
前ブログでお別れしたミラの後に購入したのが、日産プレセアでした。
1年落ちの中古でしたが、コンディションは良好なもので
(後に事故車である事を隠していたという衝撃の事実が、ディーラーにて暴かれますが)
その美しくも優しいボディラインに、当時はかなり参ってしまったのであります。
「全身・センス 日産プレセア」というキャッチコピーのCMが、当時よく流れていました。
http://www.youtube.com/watch?v=ZMQOmdoQp30
それまで乗っていたミラが、あまりにも狭く、そして非力だった事に鑑み
次に乗る車は広くてパワフルなもの、という命題を自分に課していたのですが
いざ購入という段階になると、そんな事は忘れてしまっていました。
一目惚れという現象は、理性を軽々と打ち砕くようです。
皆さん、気をつけましょう。
このプレセアという車、前述の『広くてパワフル』という命題からは
相当逸脱しておりました。
確かに前席はシートをいっぱいいっぱい後ろに引けば、相応に広々としています。
しかし、4名、または最大限に5名乗車ともなると、そうもいきません。
スタイル最優先の車内は、お世辞にも広いとは言えず
後席の足元の空間は、前席をギリギリまで前に出さないと使用に耐えません。
エコノミー症候群も夢ではないほど、それほどまでに狭いです。
天井も低く造られていて、後席はリアウインドウがかなりの傾斜で迫っているため
圧迫感は相当なものでした。
そしてパワーという点に於いても、プレセアは持ち合わせてはいませんでした。
出足こそはホイルスピンするぐらいの鋭さを持っておりましたが
(単に安物タイヤだった為にグリップしていなかっただけかも…)
そこから先は全く伸びてくれず、100km/hに至るまでに
軽く13秒以上かかってしまうぐらいのものでした。
(軽自動車でもターボ付きなら10秒そこそこで到達します)
などと酷評ばかりしていてはダメですね。
この車には、他車にはない持ち味というものがふんだんにあるのです。
たとえばメーター。
プレセアには全グレード標準で『マリンブルーメーター』という
それは優美なメーターが驕られていました。
ナイトドライブが本当に楽しくなる、それほどまでに魅入られるぐらいの美しいメーター。
それだけではありません。
操作性抜群のオートエアコンやマップランプ。
閉めた時、「ダムッ!」と重厚な音のする4枚のドア。
インバース形状のヘッドライトは広範囲を余す所なく照らす明るさを持ち
これも標準装備のプロジェクターフォグランプも、かなりの効果のあるものでした。
低重心(全高1320mm)の車体は、横風の影響も少なく
またスタイリッシュさに拍車をかけるものでした。
(乗り込む際に頻繁に頭ぶつけましたが…)
スタイルで言えば、当時の国産車でも群を抜くものがあったと思います。
妹が乗ると、なかなかサマになってました(妹は帰国子女)。
まさに『全身・センス』であります。
そんな美しすぎる我が愛車ではありましたが、あまり恵まれたカーライフではありませんでした。
何度も事故に巻き込まれたりもしました。
ランクルがバックで迫ってきて、あわや踏み潰される危機に直面した事もありました。
ランクルの運転手曰く「低すぎて見えなかった」だそうです。
低重心のボディは、時にこのような弊害をも巻き起こすようです。
そしてこのプレセアの持つ優美さを理解しなかった当時の嫁が
あまりにもゴネ倒した結果、買い替えという結末を迎えてしまうのでありました。
買い替え後、プレセアは嫁の弟が乗る事となり
引き取られて行ったのですが
弟が出先で激しく追突された際、大破してしまった為
そのまま廃車という、とても悲しい最期を迎えてしまいました。
悲劇の名車ではありましたが、当時の私の良きパートナーとして
本当によく頑張ってくれたと、心から感謝しています。
ありがとう!マートレット!(プレセアの個人的呼称)
Posted at 2011/10/30 19:25:40 | |
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