのは、寝ている間に目的地に着くという時間メリットでした。早朝の新幹線「のぞみ」を利用しても到着は昼過ぎ。
移動の疲れも考慮すると、寝て行くのが最良と考えました。
もうひとつはコロナ禍で、鉄道会社の経営が著しく悪化していることです。
当然、平日の利益率が低い寝台特急はほとんどが消えてしまったように、サンライズも運行から20年を経過し、今後の見通しは難しいかも知れません。
乗らないうちに消えてしまう後悔よりも、一度は乗っておきたいという思いもありました。
問題なのは車椅子で乗車して、安全に高松まで行けるのかということでしたが、「みどりの窓口」で車椅子用のシングルツインが用意されているのを教えて頂き、その切符を無事に取ることが出来ました。
シングルツインはサンライズ瀬戸2号車に1室、サンライズ出雲9号車に1室と、サンライズ編成の中では2室しかありません。
高松まで行くとなるとサンライズ瀬戸の1室だけ。「みどりの窓口」の端末オペレーターさんの指ひとつに掛かっていたのですが、幸運なのか無事に切符を手にすることが出来ました。
実際には介助者とペアで乗り込むのがベスト。
この狭さでは折りたたんだ車椅子を使うのは一人では無理です。
但し、部屋の前にトイレがあるので介助の問題をクリアすれば問題はありません。
寝台特急のメリットは寝ている間に距離を稼ぐこと。
新幹線がまだ無かった頃は、寝台特急のメリットは大きく需要も高かったはずです。
新幹線だけではなく、LCCなどの格安航空便、高速バスの普及も寝台特急の衰退になりました。そもそもビジネスホテルの宿泊料金より高いというのが、一番の問題だったのかも知れません。
そんな時代の中で、昔ながらの夜汽車の旅を味わえるのもサンライズエキスプレスだけ。JR西日本にも「WEST EXPRESS銀河」があるけれど、こちらは座席扱いとなり完全な寝台とは言えないようです。
東京駅からの車窓を眺めながら缶ビール片手に、乗車前にエキナカで買った焼き鳥を食べる。確かに幅70cmのベットは狭く感じるものの、この狭い空間が子供の頃に憧れた秘密基地のようで意外に楽しい。
海上自衛隊の潜水艦のベット幅は50cmなので、それに比べれば余裕はあります。
但し、寝返りをするにはちょっと狭い気も、寝相が悪い人には二段目はお勧めしません。
夜の車窓と瀬戸大橋を渡る時は、寝台特急で旅をしている感じが強く、乗って良かったと感じる瞬間です。
ちなみに料金は住んでいる駅から片道24,990円(特急料金、寝台料金、運賃込み)。新幹線のぞみの指定席だと片道17,660円なので7,340円割高になります。
でも飛行機を使うよりは1万円近く安いし、半日以上の時間を自由に使えると行動の幅が増えて、観光にも余裕が生まれます。
おかげで予定していなかった温泉巡りが出来ました。
今ならまだ乗れる寝台特急。
体験する価値はあるかどうかは、あなた次第です!!(関暁夫風)
Posted at 2022/05/31 21:40:51 | |
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